尿もれ・頻尿を引き起こす“骨盤底筋の衰え” 自己チェック方法と見直したい習慣【理学療法士監修】
くしゃみ後の尿もれや、年々悪化する頻尿ーー「年だから」と放置していませんか? それは骨盤底筋が限界を迎えている危険サイン。放っておけば事態は悪化し、健康にも影響が。でも諦めるのはまだ早い!骨盤底筋を弱くする日常動作を見直そう!
教えてくれた人
田舎中(たやなか)真由美さん/理学療法士、延べ2万人以上を指導する「骨盤底」のスペシャリスト。リハビリ・コンディショニング施設『フィジオセンター』(東京都港区)センター長。最新刊は『骨盤「底」活 キュッと締めて、しなやかに支える』(運動と医学の出版社)
排泄をコントロールする「骨盤底筋」
骨盤底筋の働きについて、理学療法士の田舎中真由美さんが解説する。
「骨盤底筋は体幹のいちばん下にあり、恥骨から尾骨にかけてハンモック状に張り巡らされた筋肉群の総称です。内臓を支え、尿道や肛門、腟の開閉をコントロールしています」(田舎中さん・以下同)
「骨盤底筋」はどこにある?
骨盤底筋は骨盤の底にあり、膀胱や子宮、直腸などの内臓を支え、排泄をコントロールしている筋肉群。いくつもの筋繊維が何層にも分かれて複雑に走っており、股関節まわりのインナーマッスルとも連動して動いているため、この筋肉群が衰えてゆるむと姿勢も悪化し、内臓の下垂などが起こる。
更年期以降は骨盤底筋が衰えやすい
見えない部位にある、まさに「縁の下の力持ち」だが、出産や加齢でその働きが低下していくという。
「くしゃみやせき、重い物を持ち上げるなどの動作をすると、腹圧(お腹の中の圧力)はズシンと下にかかります。その圧を受け止めるのが、しなやかで弾力のある骨盤底筋。トランポリンのように跳ね返すことで内臓の下垂や排尿を制御しています。しかし、妊娠や出産でゆるんだり、加齢で柔軟性がなくなったりすると、骨盤底筋は腹圧を跳ね返しきれず、絶えず負担がかかった状態に。排尿コントロールがうまくいかなくなるのはそのためです」
排尿トラブルには女性ホルモンも大きく影響する。
「閉経後、エストロゲンの分泌量が減少すると筋肉量が低下するため、骨盤底筋が衰えます。同時に血流も低下するので、膀胱や腟、尿道などの器官への血行が悪くなって硬くなり、ますます排尿コントロールがしづらくなるのです」
衰えが進むと腟から内臓が出る「骨盤臓器脱」が起こり、自力で戻せない場合は手術に至ることもある。
「腟に何かがはさまるような感じがある」「夕方になると下腹部が重だるい」という人は、注意が必要だ。
「骨盤底筋の衰えは、尿もれや頻尿以外にも便失禁、便秘、腰痛や股関節痛などさまざまなトラブルを引き起こします。更年期以降は、誰でも骨盤底筋の重要性を意識してほしいですね」
