猫が母になつきません 第416話「おしゃれ」
「おばあさん」て何歳からなんでしょう? 日本では65歳以上を《高齢者》と定義しています。まだその年齢には達していませんが、同世代の友人たちには孫も産まれているし、もう自分もおばあさんなんだなと最近よく思います。その自覚はあるにもかかわらず、洋服はつい昔の感覚で選んでしまい、最近久々に通販で買った服がびっくりするくらい似合わなくて落ち込みました。私のファッション史は12年前で止まっていて、実家に戻って以来着るのはマンガにあるとおりTシャツかトレーナー。母の認知症がひどくなってからはメイクもしなくなり、メイクの仕方も忘れました。
通販で買った洋服の中にTシャツが1枚あったのですが、うすい黄色の地にプリントで文字とイラストが入ったそのなんてことないTシャツが全然似合わない。とくに欲しいというわけではなかったけどセールだから家着にとついでに買った。どうでもいいようなものだけど似合わないとやっぱり悲しい。プリントがちょっと若過ぎたのか。顔と合わない。なんか違和感。おしゃれも継続していないと急に年相応のおしゃれをしようと思ってもだめなんですね。コロナもノーおしゃれ生活に拍車をかけた。でもそろそろ外に出なくては。似合うおしゃれをさがそう。とりあえず白髪を染め、つぶれていたピアスの穴を開け直しました。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。