男性の元気を取り戻す4つの「ツボ」と2つの「運動」を専門家が解説
海綿体への血流悪化や、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が低下、精神的ストレスな発生するED(勃起不全・勃起障害)。人に知られるのが恥ずかしく、悩みを抱えている人も多い。そんなあなたに、病院へ行かずに、自宅でできるED対策を紹介する。
教えてくれた人
瀬戸郁保さん/鍼灸師、源保堂鍼灸院院長
窪田徹矢医師/泌尿器科医、くぼたクリニック松戸五香院長
中国皇帝も押した若さが戻る4つのツボ
全身に点在するツボのなかには、ED改善に効果的な部位がある。
源保堂鍼灸院の瀬戸郁保院長が挙げるのは、「大赫(だいかく)」と「帰来(きらい)」だ。
【1】大赫(たいかく)
ヘソから親指幅4本分下にある。精巣を引き上げる挙睾筋に近く、精力増強効果が期待される。
【2】帰来(きらい)
大赫の近くにあり、「回春」のツボとされる。ペニスの血流改善効果が期待される。
【3】太衝(たいしょう)
両足の第一指と第二指の間の付け根にある。ペニス周辺の筋肉を刺激するとされる。
【4】築賓(ちくひん)
ふくらはぎヒラメ筋の谷にあるくぼみ。ペニスの血流改善効果が期待される。
ツボは押す時は “痛気持ちいい” 程度がちょうどいい
「大赫はヘソから親指の幅4本分下の位置から、親指の2分の1分左右にずれた両側に存在します。解剖学的に見ると挙睾筋(精巣挙筋)という精巣を上方に引き上げる筋肉があり、ここを刺激することで精力増強を促すとされています。
中国では古代から子作りのツボとして用いられ、漢の時代にはこのツボを押すことで、皇帝に世継ぎが生まれたという伝説もあります」(瀬戸氏)
この大赫から左右に親指幅1本半分外にあるのが帰来である。
「春(若さ)が戻ってくる『回春』のツボとされています。大赫同様、ED改善効果が期待できます」(同前)
どちらのツボも強く押すのは禁物だという。
「指で軽くへこむ程度の強さにとどめて、2〜3分間圧を加え続けてください。1日に1〜4回押せば十分です」(同前)
続いて瀬戸氏が挙げるツボが、「太衝(たいしょう)」と「築賓(ちくひん)」だ。どちらも足にあるツボだが、ペニスに作用すると瀬戸氏は言う。
「太衝は両足の第一指と第二指の間の付け根にあるツボです。肝臓の経絡と陰茎の周りの筋肉にも繋がっており、肝臓の働きを強くすると同時にペニス周辺の筋肉を強くする効果があるといわれています。築賓は両足のふくらはぎにあり、血流を改善してペニスの血の巡りを良くします」
どちらのツボも「1日に2〜3分ほど押すとよい」(同前)という。
「自分でツボを押す際は、くれぐれも強すぎる圧を加えないようにしてください。ツボは神経の密集地帯なので、力任せに押すと神経にダメージを与えてしまう。“痛気持ちいい”程度の圧に留めましょう」(同前)
ED改善が期待できる2つの運動
自宅で手軽にできる運動でも、ED改善は期待できる。
泌尿器科医でくぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢医師が語る。
「勃起力に最も関係するのは骨盤の下にある『骨盤底筋』です。膀胱やペニスを支える筋肉の根っこの部分にあたります。効果的に骨盤底筋を鍛えることでED改善につながります」
1. 「肛門締め」運動
この筋肉を鍛えるうえで窪田氏が推奨するのが、「肛門締め」である。
「やり方は簡単です。3〜5秒かけて肛門をギュッと締め、次に3秒かけて緩める。これを1日10回繰り返すだけでOK。和式トイレにしゃがむような姿勢で行なう『和式肛門締め』が理想ですが、足腰への負担が大きくなるので、まっすぐ立った状態で行なっても問題ありません」(窪田氏)
マット1枚あれば自宅で実践できるヨガも効果的だ。オランダの医学誌『ジャーナル・オブ・セクシャルメディシン』には、ヨガでEDが改善したことが報告されている。
2. 『チェアーポーズ』運動
「両腕を上に伸ばし、前かがみで椅子に腰を下ろすように膝を曲げていく『チェアーポーズ』はヨガの経験がなくても簡単にできます。太股やお腹、ふくらはぎなど下半身全体に効き、肛門を締めることを意識しながら行なえば、いっそう骨盤底筋を強化できます」(同前)
腕を上げているのが辛ければ、腕を下げて下半身だけで行なってもいい。
「散歩やジョギングもED改善の効果が見込めます。これらの運動を週に合計2.5時間以上行なうと、EDのリスクが30%低下するという研究結果もあります」(同前)
ただし、激しい運動や過度の筋トレは注意が必要だ。
「過度な運動はテストステロンの分泌を減少させ、EDの原因になってしまう。無理せずできる範囲での運動に留めておきましょう」(同前)
※週刊ポスト2024年8月16・23日号
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