《真言宗の僧侶が伝授》60歳を過ぎたら自分らしく生きるために捨てるべき「完璧」「正論」など7つの考え方 「そろそろ“適当にすませる勇気”を」「100%正しいことは意外と役に立たない」
「年齢」もしまって、やりたいことを楽しむ
この先の人生を楽しんでいくためには、「もう年だから」と年齢を理由に諦めることも「しまう」のがおすすめだ。年齢を理由にできない理由を話す人に対し、名取さんは「でもこの先“今日より若い日はありません”。やるなら早いほうがいいですよ」と話すという。気力や体力を考えると、やりたくてもできないことは出てくるが、やりたいことの規模や期間を小さくすれば、できることは出てくる。
「できない言い訳や理屈が多くなるのを“おいぼれ”と言うそうです。あなたには、まだまだ、できること、動けることがたくさんあります」
過去に納得すれば「後悔」もしまえる
過去は変えることができないが、考え方次第で過去の見方は変わり、過去に対する後悔もしまうことができる。そのためにやるべきなのは、まず後悔している状況が生まれたときのことを振り返り、そのときの自分の状況や周囲の状況はどうだったのかを分析すること。
例えば、何かをして後悔しているのだとすれば、自分の状況としては、当時は浅はかだった、自分ならできると思っていた、などが考えられ、周囲の状況としては「やって後悔しろ」と背中を押されたなどが考えられる。しかし、こうした状況を踏まえると、当時の選択肢は「やる」しかなかったともいえる。
「それを今の自分が心の底から納得すれば、後悔は薄まったり、消えてなくなったりします」
やらなかったことを後悔している場合も同様に、過去を分析し、「やらない」しか選択肢がなかったことに納得するといい。
「これは、実際に私が使っている方法で、効果は絶大です。以来私は、何かをやるかやらないか決めるときに、『本当にその決断に自信を持っているか』と自分に問えるようになりました。あなたもきっとできます。過去の事実は変えられませんが、その解釈をかえて、さわやかに生きていけるのです」
やれることをやったら「じたばた」もしまう
何か問題が起きたとき、解決しようとじたばたする。そうした「じたばた」も、やれることをやった後はしまってしまえばいいと名取さんはいう。どんな問題でも、解決するための条件や要素などの「縁」をそろえる必要があり、その縁には自分で集めたり作ったりできるものがあるが、家族の事情や経済の状況など、自分の努力では引っ張れない縁もある。
「自分が関与できない縁については、『なるようになる』として、しばらく待つか、そのままにして先に進むしかありません」
「人生の意味を探すこと」もしまって今を大切に
自分の人生にどんな意味があるのだろう、と考えたことはないだろうか。名取さんは、「人生に決まった意味はない」という。人生は白いキャンバスに絵を描いていくようなもので、時間の経過とともに常に変わっていくものだからだ。
名取さんは「絵は次々に変化していきますが、その絵に自分でつけるタイトルが、その時点での”人生の意味”でしょう」と話す。この絵は死ぬまで完成しないものであり、この世からお別れするときの絵のタイトルが人生の最終的な意味となるため、今、人生の意味を決めることはできないそうだ。
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