尿もれ・頻尿を引き起こす“骨盤底筋の衰え” 自己チェック方法と見直したい習慣【理学療法士監修】
日常動作も、骨盤底筋に大きな影響を与える。
「『姿勢の悪さ』は、骨盤をゆがませ、機能を低下させます。姿勢の悪化で骨盤が前後に傾くと、腹圧のバランスが崩れ、骨盤底筋への負荷が大きくなる。たとえば、座るときに腰や背中が丸まっていると骨盤は後傾し、内臓が下がって腹圧が過度に骨盤底筋にかかってしまう。逆に、日常動作の改善は、骨盤底筋の負荷を軽減し、しなやかに鍛えることにつながります」
骨盤底筋を弱くする7つの日常動作や体勢
●背もたれに寄りかかって座る
●猫背であごが前に出ている
●足を組んで座る
●左右どちらかに体重をかけて立つ
●座りっぱなしの時間が長い
●お腹を突き出して反り腰気味
●股関節や足首が硬いなど……
姿勢を整えるだけで腰痛改善やしなやかな体に
姿勢を整えると、さらにこんな効果も表れる。
「骨盤底筋まわりのインナーマッスルが正しく働くようになり、腹圧も安定。体幹がしっかりしてぽっこりお腹が引き締まり、体がしなやかになるほか、疲れにくくなり、腰痛改善も期待できます。腟や尿道は鍛えられませんが、それらを支える骨盤底筋が鍛えられていれば骨盤内の血流がよくなり、硬くなった腟や尿道をサポートできます」
骨盤底筋を鍛えると得られる5つの副産物
●姿勢がよくなる
●お腹や下半身が引き締まる
●腰痛改善
●疲れにくくなる
●力みのないしなやかな体になる
骨盤底筋の健康には腹圧の安定が大きなポイント。そこで、腹圧の状態を確認する方法があるという。
「椅子に座って骨盤を立て、恥骨に手を置いて『コホン』と軽くせきをしてください。このとき下腹部が凹み、骨盤底(座面に接している会陰[※1]部分)が下がらなければ腹圧が安定しています。下がる感覚があれば、腹圧が骨盤底筋に過度にかかっている可能性があります」
骨盤底筋トレーニングの第一歩は「自分の骨盤底筋が動いているかを把握すること」と田舎中さん。さっそく、下記の自己チェック方法で確認してみよう。
「【1】『恥骨と尾骨に触ってチェック』ができた人は、その状態が骨盤底筋の正しい位置であることを覚えておきましょう。常にその体勢を維持するのは難しいですが、立っているときや歩いているときに数分でもその状態をキープしてみてください。日々の習慣づけで体は変わっていきます」
【1】で動く感触がつかめなかった人は【2】「『会陰腱中心(えいんけんちゅうしん)』でチェック」の方法を。
「『会陰腱中心』は骨盤底筋を形成する多くの筋肉が走る場所なので確認がしやすい。排尿や排便を止めるような意識で尿道や肛門を締めてみましょう」
※1:会陰(えいん)とは、腟と肛門の間の部分。
骨盤底筋の動きを自己チェック!
骨盤底筋がきちんと動いているかは、触って調べるのが確実。お尻やお腹など、まわりの部位に力が入らないように注意しよう。
【1】恥骨と尾骨に触ってチェック
まっすぐ立って恥骨と尾骨に手を当て、骨盤底筋にキュッと力を入れて締める。「尿を止めるような意識で尿道、腟を引き上げます。締めたときに“尾骨が恥骨に近づく感触”があり、下腹部も凹み、力を抜くとふわっと元に戻ればOKです」(田舎中さん)。
【2】「会陰腱中心」でチェック
【1】で動きを感じられなければ、多くの筋肉が走る「会陰腱中心」(会陰の中央部)に手を置いて骨盤底筋を引き上げる。それでも動きを感じなければ腟の中に指を入れ、骨盤底筋を引き上げてみよう。いずれも入浴後など、清潔な手で行おう。
イラスト/いばさえみ 取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2026年4月16日・23日号
●寝ながら簡単!「骨盤底筋ストレッチ」で尿もれ予防&睡眠の質も向上【理学療法士監修】
