「ゴミ箱が進化している!」使用済みオムツや生ゴミのニオイも気にならない最旬商品や選び方のポイントを家電の達人が解説
介護中の家庭では使用後のおむつのニオイやゴミ処理に悩んでいるという声も多い。また暖かくなってくると生ゴミなどのニオイも気になる…。そんなゴミのニオイ問題を抱える人におすすめなのが“進化系ゴミ箱”だ。どんな機能があるのか、選び方や最新アイテムについて、家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらった。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
高齢者や介護が必要な人におすすめ“進化系ゴミ箱”の特徴は?
ゴミ箱から漏れるニオイ対策として「フタ付き」のゴミ箱を使っている人は多いだろう。一般的なゴミ箱のフタは、手で開けるタイプや足でペダルを踏んで開けるタイプが主流だが、フタが自動で開閉しニオイの抑制機能を搭載するなど、高機能な進化形ゴミ箱が登場している。
おすすめはセンサー付きの自動オープン型
まずは、人感センサーつきで手をかざすだけで開く「自動オープン型」に注目したい。
「自動オープン型は、とくに高齢者におすすめです。捨てるたびにわざわざフタを開けるのは面倒ですし、手元がおぼつかないと開けにくいですよね。
足でペダルを踏んで開けるタイプのゴミ箱は、開けるたびに足元が不安定になりますし、車いすの利用者の場合には不向き。その点、自動オープンなら手をかざすだけなので便利です」(田中さん・以下同)
自動で開閉する「フタ」開き方のタイプ
自動オープン型と一口に言っても、フタの開き方に違いがあり、どの方向に開くのかが使いやすさに関わってくるという。
「主に、1枚のフタが上方向に開くタイプ、観音開きタイプ、横にスライドして開くタイプの3種類があります。どこに置き、どう使いたいかによって選ぶことがポイントです。
例えば、フタが上方向に開くタイプは、フタが全開するのでゴミを捨てやすい半面、ゴミ箱の上に、ある程度のスペースが必要です。ゴミ箱を棚や家具の下に置いて使いたい場合は、フタの上のスペースをチェックしましょう。
またフタが閉まるときに風が発生しニオイが拡散する可能性も指摘されています。観音開きのほうがフタの面積が小さくなる分、ニオイの拡散は少ないかもしれません。
フタが横にスライドするタイプは、棚や家具の下にも置きやすく、開くときに風を起こさないためニオイの拡散が少ないと言われています。ただ、フタが全開しないため開口部が少し狭くなる場合もあります。面積の大きなゴミを捨てるときには、少し使いづらいかもしれません」
オゾンなどの脱臭機能でニオイ対策も
進化系ゴミ箱は、ニオイを抑える脱臭機能にも注目したい。
「今は脱臭剤が設置できるタイプのほか、オゾンを発生させて脱臭できるものもあります。
また、生ゴミなどニオイが気になるゴミを冷凍することで腐敗を防ぎ、ニオイを抑えるという画期的なゴミ箱も登場しています。
夏場はゴミ収集日まで生ゴミを冷凍しているというかたもいるそうですが、不衛生ですし場所も取ります。その点、冷凍に特化したゴミ箱なら衛生的。ニオイが気になる使用後の紙オムツを気兼ねなく捨てられるようになったという利用者もいるそうです」
このほか、専用のゴミ袋を自動でセットできるタイプや、袋を圧着して閉じる機能にも注目だ。
「ゴミ袋を取り替えたりゴミ袋の口を縛ったりと、ゴミ捨てにまつわる小さな家事は意外に面倒なもの。これらを自動でやってくれるのは家事の時短にもつながりますよね。生活を快適にしてくれる進化系ゴミ箱の高機能に注目してほしいと思います」
進化系ゴミ箱は選ぶときのチェックポイント
高機能なゴミ箱は便利な一方で、選ぶときには注意すべきポイントもあるという。そもそも電動式なので置き場所や電気代などのランニングコストがかかるうえ、一般的なゴミ箱とは取り扱い方が異なる。
重さをチェックしよう
まずは、フタや本体の重さをチェック。重量感によっては、ゴミ袋の交換がしづらくなるからだ。
「基本的には、一般的なゴミ箱と同じように手軽に交換ができるものが多いのですが、自動開閉型の場合、バッテリーや電池がフタに搭載されていることが多いため、フタが重く感じられるかもしれません。
特にフタを取り外してからゴミ袋を交換する製品だと、重いフタを持ちづらく、うっかり足に落としてしまう可能性もあります。
ゴミを冷凍できるゴミ箱は、コンプレッサーが搭載されているので本体に重量感があり、ゴミ箱を動かしてゴミ袋を交換するときに意外と力を必要とすることも。体力に自信がない高齢者の場合、自分でゴミ袋の交換ができそうか、もしくは介護者がやってくれるか、確認しておくといいでしょう」
充電式、電池式、コード式かで置き場所が異なる
電動ゴミ箱の充電方式も確認を。
「電動ゴミ箱には、電源コードやUSBケーブルを使う“充電式”のほか、コンセントにつないで使う“コード式”、電池を入れて使う“電池式”があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
コード式は、コンセントの近くに置く必要があります。一方、充電式は、置き場所は自由に選べますが、充電時はコンセントの近くに移動させる必要があります。
電池式は、電池交換のわずらわしさがあるものの、置き場所を選ばずに使えます。
毎日使うものなので電気の使用量を確認しておきましょう。電池式は、製品にもよりますが単三形6本など多くの電池が必要な場合も。使うシーンや置き場所を考えて選んでほしいと思います」