兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第216回 兄の体重減少に財前先生(仮)は…】
食事を一人で摂ることができなくなった若年性認知症の兄。一緒に暮らし生活全般をサポートするライターのツガエマナミコさんは、排せつの世話や片づけに加え、兄の食事介助もしなければいけなくなりました。食が細りやせてしまった兄の体調も気になる中、久しぶりに主治医・財前先生(仮)の受診日がやってきました。

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相変わらずモヤモヤする財前先生(仮)の対応
最近、兄のベランダでの排せつ問題が減ってまいりました。それはベランダの窓の鍵をときどき開けられなくなってきたためだと思われます。それに伴い、ベランダでのお唾吐きも鳴りを潜めております。ところが先日、リビングの自分の椅子で、まるで子供が電車の窓に向かってちょんと座るように、背もたれに向かう姿勢になったかと思ったら、唇を突き出してゆっくりお唾吐きをなさったのです。仰天でした。わたくしには想定できないことだったので、兄のお唾さまが床に落ちるまで見続けてしまったくらいでございます。
認知症の人に怒ってはいけないと、どんな本にも書いてありますが、理不尽だなぁとつくづく思います。もとより兄ぐらいまで進行すると物事の良し悪しがつかないのですから、怒ったところで改善は望めませんし、怒られたという嫌な気持ちが更なる問題行動につながりかねないので、介護者のためにも「怒らない方