ボケを遠ざける生き方って? 「カラオケ好き」「よく笑う」など8選
ひと昔前には「まじめな人は認知症になる」「ボケは遺伝する」といわれていたが、それは根拠のない都市伝説に近いものだった。とはいえ、「認知症になりやすい生き方、遠ざける生き方がある」と、神経内科医で米山医院院長の米山公啓さんは言う。
さて、あなたはどうですか?
よく笑う
“笑い”にはストレスを解消し、がんなどの病気回復効果があるとわかっている。「ストレスが続くと、副腎皮質ホルモンのコルチゾールが分泌され、高濃度で脳に作用すると脳細胞を破壊するという研究報告があります。笑うことでストレスは発散され、コルチゾール値は低下。結果、認知症予防につながる。よく笑う人ほどボケにくいといえます」(米山さん)。
おしゃべり
認知症になりやすいのは、人と交わるのが苦手な人。「特に話題がなくても楽しくおしゃべりを続けるには、自分ばかり話すのではなく、相手に気持ちよく話してもらうように気を配る必要があります。会話は脳を最大限に働かせてこそ成り立つもの。楽しいおしゃべりは、脳の血流を増加させ、認知症予防に大きく働くといえるでしょう」(米山さん)。
趣味は読書
すべてが映像化されて具体的に見えるテレビや映画に比べ、小説は情景や登場人物の表情、姿などを頭に思い描きながら読み進める。これが脳を刺激して活性化されるのだ。「活字を追うことで、脳はビンビンと刺激を受け、 頭はシャープに保たれますよ」(米山さん)。
カラオケ好き
大きな声で歌うカラオケでストレスを発散するという人も多い。バラードなどを気持ちよく歌うには、お腹から声を出す腹式呼吸による発声法が必要だ。「腹式呼吸は、血行を促し、脳内の血流も増加させます。頭も心もすっきり整え、リラックス効果もあります。仲間と集まり、にぎやかに盛り上がることで脳の活性化効果も期待できますね」(米山さん)。
おおらか
昔から“嫉妬はわが身を滅ぼす”というように、嫉妬が呼ぶストレスは、強力なネガティブパワーとなって蓄積される。「嫉妬深いと物事に固執し、多様性のある思考ができなってしまう。他の情報が入らないのは脳の停滞にもつながり、ボケやすくなります」(米山さん)。
たばこをやめた
生活習慣の中で、認知症の最大の危険因子といえば喫煙。たばこの煙には一酸化炭素が含まれ、赤血球のヘモグロビンと結びつくと脳に酸素が運ばれなくなる。その結果、脳が酸欠状態になり、脳の委縮が進むと考えられる。「禁煙した瞬間からリスクは軽減し始めます。一刻も早い禁煙を」(米山さん)。
睡眠はたっぷりと
睡眠不足が続いている人は、よく眠る人に比べて、MCIを持つ可能性が5倍以上あったという発表がある。「現時点では、認知症と睡眠不足の因果関係はわかっていませんが、充分な睡眠が認知症予防に役立つことは明らかです。記憶の定着作用は、睡眠中に行われるため、寝不足によって記憶定着効率が落ち、頭の働きが悪くなってしまいます」(米山さん)。
老後は家族や仲間と
ひとり暮らしの高齢者は、家族がいる場合に比べて1.66倍も認知症発症率が高いという。特に中年期以降、パートナーを失ってひとり暮らしをしている人は、発症リスクが3倍に。「ひとり暮らしにかかわらず、孤独を感じる人は、そうでない場合よりのリスクが2.4倍高いという結果も。早いうちから仲間づくりを心掛け、積極的に人と交わって」(米山さん)。
初出:女性セブン