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暮らし

コロナ不安の今必読! 医療・健康サイトの正しい見分け方

 新型コロナウイルス、アトピー、がん…。ネットにあふれる医療や健康の情報は玉石混交。悪質な医療情報やネットで拡散されてしまうデマなど、怪しい医療サイトの見極め方、医療・健康情報の正しい見分け方を専門医に聞いた。

不安を煽る医療サイトとは クイズ形式で理解

 不安を抱えた人は怪しい情報をうのみにしてしまいがちだ。その根底には“思い込み”があり、不安が増すほど、その判断力は鈍ってしまう。

 たとえば、下記のように病気は漢字で表記されるとものものしく感じる。5つの病気はなんと読むかわかるだろうか?

Q1 どんな病気でしょう?

【1】麦粒腫
【2】伝染性紅斑
【3】流行性耳下腺炎
【4】色素性母斑
【5】尋常性ざ瘡

Q1の答え

【1】 ものもらい
【2】 リンゴ病
【3】 おたふく風邪
【4】 ほくろ
【5】 ニキビ 

 いずれも見知った疾患だが、漢字を連ねた正式な病名で表すと、ものものしく感じる。

「そのニキビが気になりますね」と言われるのに比べて、「その尋常性ざ瘡が気になりますね」と言われた方がドキッとして強い不安を感じてしまう。

 こうした専門用語を故意に多用して不安を煽る医療サイトもある。

Q2「ジハイドロジェンモノオキサイド(DHMO)」って何?

ヒント
・水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
・温室効果を引き起こす。
・重篤なやけどの原因となりうる。 
・地形の侵食を引き起こす。
・多くの材料の腐食を進行させ、さびつかせる。
・電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

Q2の答え

【水】

 上記の7要素をドクロマーク付きなどで見せられると、何ともおどろおどろしいが、DHMOとは「水」のこと。

 水は酸性雨の主成分であるし、沸騰すればやけどの原因となり、腐食・さびも水によるものだ。

 また、人間の60%が水分からできているため、腫瘍から水が検出されるのも当然だ。こうした表現の仕方を変えるだけで、イメージは大きく変わってしまうのだ。

※設問/島根大学医学部附属病院臨床研究センター

見分け方1:まずは思い込みを捨てる

 医学的根拠に欠けるあやふやな情報や、広告の体裁を取らずに特定商品に導こうとする発信が、ネット社会の普及とともに増えている。それらは、“思い込み心理”を巧みに利用するため、人はつい信じ込んでしまいがちだ。

「思い込みは、脳がだまされている状態にあり、それは人間なら誰しもありうることなのです」

 こう語るのは、厚労省の情報発信サイトの作成にも取り組む医師の大野智さんだ。

 人は不安になると判断が鈍るが、不安をさらに煽(あお)られると、根拠の乏しい情報を信じてしまう。

見分け方2:母親の悩みにつけこむ商法も

「たとえば、『お子さんがアレルギーになったのは、お母さんが妊娠中に××をしたことが原因だ』

 などという情報を見かけますが、これは実に怪しい。

 なぜなら、情報を発信した側が、母子を診察したわけでもなければ、母子の生活の何を知っているわけでもなく、その因果関係は全く不明です。

 お子さんのアレルギーに悩んだり不安を感じている母親がこうした情報に触れると、自分が取り返しのつかないことをしてしまったかのように思い込み、不安を増大させてしまいます。

 そうしておいて、『その代わりにこれをのめば、お子さんのアレルギーは治ります』などと言って健康食品に誘導する業者がいるのです。

 ほかにも、『これでは予防できない』『こんな治療法を受けると死ぬ』などと、リスクを過大に伝えて、さらに不安を煽る手口もあります。不安が冷静な判断力を鈍らせる、ということをいま一度念頭において情報を見直すことが必要です」(大野さん)

見分け方3:難解な医療用語で不安を煽る

 さらには、医療従事者の専門的な言葉を利用して不安を煽る手口もある。

「医学用語に慣れていない一般の人は、漢字を連ねた見慣れない病名、カタカナや英語交じりの初めて聞く病名に接したとき、不安を感じ、深刻なイメージを抱くことがあります。そうした心理を突いた医療サイトもありますので注意が必要でしょう」

 自分が信じているものが信用に足りるのか。不安な気持ちを脇において、自分が全くの第三者になったつもりで、その情報の精度を考える習慣をつけたい。

医療情報を見極める10か条とは

 医療情報を見極める10か条として、厚生労働省は次の項目を挙げている。

【1】「その根拠は?」とたずねよう
【2】情報の偏りをチェックしよう
【3】数字のトリックに注意しよう
【4】出来事の「分母」を意識しよう
【5】いくつかの原因を考えよう
【6】因果関係を見さだめよう
【7】比較されていることを確かめよう
【8】ネットの情報の「うのみ」はやめよう
【9】情報の出どころを確認しよう
【10】物事の両面を見比べよう

●参考/厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』情報の見極め方
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/index.html

教えてくれた人

大野智さん/島根大医学部附属病院・臨床研究センター・センター長。緩和医療、総合医療学専門。厚生労働省「総合医療」情報発信サイトの作成にも取り組む。

※女性セブン2020年4月16日号
https://josei7.com/

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