”幸せを招く”家の間取り・環境とは?実例に学ぶ「心によい影響を与える家」5つの要素
<ダイニングテーブル>
<作業スペース>
<カウンター>
そして【3】。壁色と同様、蛍光灯の白い光は気分を落ち着かなくさせます。この場合、オレンジの光を放つ電球色に変えるだけで心が落ち着きますし、照明の色を拾って、白壁を暖色に見せる効果もあります。精神の安定を促すセロトニン、幸せホルモンといわれるオキシトシンなどの物質は、視覚情報で多く分泌されます。色を変えることで脳に『落ち着くな~』と勘違いさせればいいのです」
【4】は主に壁材のこと。最近はビニールクロスの壁紙が主流だが、湿気を通さないので壁内にカビが発生しやすく、体への影響が心配される。
「可能なら自然素材のものに変えると壁が呼吸でき、湿度も抑えられます。昔ながらの漆喰(しっくい)もいいですね。塗り壁だと白くても表情が生まれ、冷たい印象になりません。もちろん、アートを飾ったり、照明で雰囲気を変えることでもOKです」
【5】の間取りとは、動線の工夫だ。
「玄関からすぐに階段があり、2階に子供部屋があると、子供が親と顔を合わせないまま自室に上がってしまい、コミュニケーションが希薄になる恐れがあります。建築医学で家を建てる場合は、玄関からリビングを通らないと2階へ行けない間取りにするのが鉄則です」
バリアフリー工事は足腰が弱ってから。元気なうちは段差もあっていい
昆さんの自宅は部屋の入り口をはじめ、段差がところどころにある。ユニバーサルデザイン的には危ないような気もするが…。
「健康面からあえてそうしています。まだ動けるうちに将来を見越した家にすると、段差を上り下りする必要がなくなり、予定より早く足腰が弱る未来を作ることに。バリアフリー工事は、『そろそろ危ないかな』と感じたときでも遅くないと思います」
さまざまなコツを教えてもらったが、何と言っても重要なのは片付けだ。
「細かいことですが、コンセントやコード類も視覚情報を増やしてしまいます。できる範囲でよいので、視界に入るものは『自分が見て心地いい』と感じるものや状態にするのが、幸せを呼ぶ第一歩だと思います」