猫が母になつきません 第428話「ねんまつねんし」
お歳暮、クリスマス、大掃除、おせち、お正月、年賀状…年末年始は大忙しですよね。去年は母が亡くなり、すぐに実家から引越し、人生の大きなイベントがいっぺんにあって年末の私はもう真っ白な灰になっていました。何していたかまったく記憶にありません。連載もお休みしていましたね。あ、でも12月30日にお財布を落としてしまい、現金なしクレジットカードなし、どこにも行かなかったんだろうなってことはわかります。とどめを刺されてそんな元気もありませんでしたけど。
今年はだいぶ落ち着いて、一人の生活のペースもできて、さあ年末年始、といってもとりたてて特別なことは何もなく、年を越すというより普通に素通りしてしまいそうです。なんで母がひとりいただけであんなに忙しかったんだろう。昔の人は年中行事をきっちりするし、母は人付き合いが好きでにぎやかなのが好き、年末年始はなにかと張り切っていたからかな。ほんとにパリピでした。
さびと私だけの静かな年末年始。何もなくてシンプルなのが今は心地よいです。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。