薄毛の悩みに<ウィッグ>市場が活況!「自然なツヤ髪に心が動いた」記者が装着感や費用をレポート
「費用はどのくらい?」「どんなタイプがあるの?」などウィッグに関する素朴な疑問にアンサー!
【Q】ウィッグにはどんなタイプがあるの?
アートネイチャーには「オーダーメイド」と「既製品」があり、それぞれに部分ウィッグとオールタイプがある。
「オーダーメイドは、頭の形・髪質・髪色・毛流れ・毛量など細かな部分まで一人ひとりに合わせて作成するもの。既製品は、サイズや髪色・髪の長さ等が決まっており、そのバリエーションの中から自分に合ったものをセレクトします。
部分ウィッグは、サイズや仕様がさまざまでトップ(頭頂部)にだけ使用する小さなもの、フロント(前髪)からバック(後頭部)までカバーする大きなタイプもあります」(小野木さん・以下同)。
【Q】つけていると蒸れないの?
ベース(ネット部分)が下写真のようにメッシュ素材のため、ウィッグと頭部とのすき間に湿気はたまりにくい。
「蒸れや暑さを感じるのは主に髪の毛です。髪が多いと蒸れやすく、毛が細かったり、少なければ通気性はよいのです」。
もし蒸れるとしたら、髪が増えた分だけだ。
【Q】費用はどのくらいかかるの?
同社の場合、既製品は約3~30万円と幅広い。オーダーメイドは客のニーズによって変わるため一概には言えないが30万円台~。購入後のメンテナンス料は、既製品は2年で12回無料、オーダーメイドであれば2年で24回無料だそう。
「無料期間が終了したら1回3500~4500円ほどでウィッグのクリーニングとセットをさせていただいております」
初期投資は大きいが、維持費はそれほどかからない。
【Q】頭皮への悪影響はない?
同社のオーダーメイド商品『フィーリン』は、ストレッチ素材のベースネットの伸縮力で自毛をやさしくキャッチ。地肌を刺激したり、傷つけるものではないため発毛への影響はなく、むしろメリットの方が多いそう。
「日常的にウィッグを装着すれば、それだけでヘアスタイルがキマるので、パーマや白髪染めなどの頻度が減り、頭皮への負担軽減につながります。紫外線からも頭皮を守ります」。
【Q】装着感は自然ですか?
ナチュラルに見えるかどうかは商品選びが肝だ。
「特に部分ウィッグは髪の色・髪質・長さ・分け目の位置、毛流れまで考慮します」。
髪質は同社の場合、人毛と人工毛の割合が7:3を主流にしている。
「人毛は風に吹かれたときの“なびき”や反射の仕方など風合いが自然ですが、水分を含むため重さがあります。人工毛は軽く、形状記憶毛髪のため扱いやすい。それらを混毛するとより自然な印象になります」。
地肌部分はネットでできているが、裏側から表面に髪を通し、一本一本植毛していくため、毛穴から髪が生えているようにしか見えない。
【Q】どのくらいの期間、使えるの?
毎日つけたり、たまにしか使わないなど人によるため、一概には言えない。
「ただ、見た目の美しさは使用頻度や手入れによるため、毎日お使いになった場合は、2~3年で傷みが出る可能性があることをお客さまには伝えています」。
衣服と同じように考えるとわかりやすい。
【Q】強風でも飛ばないってホント?
同社が独自開発した「Wプッシュ de フィット」という装着部材がカギとなる。ウィッグを頭にのせて端を左右に動かせば、ストレッチ素材のベースネットの伸縮が自毛をつかむ。さらに――
「外側には柔軟性のあるアーチ型、内側先端にはT字と釣り針デザインの突起(右写真)が約1cm間隔でサイドから後頭部を囲むように2列に配置されており、それが髪にしっかり絡みつくため安定します」。
ウィッグ自体も頭の形に沿って丸くラウンドしており、フィット感が向上。それらの相乗効果で強風にもびくともしないのだ。
「髪質によってはスルッと抜けたり、浮いてしまうといったケースもあります。その場合は、固定ピンで留めるなどして対応します」。
突起もやわらかな素材のため、ウィッグをめくるように後方にずらすと、スムーズに外れる。
【Q】自毛が伸びてきたらどうすればいい?
「ウィッグの毛量と長さが充分にある場合は、そのままお使いいただけます。弊社のサロンでウィッグに合わせたカットも提供しております。また、ご自身の髪形に合わせてパーマなどでウィッグの雰囲気を変えることも可能です」
【Q】ウィッグの髪色は変えられる?
「弊社商品の多くは人毛と人工毛をミックスしており、人工毛は通常のカラー剤ではうまく染まらないため、カラーリングは不可とお伝えしております」
【Q】自分の髪でウィッグは作れる?
「そうしたサービスは行っておりませんが、極々小さいものであれば不可能ではないと思います。ただ、基本的なオールウィッグを1つ作成するのに最低でも30人以上の髪の毛が必要といわれており、ハードルは高いと思います」
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2024年3月28日号
https://josei7.com/