高齢者がお餅を食べるときに確認すべきこと「去年より嚥下機能が低下している可能性を考えて」4つの対策を紹介【管理栄養士解説】
お餅を食べるときは以下のようなことに注意しましょう。これは高齢者の方だけでなく年齢に関わらず一緒にお餅を食べる家族の方みんなが意識しておきましょう。
【1】お餅のカット方法「できるだけ小さく」
嚥下の状態にもよりますが、小さくカットすれば誤嚥のリスクは減らせます。お餅を加熱する前に、小さめのひと口サイズに、できるだけ小さくカットしましょう。
【2】食べる前に水分を一緒にとりましょう
高齢になると唾液の量が減少します。口や咽頭が乾いていると、お餅が張りつきやすくなるので餅を食べる前後はお茶や汁物で必ずのどを潤しましょう。
【3】1つずつ飲み込んでから食べる
食べるときにも注意が必要です。小さく切っても飲み込む前に次のお餅を口に入れてしまうとくっつきやすくまとまってしまいます。口にあるものをしっかりと飲み込んだことを確認してから、次のお餅を口に運びましょう。
【4】ゆっくりよく噛んで食べましょう
よく噛んで食べることで口の中の唾液の中にある酵素ででんぷんが分解されて、やわらかくなります。よく噛まずに飲み込んでしまうと、誤嚥のリスクが上がるのはもちろんですが、消化が不十分となり、高齢者の内臓への負担が大きくなってしまいます。
お餅の代替品も検討して見守りながらお餅を楽しんで
どんなに注意しても、やはりお餅は嚥下機能が低下している高齢者に不向きな食材です。心配なかたは、高齢者向けのかみ切りやすい介護食用のお餅なども販売されているので検討してみましょう。
高齢者や家族にとっても、季節を感じられる行事や食事の時間はかけがえのないものでしょう。家族が安心してお正月の食卓を楽しめるように、お餅を食べるときには、必ず誰かそばで見守ることも忘れずに、安全に食べるときのポイントを意識しながらすすめましょう。