<冷凍炒飯>ランキング発表「審査員全員を感動させた1位はパラパラ食感とチャーシューの味が絶妙」
夏休み中の昼食や火を使いたくない日の夕食に……と暑くなるほど需要を伸ばすのが炒飯やピラフなどの冷凍米飯。各メーカーが世界に誇る技術で作り上げた味の“頂上決戦”!メーカーが力を注ぐ<冷凍炒飯>のBest10をお届けします。最上級のおいしさを、ぜひ味わって。
教えてくれた人
木村和明さん/西麻布NOGIシェフ
名門ホテルを経て独立した新進気鋭のシェフ。広東料理にエスニックや和の要素を取り入れた、独創的で洗練された料理が話題。
タケムラダイさん/冷凍食品マイスター
世界を股にかけ、2万食以上の冷凍食品を食い尽くすマニア中のマニア。冷食アレンジ料理や電子レンジ料理研究家としても活躍中。
安中千絵さん/管理栄養士・料理研究家
おいしく食べて健康になれるレシピを、エビデンスに基づき提案。食品の企画開発ディレクション、レシピ開発など活動の幅も広い。
識者3名に聞いた!冷凍炒飯&ピラフの最新事情
木村さん:仕事柄、「家庭で求められる味」のリサーチも兼ねて、冷凍炒飯はまめにチェックしていますが、店頭では種類が少ない印象でした。今日、こんなにたくさんの商品を見て驚きました。
タケムラさん:冷凍炒飯はトップ商品の売り上げが圧倒的に大きすぎて、新商品でも棚に入り込めない状況が続いているんです。
安中さん:売れ筋が独占というわけですね。ところで、いろいろ食べ比べてみて、炒飯もピラフも、「攻め系の味」と「家庭のほっとできる味」の2パターンにわかれているなと感じました。
木村さん:そうですね。特に「攻め系」の進化ぶりには驚かされますね。ぼくたちプロもうかうかしていられないほど(笑い)。いい刺激とヒントをもらえました。
タケムラさん:メーカー側も、有名店をライバルに定めていますからね。今後も、さらにハイレベルな争いが展開されるはずですよ。
食べ比べて厳選!「メーカー系炒飯」トップ10
1&2位のロングセラー商品が圧倒的な支持を得る中、ニッチな発想の新味も続々登場。4位以下もレベルの高い接戦となった。
識者が考える「おいしい冷凍炒飯3つの極意」
<その1>
ご飯一粒ひと粒が油と卵でコーティングされ、しっとりほどける食感
<その2>
具材は食感が際立ちつつ、ご飯の邪魔をしない量におさめるのがベスト
<その3>
ひと口めのインパクトは大事。だが、最後まで飽きずに食べられることも重要
【審査方法】
各商品を識者3名、編集部員2名の計5名で審査。「ご飯の食感(=ご飯)」「具の量や食感(=具)」「全体の味つけ(=味)」をそれぞれ10点満点で採点し、各平均点の合計(30点満点)を「総合的なおいしさ」として順位を出しています。商品は7月上旬に首都圏の小売店で購入したもので、商品リニューアルなどによりパッケージが変更となる場合もあります。価格はすべて編集部調べの実勢価格です。
【10位】『炙りさば使用 焼あごだしの五目炒飯』(マルハニチロ)/400g/321円
<総合得点>20.4点/30点満点中 ご飯/7.4点 具/6.4点 味/6.6点
「あごだしの風味がインパクト大。味もしっかりしている」(木村さん)
【10位】『XO醤とオイスターのコク! 具材たっぷり!五目炒飯』(ニチレイフーズ)/500g/375円
<総合得点>20.4点 ご飯/6.2点 具/7.8点 味/6.4点
「やわらかめのご飯で味もやさしい」(木村さん)、「やさしい味つけゆえ、少々パンチに欠ける」(安中さん)
【9位】『WILDishパラッと旨い! 焼豚五目炒飯』(マルハニチロ)/270g/375円
<総合得点>20.8点 ご飯/6.8点 具/6.8点 味/7.2点
「味つけは悪くないが、少し蒸れた食感が残念」(安中さん)、「塩味が強め」(タケムラさん)
【5位】『焦がしにんにくのマー油と葱油が香る ザ★チャーハン』(味の素冷凍食品)/640g/430円
<総合得点>23.2点 ご飯/7.6点 具/7.6点 味/8.0点
「焦がしの風味が香ばしくて◎。プロっぽい味つけ」(安中さん)、「油が強いので好みがわかれるかも」(木村さん)、「かなり強めの攻めた味。2種の油の香ばしさがいい」(タケムラさん)
【5位】『パラッと香ばしい究極のあおり炒め 炒飯の極み[えび五目XO醤]』(マルハニチロ)/600g/537円
<総合得点>23.2点 ご飯/7.4点 具/8.2点 味/7.6点
「えびのプリプリ食感と甘めのタケノコがいいアクセントに」(タケムラさん)、「豊富な具材の食感が合わさっておもしろい」(木村さん)、「えびの味が薄く、まとまりに欠ける」(安中さん)
【5位】『W(ダブル)キムチ炒飯』(ニチレイフーズ)/420g/397円
<総合得点>23.2点 ご飯/7.0点 具/8.2点 味/8.0点
「味が濃いので温泉卵をのせても」(安中さん)、「べチャッと気味。ただ、キムチのおいしさは際立っていて、辛さもマイルドで食べやすい」(タケムラさん)
【5位】『九州産高菜の高菜漬け使用 国産素材の高菜炒飯』(ニチレイフーズ)/430g/397円
<総合得点>23.2点 ご飯/8.0点 具/8.2点 味/7.0点
「高菜のリアルな食感がしっかり出ている」(木村さん)、「具材たっぷりで満足感あり。やや塩味が強い」(タケムラさん)、「高菜の塩けが前面に出すぎ」(安中さん)
【4位】『WILDishガツッとヤミツキ味! ねぎ塩豚カルビ炒飯』(マルハニチロ)/250g/321円
<総合得点>23.4点 ご飯/8.0点 具/7.6点 味/7.8点
袋の底にマチがあり、そのままチンして食べられる。「こしょうの風味が強く、強弱の効いた味。パンチがあるので若い人向け」(タケムラさん)、「塩味が強く立ちすぎている印象」(安中さん)、「ねぎの風味をしっかり再現。ご飯の食感はいいが、具材の存在感は弱め」(木村さん)