最旬《炊飯器》は進化している!「米の味を引き出す機能が多様化、クリーニング機能でお手入れも楽に」シニアにおすすめ3選を家電の達人が指南
秋も深まり新米がおいしい季節。今や貴重なお米だけにおいしく炊ける炊飯器が欲しい。シニア世代には、どんな炊飯器が使いやすいだろうか。家電ライターの田中真紀子さんに、サイズや容量の選び方、注目の炊飯機能のほか、おすすめ機種を教えていただいた。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
炊き上がりの食感を選べるように
久しぶりに炊飯器を買い替えようとすると、機種の多さや進化具合に驚く人も多いだろう。まずは、最新の炊飯器のトレンドや業界の動向を確認しておきたい。
「最近の炊飯器には、ごはんの食感を“自分好み”に選べる『食感炊き分け』機能が注目されています。
従来はメーカーによって、ごはんの炊き上がりの食感が“もっちり派”か“しゃっきり派”に分けられる傾向がありました。たとえば、関西出身の人は、もっちりを好むため、関西に本社を置くパナソニック・象印マホービン・タイガー魔法瓶は、もっちりと炊き上がる設計に。
一方、関東出身の人はしゃっきりとした食感を好むので、関東に本社を置く三菱・日立などはしゃっきりと炊き上がるように設計されているというのが定説でした。しかし近年、ごはんの食感の好みは全国的にしゃっきりした食感を好む傾向になっていきているのだそうです。
さらに炊飯機能も進化し、好みの食感に設定できるようになってきているので、メーカーで選ぶ必要がなくなってきているというわけです」(田中さん・以下同)
また、高級路線の炊飯器がどんどん増えていることもここ数年の傾向だ。
「高級炊飯器は年々価格が上昇し、今年発売された主要メーカーのハイエンドモデルは、軒並み10万円前後から15万円近くになっています。家電の中には、『便利だけど要らない』機能のために値段が高くなってしまうのもありますが、炊飯器に関しては、よりおいしく炊く機能が重点的に強化されていますので、高いなりの理由はあると言えます」
このほか、近年は「新米をおいしく炊く機能」「古米もおいしく炊ける機能」「長時間保温してもおいしい」「冷凍ごはんがおいしい」など、状態やシーンに関わらずごはんをおいしく食べられる機能が多様化しているという。
シニア世代はここをチェック!最新炊飯器の注目ポイント
さまざまな便利機能がある中、シニア世代は、どのような機能に着目すべきか。
ベストサイズは3.5〜4合炊き
まず気になるのがサイズ。当然ながら、炊飯容量が多いほどサイズや重量は大きくなり、持ち運びや洗い物の負担が増える。
一般的に、家族1~2人は3・3.5合、3~5人は5・5.5合、5人以上は8~10合(一升)炊きを選ぶといいだろう。特に小容量は、3合・3.5合・4合というように、以前より容量が細分化されておりいて、選択肢が広がっている。
炊飯容量が上がるほどサイズが大きくなり、重さも増す。
「シニア世代は若いときに比べるとごはんの消費量は減ってくることが多いので、大きな容量は必要ないでしょう。もちろん多めに炊いて冷凍しておく方もいると思いますので、一概には言えませんが、コンパクトに置けて内釜も扱いやすいことから、夫婦2人暮らしなら、3合、3.5 〜4合炊きが使いやすいと思います。
かつては3・3.5合炊き炊飯器は、1人暮らしを始めた若い人が買い求めることが多かったことから、味よりも買いやすい価格を重視したものが多く販売されていました。しかし今の時代は、おいしく炊ける炊飯器を使ってきたシニア層はもちろん、味にこだわる若い単身世帯にも売れているようです」
少量でもおいしく炊けるなど炊飯機能も進化。1合分(だいたい夫婦2人分くらいの量)をベストな味わいに炊き上げる機能がついた炊飯器も登場している。
操作のしやすさ「音声読み上げ機能も」
食感の好みや炊き方、炊き上がり時間などを設定する際、助けになるのが「設定読み上げ」機能や、ボタンの押しやすさだ。
「例えば高齢になり視力が落ちてきた場合、自分が設定した内容が間違っていないか、音声でも確認できると安心です。またボタンが大きければ押しやすいですし、液晶タッチパネルなら直感的に操作できます。
ほかにも、やわらかめに炊けるもの、栄養摂取のために麦や玄米、雑穀米を食べるなら、専用モードがあるかどうかもチェックするといいですね」
お手入れ方法「洗うパーツをチェック」
お手入れが楽かどうかも、要チェックだ。
「少し前までは、内釜や内ぶた以外にも取り外して洗わなければならないパーツがあるタイプも多く、お手入れの手間がかかるという声がありました。しかし最近の炊飯器は、内釜と内ぶただけを洗えばいいように改良されているものが増えています。特に内ぶたは食洗機で洗えるものも。購入時には、お手入れの仕方、洗浄が必要なパーツの確認をしておきましょう」
最新の機能、何が必要か吟味して
最新の炊飯器には、プラスαのさまざまな付加機能があるが、その機能が必要かどうかを考えて選ぶといいだろう。
「インターネットに接続できるIoT炊飯器もあります。たとえば、Wi-Fiに接続してアプリから細かい設定ができたり、外出先から炊飯予約をできたり、さまざまな操作ができるのですが、こうした機能を使わないのであれば、Wi-Fi非搭載のタイプで充分でしょう。
ネットに繋がることで、“見守り機能”を使えるタイプもあります。
こちらは必要かどうかご家族の考え方にもよると思いますが、高齢になるにつれご自身ではまだ大丈夫と思っていても、離れて暮らすお子さんは心配されているということも。わざわざ連絡するほどではないけれど、元気にごはんが食べられていることを伝える手段として、選ぶのも一案です。
また、お米の銘柄が増えたことで、それぞれの銘柄によって炊き上がりを自動で調整する『銘柄炊き分け』機能も一時期注目を集めました。色んな銘柄を食べたいというかたにはいいですが、使う頻度を考えて選んでみてください」
以下で、シニアにおすすめの炊飯器をご紹介。いずれも、ごはんのおいしさは田中さんのお墨付きだ。

 
                         
                         
                         
                         
                         
                     
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                         
                        