《65歳の誕生日》天皇陛下が雅子さまとともに上皇ご夫妻に挨拶 改めて注目したい“親子の絆”、美智子さまの「ナルちゃん憲法」も
天皇陛下は2025年2月23日に65歳の誕生日を迎えられ、皇居で行われた一般参賀に出席された。午後には皇后雅子さま、愛子さまらとともに新型コロナウイルス禍で取りやめていた祝宴にも出席された。
その後、両陛下が誕生日の挨拶をするために向かわれたのは、上皇ご夫妻の住む仙洞御所だった。陛下は一般参賀で「雪の事故などで被害に遭われた方々に心からのお見舞いをお伝えいたします」と大雪被害にあった人たちにお見舞いの言葉を述べられたが、苦難に直面にした国民に寄り添う姿勢は上皇ご夫妻から引き継がれたものだ。
天皇陛下が65歳を迎えられた今、生まれた日や幼少期の上皇ご夫妻との“親子の絆”を振り返ってみたい。
“前例のない子育て”
1960年2月23日午後4時15分、皇居・宮内庁病院で、誕生した天皇陛下。誕生を待ちわびていた上皇さま。誕生の知らせをお聞きになった後、車で宮内庁病院へ向かわれた。初めての子供の誕生をたいそうお喜びになったことだろう。
初の民間出身の皇太子妃である美智子さまの子育ては、大きな注目を集めた。それまでは天皇家の慣習として子供と別々に暮らすというものがあったが、乳母を付けずに上皇ご夫妻の元で育てられた。
そして何より耳目を集めたのは「ナルチャン憲法」だ。1960年9月、生後7か月だった天皇陛下を残して2週間、米国を訪れた際、美智子さまは侍従や女官たちに育児に関するメモを残した。そのメモは、名前の徳仁から「ナルちゃん憲法」と呼ばれた。
「1日1回はしっかりと抱いてあげてください」「投げたものは自分で取りに行かせてください」など子育てに関する方針が書かれており、当時、多くの人が参考にした。
「私の大切な思い出」
1994年、還暦を迎えられた美智子さまが宮内記者会の質問に文書で回答された際、子育てについてこう振り返られている。
「昭和天皇、皇太后様がお見守り下さる中で、三人の子供たちが育った日々のことは、私の大切な思い出となっています。御所の生活を整ったものとし、公務のなかで子供を育てることも、人々の協力なしには出来ないことでした。私の務めを、陰で静かに支えてくれた人々を、今、懐かしく思い出しています」
天皇陛下65歳の誕生日の日も、親子でさまざまな話に花を咲かせたことだろう。