猫が母になつきません 第497話「2年め」
引っ越してきた年には実をつけなかった梅の木が急に実をつけて驚いたのが去年、今年も大きな実をつけました。梅の木は2本あって、去年実をつけたのは1本だけだったのですが、今年は2本とも実をつけました。なんだかうれしい。
実家にあった梅の木は毎朝バケツ2杯とか収穫していたので、それに比べたらほんとうにちょっぴりですが、そのぶん一粒のありがたみが大きい。梅が木から落ちるのを待っているとどうしても痛んでしまうことが多いので、落ちる前に収穫して家の中で追熟します。使うあてもなかったのに捨てずに実家から持ってきていた竹製の大きな梅干しざるに梅を広げる。
去年の梅は梅シロップにしたのですが、実家で作ったものに比べて梅の風味がうすい気がしたので、今年は全部梅干しにしてみることにしました。実家でも最後の年にすこしだけ梅干しを作って、それが思いのほか美味しくできて、そろそろ残りわずかになってきたので。塩分おさえめでお酢と砂糖を使ってつくるタイプ。失敗が少なく初心者向けなんだとか。ああ、考えただけで口の中が…。思えば梅仕事は母の遺産のようなもの。どうしたって母を思い出す。しぶとい母が自分のことを忘れないように私に梅仕事を続けさせているような気がします。こわ。
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作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。
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