ひざがイタッ!関節痛対策に摂るべき<最強の食品>ランキング「1位は青魚、いわし・ぶりもおすすめ」理由を専門家が解説
加齢とともに現れるひざや肩など関節の痛み。できるなら自力で改善したいが、そのためには何を食べ、どんな食習慣を身につければいいのか。そこで、専門家がおすすめする『関節の痛みに良い“最強の食品”』を紹介します。ランキングの食品を日々の食事に摂り入れてみてくださいね。
教えてくれた人
戸田整形外科リウマチ科クリニック院長 戸田佳孝さん
アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長 高林孝光さん
カミヤ治療院院長 神谷昌志さん
管理栄養士 小原水月さん
富永ペインクリニック院長 富永喜代さん
管理栄養士 望月理恵子さん
管理栄養士 金丸絵里加さんは
管理栄養士 伊達友美さん
食生活を見直すことで関節痛の予防・改善へ
ひざや腰、関節の痛みは、病名がついて手術が必要なほど重症化するケースもあるが“老化現象だから仕方ない”と、ごまかしながら過ごしている人も少なくないだろう。
痛みが出る理由について、戸田整形外科リウマチ科クリニック院長の戸田佳孝さんはこう説明する。
「加齢とともに骨と骨の間にある軟骨が徐々に減り、骨が直接こすれ合う状態になることで痛みを伴うようになります。ひざでは、軟骨がすり減って軟骨と噛み合う形になっていた半月板が割れ、靱帯(じんたい)を圧迫することで痛みが起こるのです」
筋力低下も要因のひとつだ。アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光さんが言う。
「筋力が衰えると骨同士を支えられなくなり、関節への負担がより大きくなる。痛みが出ると関節を動かさなくなるので、ますます筋力が低下し、さらに痛みが増すという悪循環に陥ってしまうのです」
痛みが悪化すれば、骨の変形や人工関節など自力歩行が困難になりかねない状況を引き起こすリスクもあるが、食生活と生活習慣を見直すことで、関節痛の予防・改善は可能だ。
ひざと関節の痛みをとる最強の食品
採点方法
以下の9人の「専門医」と「食の専門家」におすすめの食品を挙げてもらい、1位を10点、2位を9点、3位を8点、4位を7点、5位を6として集計。それぞれ11点以上を掲載。
専門医・食の専門家
・小原水月さん(管理栄養士)・金丸絵里加さん(管理栄養士)・神谷昌志さん(カミヤ治療院院長)・酒井慎太郎さん(さかいクリニックグループ代表)・高林孝光さん(アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長)・伊達友美さん(管理栄養士・戸板女子短期大学食物栄養科ビューティ&ウェルネス講師)・戸田佳孝さん(戸田整形外科リウマチ科クリニック院長)・富永喜代さん(富永ペインクリニック院長)・望月理恵子さん(管理栄養士)
8位 果物(いちご、みかん) 15点
「みかんには毛細血管の壁を強化するβ-クリプトキサンチンが含まれ、血流改善効果が認められる」(小原さん)、「いちごは抗炎症作用が期待でき、痛み軽減に効果的」(神谷さん)
6位 しょうが 16点
「ほかの食材と組み合わせて調理しやすいのも高ポイント。いわしのしょうが煮にすればカルシウムと抗炎症効果が同時に得られる」(神谷さん)、「加熱・乾燥させることで鎮痛作用も」(伊達さん)
6位 アボカド 16点
「ひざ軟骨の形成や再生が期待できるTGF-βが含まれ、ひざ痛の回復に役立つ」(神谷さん)、「ステロールに含まれるTGF-βが軟骨の土台となる繊維を作り、軟骨がすり減って欠けた部分を修復」(戸田さん)
4位 大豆 18点
「α-GPCは体のパフォーマンスを高め、認知機能改善にも効果的」(高林さん)、「体内の活性酸素を取り除き免疫力を高めるサポニンや整腸作用のあるオリゴ糖など健康にいい栄養素が豊富」(戸田さん)
4位 納豆 18点
「骨の形成に役立つカルシウムやマグネシウム、コラーゲンの材料となるアミノ酸の一種・トリプトファンや鉄も含まれる」(金丸さん)、「納豆1パックだけで効率よくビタミンKが摂取できる」(戸田さん)
3位 鶏胸肉 22点
「カルノシンは筋肉の持久力を高め、長時間の散歩でもひざに痛みが出にくくなる」(神谷さん)、「抗疲労成分のイミダゾールペプチドも多く含み、ストレス軽減によって痛みを緩和」(望月さん)
2位 乳製品、小魚など(カルシウムを多く含む食品) 25点
「スキムミルクは牛乳や小魚より吸収率がよく、安価。料理や飲み物に混ぜればよいので取り入れやすい」(酒井さん)、「しらす干しにはオメガ3脂肪酸も含まれ、炎症を抑える可能性もある」(金丸さん)
1位 青魚 35点
「特にノルウェーさばには抗炎症作用があるEPAが豊富に含まれ痛み緩和効果が期待できる」(望月さん)、「さば水煮缶はたんぱく質が豊富で骨ごと食べられるためカルシウムも摂取できる」(金丸さん)