《僧侶が説く片付け術》もったいなくて捨てられないメンタルを変えるために必要な“心の免疫”「処分したら購買欲のままに新しい服を買ってもいい」
小さい家への住み替えで暮らしをコンパクトに
物を減らした後、思ったより使わない空間や場所が多いことに気が付いたり、家が広すぎると感じたりすることがあるかもしれない。そこで考えたいのが「家じまい」。今の暮らしに合わせて、少し小さな家へ住み替えたり、高齢者用のホームへの入居を考えたりすることだ。
「せまいながらも楽しい我が家に住み替えるのだと思えば、面倒に思うことでも前向きに対処できますよ」
便利な家電も手放せば習慣から変わる
技術の発達で家電は急速な進歩を遂げている。もちろん便利な物を活用するのは良いことだが、同じような機能の家電が複数あったり、コンセントの多くに複数のプラグが差せる電源タップが刺さっているような状況だったりする場合は思い切って「家電じまい」をするのがおすすめだ。
名取さんは、「あえて不便な生活を試してみてもいいかもしれません」という。例えば、掃除機の代わりにほうきとちりとりで掃除をしたり、土鍋でご飯を炊いたりするようなことだ。
「プリミティブ(原始的、根源的)な生活に自分の生活をはめ込んで暮らせば、キャンプ生活を楽しむように、人間のぬくもりを感じられる生き方ができるようになります」
「テレビじまい」で感性も新しく
あるのが当たり前だった「テレビ」も、実はしまいやすいもののひとつだ。今はタブレットやスマホをテレビ代わりに使っている人もおり、既にテレビを持っていない人も増えている。
サブスクリプションサービスなどの活用で、テレビなしの生活を楽しむことは、子どもや孫世代のほうが得意なことも多いため、子どもや孫の生徒になって教わることも名取さんはすすめている。
「それでもテレビがないとつまらないと思うなら、それはテレビがないせいではなく、自分の感性がつまらなくなっているのかもしれません。あえてテレビから離れて、テレビじまいに挑戦してはいかがでしょうか」
「スマホじまい」でスマホから離れる
名取さんは、生活になくてはならない「スマホ」をしまうこともすすめている。必要な情報を瞬時に得ることができて便利ではあるものの、情報が多すぎて、本当に知りたいことやしたいことがわからなくなってしまったり、無意識のうちに信じたい情報や好みの情報に囲まれて、自分の意見や考え方が正しいと思い込んでしまいやすくなったりするためだ。
「少しでも思い当たることがあれば、思い切って一日でも二日でも(できれば一週間)、スマホから離れてみてください。情報が少なくても充実した気持ちで日々過ごす力を、あなたは人生経験の中からすでに得ているのですから」
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