血液型別かかりやすい病気、かかりにくい病気一覧|血液型で病気発症リスクが異なる!?その対策は?
前述の通り、生まれながらにして持つ凝固因子の1つが他の血液型に比べて少ないため、O型の人は血が止まりづらい。そのため、出血多量で死亡する率が高くなる半面、かかりづらい病気もある。前出の高山さんが言う。
「O型の人は脳梗塞や心筋梗塞、“エコノミークラス症候群”という呼び名で知られる深部静脈血栓症といった血栓を原因として起きる病気になる人が少ないという報告が多いです。今後、もしかしたら血液型別に病気の対策や、治療方針を変更する時代が、来るかもしれません」
がんとの関連も解明されつつある。中川さんが言う。
「O型はすい臓がんになりにくいことが2009年、米国立がん研究所により報告されています。O型の人がすい臓がんになる確率を1とした場合、B型は1.72倍、AB型は1.51倍、A型は1.32倍かかりやすく、同研究所はこの結果をもとに『O型の人はすい臓がんになりにくい』と結論づけました」
O型は胃がんのリスクも低いと言うのは、永田さんだ。
「スウェーデンの研究者たちの調査によれば、O型に比べるとA型は1.2倍、AB型は1.26倍、胃がんになりやすいことがわかっています」
何より、O型は免疫力において血液型の中で最強であることがその成り立ちからも説明できると、藤田さんが言い添える。
「血中に抗A抗体と抗B抗体の両方を持っているため、多くの病気への免疫があるということになる。そのことが、がんにかかるリスクが低い理由だと考えられます」
しかし、もちろん弱点もある。2017年、医学誌『Journal of Epidemiology』に発表された研究では、O型の「胃潰瘍」発症リスクは1.15倍、「十二指腸潰瘍」リスクは最も低いA型に比べて1.3倍高かったという。慢心は禁物だ。