認知症の人も、その家族も、専門家も集う「認知症カフェ」が各地で続々開催 スタバでコーヒーを飲みながら悩み相談
大阪府守口市では、今年8月から地域住民や認知症の家族、医療・介護の専門家が集う「もりカフェ」がスターバックスコーヒーで定期的に開催されている。このような認知症カフェは、認知症を抱える人やその家族、地域住民、介護・医療の専門家が集い、認知症について気軽に学び、話し合う場として全国で広がっている。
守口市では、認知症カフェを開催する団体等に補助金を助成しており、この「もりカフェ」もそのうちの一つ。イオンモール大日店や京阪守口市駅店など市内の複数店舗で定期的に実施され、誰でも知っているカフェで開かれることで、気軽に参加できる安心の場として支持されている。
認知症カフェの役割とは? 知る、学ぶ、共に支え合う場
カフェ形式の自由な空間で、認知症の進行や生活の悩みについての知識が得られるだけでなく、共通の課題を持つ人々と安心して語り合うことで心の負担を和らげる効果もある。町田市で運営されている「Dカフェ」では、「認知症の方々が暮らしを豊かにするために」といった目標のもと、地域とのつながりを重視し、参加者同士の交流の場を提供、現在24か所で行われている。
こうした場では、認知症に関心のある人も、介護の問題に悩む人も、地域の支え合いの一環として気軽に参加できる。認知症カフェの運営には自治体や団体が協力し合い、地域の住民に向けて認知症の理解を深めるきっかけを提供することで、社会全体で支え合う文化が育まれている。
守口市では運営団体の募集も含め、拡大傾向へ
認知症カフェに興味を持ったら、まずは住んでいる自治体の高齢者担当課や地域包括支援センターに問い合わせ、開催情報を調べてみるとよい。地域によっては、役所が主催するほか、地域のカフェなどで頻繁に行われているケースもある。
守口市でも「もりカフェ」をはじめとする認知症カフェの開催を支援しており、運営する団体も随時募集している。団体には活動支援として補助金が支給され、地域に根差した支援活動が後押しされる。地元でこうした取り組みを続けたいと考える人や団体にとって、認知症カフェは新たな地域交流の場であり、多世代がつながり合える重要なコミュニティとして活用できるだろう。 日常的に訪れるカフェで、コーヒーを片手に認知症についての理解を深め、地域の仲間と交流する。認知症カフェは、認知症を持つ人やその家族が地域で安心して暮らせる未来を支える存在として、各地でその輪を広げている。
構成・文/介護ポストセブン編集部