生島ヒロシさんYouTubeライブに登場!介護のお金の不安にポジティブ提言「健康で、できるだけ長く働くこと。そして投資も考えましょう」
介護ポストセブンでは、12月8日に初のYouTube動画配信ライブを開催しました。無料会員組織「介護のなかま」に登録いただいた皆様を中心に、大勢のかたがご視聴くださいました。ライブ前半では、生島ヒロシさんによる「介護とお金」をテーマにしたセミナー、後半では、シンガーソングライター・中田亮さんによるミニライブもお届けし、盛り上がったイベントの模様をレポートします!
「介護のなかま」会員様向けYouTubeライブ開催!
介護ポストセブンでは、読者会員組織「介護のなかま」のみなさまに向けたYouTube動画配信ライブイベントを開催。
盛り上がったトークライブの舞台裏と、当日語られたお役立ち情報をピックアップしてお届けします。
――配信が行われたのは、都内某所のスタジオ。
高齢者施設にレクリエーション番組を配信している「コリスライブ」を運営するオフィスニートさんの全面バックアップでライブの準備は万端。生島ヒロシさんが会場入りし、スタッフを交えて段取りをチェック。
本番間近で緊張しまくる関に、生島さんが笑顔で「大丈夫なんとかなる!」と力強い励ましの声をかけていた。
生島ヒロシさんの軽快なトークが炸裂!
――19時、いよいよ生配信スタート!
関和子(以下、関)「こんばんは、介護ポストセブン編集長の関和子です」と緊張MAXの関の隣で、終始笑顔の生島さん。2人の掛け合いでトークはテンポよく進んでいく。
生島ヒロシさんは、1989年にTBS退社後にフリーとなり活躍の幅を広げ、いちはやく介護問題にも取り組んできた。
生島ヒロシさん(以下生島さん)「バブルが弾けた後、10億円の借金を抱えてどん底を味わいましたよ。子供も抱えて社員も抱えてどう生き抜くか…。
お金の勉強からすると基本がわかると思って、追い詰められて必死になって資格を取ったの。ファイナンシャルプランナーから始めて色々勉強してきましたよ。いずれ介護の問題も深刻化すると考えていましたから」
芸能界でご自身の介護経験を公表した先駆者でもある生島さん。1999年、義理母の介護経験を、著書『ボクと妻の老親介護 おばあちゃま、壊れちゃったの? ―それは義母の斑ボケから始まった』(三笠書房)にまとめている。
関「生島さんのご著書はドラマ化もされ、勇気をもらった人も多いと思います」(関)
生島さん「うちのカミさんは子供たちに介護から逃げる姿は見せたくないと誓っていて、母親を看取った後、上智大学の夜間講座で学んで介護福祉士の資格を取ったんですよ」
関「そうなんですね、ご夫婦で素晴らしいですね。
実は私も今年1月に要介護3だった母が亡くなりまして、いまは要支援1で90才になる父の家に週末に通ってサポートをしているんです」
生島さん「関さん、そうでしたか。うちは8年続いて、最後は要介護4でした。
2000年に介護保険制度がスタートしましたけど、樋口恵子先生を筆頭にこの制度を育てる会が発足して、わたしも当初のメンバーでした。
“いつでもどこでも自分の望む介護を受けられる”という理想を掲げて始まった制度だけど、あれから23年経って、はたしてこの制度はどうなんだろうっていうね…。
――あ、台本と全然違うことしゃべってるよね(笑い)」(生島さん)
関「あ、はい(笑い)。それでは介護とお金の話を…」
介護にかかる費用「女性は1280万円」
生島さん「我が家の介護は、介護保険制度が始まる前から始まっていたから、当時(月に)40、50万円はかかっていたんじゃないかな」
関「平均寿命と健康寿命の差の期間に介護が必要という観点で計算しますと、男性は約940万円、女性は1280万円というデータがあるのですが、それだけ金額をどのように備えたらいいのでしょうか」
生島さん「将来の備えとして、まず、給料の手取りの25~30%を貯蓄や投資に充てるといいとされています。新NISAも始まりますから、お金にも働いてもらわないとね。
投資の世界では、『72の法則』※というのがあるんですよ」
※お金を2倍に殖やすのにどのくらいの期間がかかるのか概算できる計算式のこと。
・72÷金利=投資期間
生島さん「たとえば1000万円を2倍の2000万円にしたいとき、金利3%だと26年かかりますし、金利7.2%なら10年で2倍になります。
金利が何パーセントなら倍になるのか、そういうことを考えてみるといいですよね」
関「72の法則、参考になりますね。いまからでも間に合うでしょうか…」
生島さん「なるべく早く備えたほうがいいですよね。給料から天引きするような形でやったほうがいい。
僕は欲をかいて投資で失敗して大損したことがあるから、個別株よりも分散投資のほうがリスクは低い。インデックスファンドとか、いろんな銘柄に分散させてコツコツやるのがいいですね」
関「貯蓄だけでは、厳しい時代ということですね。投資など挑戦するためには、勉強が必要ですね」
介護の不安「コーシャス・オプティミズム」の精神で
関「介護は終わりが見えないので、お金のことを考えると不安が尽きないですよね…」
生島「コーシャス・オプティミズムという言葉がありまして、注意深くいろんなことを考えながら、あとは運を天に任せようというような意味。
お金の心配ばかりしていても暗くなっちゃうから、コーシャス・オプティミズム、ときにはユーモアを交えながら、前向きに笑っていたいですよね。
お金も大事だけど、なるべく健康を維持して長く働くというのが一番。
筋肉も貯金ですよ。高齢者はハードな運動は転倒のリスクがあるから、座って腕を上げてぶらぶら振っているだけでも血流が良くなっていいんですよ。
チャップリンが、『人生に必要なのは、愛と勇気といくらかのお金』って言ってるけど、人生を豊かにするのは友人との付き合いとか楽しみだと思うんですよ。そのためにはなるべく健康で長く働ける体を維持していくことですよね」
関「人生100年時代ですからね」
生島さん「イエス!お金は追いかけると逃げていきますが、仕事を追いかけるとお金がついてきますから(笑い)」
関「まず、健康でいるために、体を鍛える、そして、できるだけ長く働く。勉強をして投資も検討するということが大切ということを教えていただきました。生島さんのお話を伺って、なんだか元気が出てきました!」
生島さん「そう、元気があればなんでもできる、現金なくてもなんとかなる!って、せんだみつおさんも言っていましたからね(笑い)」
介護にかかるお金に関して、不安になってしまうデータも紹介された中、生島さんのポジティブなお話に、明るいムードが漂った。ここで生島さんはご退場。
懐メロプリンス・中田亮さんが昭和歌謡を披露!
YouTubeライブの後半には、懐メロプリンスとして愛されているシンガーソングライターの中田亮さんが登場。
かつて中田亮さんを取材し、すっかりファンになったと語る関が、ワクワクしながら中田さんを紹介し、早速ミニライブが始まった。
「生島さんが笑っていればなんとかなる!とおっしゃていましたが、僕もみなさんを笑顔にしていけたらと思って活動しています。
歌手として10年活動してきて、コロナ禍が始まった3年前からzoomを使って高齢者施設の利用者さんたちと繋がって、双方向のライブをしています。
みなさんうちわを手作りして応援してくださって、元気な笑顔を見せてくださるのが嬉しいんです」
この日のミニライブでは、視聴者からリアルタイムで届くリクエストに応え、「高原列車は行く」(昭和29年、岡本敦郎)、「銀座カンカン娘」(昭和24年、高峰秀子)、「青い山脈」(昭和22年、藤山一郎・奈良光枝)、「憬れのハワイ航路」(昭和23年、岡晴夫)などの数々の名曲を歌い上げた。
「この活動を始めた当初は昭和歌謡が10曲くらいしか歌えなかったのですが、みなさんのおかげでレパートリーが350曲に増えました!」と中田さん。
最後にオリジナル曲『みんなのウタ』を明るく伸びやかな歌声で熱唱し、ライブを締めくくった。
「元気をもらった」視聴者の声も続々!
ライブ終了後には視聴いただいた皆さんから、たくさんの温かいコメントが寄せられたので、一部を紹介。
「生島さんのテンポ良いお話が心地よかったです。中田さんの歌は初めてお聴きしましたがとても素敵でした。介護は不安でしかありませんでしたが、楽しみも見つけつつ前向きな気持ちで進んでいきたいと思いました」(51才女性)
「亮くんのライブにほっこり。この90分で明るい気持ちになり、元気をもらいました!」(51才女性)
「YouTubeライブをみて、健康になるべく働いて、美味しいもの食べながら楽しく生きたいと思いました。これからも介護について、制度とかも少しずつ変わると思いますので、そのつど教えていただけると嬉しいです」(46才女性)
「生島さんがおっしゃっていたように、腕を振って血流を良くしたり、骨折して寝たきりにならないように、予防する手段をとり、また割合を減らしても働いて社会との繋がりを持ち、心持ちは明るく!元気があれば、なんでもできる!うんうん、そうだそうだ、と明るい気持ちになりました」(56才女性)
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介護ポストセブンYouTube動画配信、は今後も皆様に役立つ内容をお届けする予定です。第2回もお楽しみに!
★中田亮さんライブ情報
<タイトル>中田亮 忘年祭
<日程>2023年12月31日(日)14:00~15:00
<参加費> 無料
<対象者> 全国の高齢者施設・事業所、シニアサークル等(※個人でのご参加も可能です)
<出演> 中田 亮(なかだ りょう)
<主催> コリスライブ(運営:株式会社オフィスニート)
<申し込みページ> https://corislive.com/free1231/
構成/介護ポストセブン編集部