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健康

《寝たきり原因1位の「転倒」を防ぐ》1日30秒でできる!「壁体操」のやり方を整体師が解説 足が「5ミリ」上がればよい

 17年の整骨院経営を経て、これまで3万人の患者を治療・指導し、転倒予防の研究を行う整体師の福嶋尊さん。寝たきりの原因1位である「転倒」を防ぐためには、筋トレやウォーキングではなく、足がたった「5ミリ」上がるようになるだけでいいという。福嶋さんの著書『ストレスゼロで一生歩ける! 5ミリの壁体操』(サンクチュアリ出版)より、転倒と寝たきりの関係や、つまずきやすい「つま先型」の人に向けた具体的な体操について一部抜粋、再構成して紹介する

 * * *

転倒は「寝たきり」への入り口。筋力ではなく関節の柔軟性がカギ

 転倒は「認知症」「脳の障害」という防ぐことがむずかしいものを除けば、寝たきりの原因の1位です。そして、転倒全体の8割が、床の配線やカーペット、道路の白線など、たった「5ミリの段差」、あるいは、何もない平らな場所につまずくことで起こっています。

 転倒で亡くなる高齢者は、年間1万人以上。これは交通事故による全世代の死亡者数の4倍以上です。ケガが治ったとしても歩けなくなってしまうケースがあるほか、一度転んだ人の6割が1年以内にまた転んでしまうというデータもあります。

 また、動かない生活が続くと、弱るのは筋肉だけではありません。心臓も、肺も、体力そのものも落ちていきます。この流れの先にあるのが「寝たきり」です。そして、寝たきりになると認知症も一気に進むことがわかっています。

「転ばないために」と聞くと、筋トレやウォーキングを思い浮かべる方が多いと思います。しかし、「筋肉や健康」と「転ばないこと」は別の話です。筋トレ、ウォーキング、ラジオ体操、健康サプリ、どれも健康にはいいのですが、足が上がるようにはなりません。

 足が上がらなくなる原因は、筋肉の衰えではなく、関節が硬くなっていること。関節が硬い体は、車のサイドブレーキがかかったまま走っているようなもので、いくら筋肉があっても、体にストッパーがあるから足が上がらないのです。

 足を上げるためのカギは柔軟性です。関節がゆるみ、動かしやすくなることで、足が自然と上がり、5ミリの壁につまずかなくなります。この関節の「動きの余白」を取り戻すのが「5ミリの壁体操」です。

すり足でつまずきやすい「つま先型」。足の指と足首の硬さが原因

 関節の硬くなり方には、大きく分けて5つのタイプがあります。足の指・足首の関節が硬い「つま先型」、ひざ関節・股関節が硬い「ひざ痛型」、骨盤がゆがんでいる「腰痛型」、背骨が硬い「猫背型」、肩の関節が硬い「肩こり型」です。今回は、その中でも特に足元に直結する「つま先型」について解説します。

「つま先型」は、足の指や足首の関節が硬くなっているタイプです。たとえば、「しゃがむとかかとが浮く」「正座がつらい」「すねが痛い、力が入らない」「夏でも手足の冷えを感じる」「靴擦れが増えた」など、これらに3つ以上当てはまったら、つま先型の可能性が高いです。

 人は足を前に出すとき、足首を曲げてつま先を反らすことで足を上に蹴り出し、地面に引っかからないようにしています。この動きがスムーズだと、つま先は自然に少し持ち上がります。しかし、ここが硬いと筋力があっても蹴り出すことができず、すり足になってつまずいてしまいます。

 また、本来はつま先が少し上を向いた状態でかかとから着地するのが理想ですが、足首が硬いとつま先から着地してしまい、地面との摩擦で足が止まって前に倒れやすくなるのです。

1日30秒でOK! つま先型を改善する「足指タオルにぎり」と「足首回し」

「5ミリの壁体操」は、1回30秒でできる簡単なものです。体操の効果を最大限に引き出すためのコツが2つあります。1つ目は「深呼吸をしながら」行うこと。吸った時間+2秒をかけて息を吐くようにすると、体が自然と脱力してしっかりと伸ばせます。

 2つ目は「気持ちいいところで止める」こと。筋トレではないので、痛みを感じるまで無理に伸ばすと筋肉や関節を傷めてしまいます。勢いをつけずに、ぐーっとゆっくり伸ばしてください。それでは、つま先型を改善する2つの体操をご紹介しましょう。

【足指タオルにぎり】

【1】イスに座り、床に置いたタオルの上に足を乗せます。かかとは地面につけたままです。

【2】足の指を軽くグーの形にして、タオルをにぎり、5秒キープします。

【3】タオルを離して、今度は足の指を思いっきりパー(扇状)に開いた状態を5秒キープします。

(3~6セット繰り返します)

 これは靴の中で縮こまり、硬くなった足指を動かす体操です。指先だけでなく、指の根元から曲げるイメージで行うのがポイントです。足指が曲がれば、つま先で地面をしっかり蹴り出すことができ、すり足になりません。体の中で唯一地面に接している足の指は、転倒を防ぐための「最後のブレーキ」役でもあります。

【足首回し】

【1】イスに座り、右足を左のひざの上に乗せます。そして、くるぶしの上あたりをしっかり動かないように右手でにぎります。

【2】左手でつま先を包むようににぎり、前回りにぐるぐる10回回します。

【3】同じように、後ろ回りでぐるぐる10回回します。

【4】左足も同じように行います。

(3~6セット繰り返します)

 足首は知らないうちに硬くなってしまう部位の筆頭ですが、回して可動域を広げます。足の指の根元の関節と、足首の関節を連動させて回すようにするのがポイントです。また、片手でくるぶしをつかんで固定することで、足首の根元から大きく回すことができます。足首が柔らかくなれば、歩くときも自然とつま先が持ち上がり、転倒の原因となるつまずきを防いでくれます。

 転倒予防のついでに体が整っていくので、ちょっと得した気分になれるはずです。足がスムーズに動くようになり、歩くのが億劫という気持ちも変わっていきます。何歳からでも始められるので、ぜひ今日の30秒から、転ばない体づくりを始めてみてください。

◆整体師、国家資格柔道整復師、寝たきり予防研究家・福嶋尊

ふくしま・たける/1973年9月12日、東京都生まれ。17年間経営した整骨院では、プロアスリートを含む累計3万人以上の治療実績を持つ。ケアマネジャーと社会福祉士の国家資格を取得し、転倒予防と寝たきり予防の研究を行う。2025年よりカルチャーセンターで高齢者向けのストレッチ講座を開講。さらに、福祉業界を目指す学生への指導や健康啓発にも力を注いでいる。近著は『ストレスゼロで一生歩ける! 5ミリの壁体操』(サンクチュアリ出版)。

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