名画まちがい探しに挑戦!ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」5つの違いを探そう!
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まちがい探しで読み解く!名画『民衆を導く自由の女神』のここがポイント!
【1】山高帽に猟銃を手にした男性は、その装いからブルジョワ階級を表現したものとみられる。かつてはドラクロワ自身を投影した人物とされていたが、近年では友人を描いたとする説も浮上している。
【2】女性はマリアンヌと呼ばれる、自由を擬人化した架空の人物。衣服や肌が汚れているのは、自由が民衆とともにあることを象徴している。女神像としては写実的に描かれたことから、当時は批判の対象になった。
【3】少年の被っている黒い帽子は抵抗の象徴とされ、また、大義の前に捧げられた尊い犠牲という意味もある。少年は、のちにヴィクトール・ユゴーの『レ・ミゼラブル』に登場するガブローシュのモデルになったとされている。
【4】作品の舞台がパリであることを表わすために描かれた、ノートルダム寺院。ただし、位置関係は正確なものではないという。寺院の尖塔は2019年に起こった火災で焼け落ち、世界に深い悲しみをもたらした。
【5】横たわっているのは、詩人ホメロスの叙事詩『イーリアス』に歌われるヘクトルという勇士。トロイ戦争の際にトロイ軍の総大将として活躍した人物で、ギリシャ神話の英雄として広く知られる。
参考文献/『名画のすごさが見える 西洋絵画の鑑賞事典』(永岡書店)、『理由がわかればもっと面白い!西洋絵画の教科書』(ナツメ社)、『知識ゼロからの西洋絵画入門』(幻冬舎)、『語れるようになる 西洋絵画のみかた』(成美堂出版)、『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた』(誠文堂新光社)
文/小野雅彦 写真/写真AC、アフロ
※週刊ポスト2023年10月6・13日号
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