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小柳ルミ子さん、夫婦漫才(ハート)さゆりさん”いつもご機嫌な人”が実践する小さなポジティブ習慣

 ちょっとしたことでイライラしたり、常に不満を抱えて不機嫌でいると、健康にもよくないらしい。「いつもニコニコ、ご機嫌さん」とよばれる、夫婦漫才のかつみ(ハート)さゆりさん、小柳ルミ子さん、精神科医ほかその道のプロフェッショナルに、常にご機嫌で前向きでいられる理由を聞いた。小さなポジティブ習慣を重ねることで、たくさんのメリットがありそうです。

教えてくれた人

有川真由美さん/作家。著書に『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』、篠原菊紀さん/公立諏訪東京理科大学教授、脳科学者、樺沢紫苑さん/精神科医、夫婦漫才コンビ「かつみ(ハート)さゆり」(ハート)さゆりさん、歌手・女優の小柳ルミ子さん

常にご機嫌で前向きでいるのは脳にもいい

 家事は一切手伝わず、休日は寝てばかりの夫に、言うことを聞かないわが子。会えばマウンティングしてくるママ友──周囲の振る舞いにイライラし、不機嫌になりっぱなしで一日が終わってしまったという人は少なくないだろう。さらに、いつも上機嫌な人を見て「人生に不満がなさそうでうらやましい」と感じる人も多いのではないか。

 しかし、『いつも機嫌がいい人の小さな習慣』の著者で作家の有川真由美さんは「ちょっとしたコツさえつかめば誰でも簡単に上機嫌に過ごせる」と話す。

「いつも機嫌がいい人はどうすれば自分の機嫌がよくなるかを知っているから、他人の振る舞いに左右されず、自分で自分を大切にできます。すると余裕が生まれて、他人にも優しくなれる。彼らが実践している『小さなポジティブ習慣』を真似して身につければ、日常を前向きに過ごせるということです」

 常に機嫌がよく、前向きでいるのは脳にとってもいいことずくめ。公立諏訪東京理科大学教授で脳科学者の篠原菊紀さんが説明する。

「前向きな思考はストレスを軽減し、免疫機能を強化して健康寿命の延長につながります。また、問題解決能力や学習能力、心の回復力などさまざまな能力を向上させ、全体的な生活の満足度や幸福度を高めます」

 健康と幸せが手に入る「上機嫌の習慣」をお伝えしたい。

かつみ(ハート)さゆりさん「ご機嫌さん」と呼ばれる理由

「私、関西では“ご機嫌さんやね”って言われるんです!」

 そう語るのは夫婦漫才コンビ「かつみ(ハート)さゆり」(以下、かつみ・さゆり)のさゆり(54才)だ。常に上機嫌でハイテンションのさゆりは、人と別れるときは必ず、笑顔で「バイバイ!」と手を振る。いかにも彼女らしい習慣だが、背景には忘れられない思い出がある。

「結婚する前、かつみ(ハート)(以下、かつみ)がパリ旅行をテレビ番組の副賞でもらったのでふたりで初めての海外旅行に行ったんです。

 “嫁入り前に旅行なんてとんでもない”と猛反対する両親を振り切って行ったら、旅行中に阪神・淡路大震災が起き、帰国してから3日間両親と連絡が取れなかった。

 お父さんに怒られたことが最後の思い出になりそうで、“神さまお願いです。もう一度親孝行できるチャンスをください”と必死で祈りました。結局両親は無事でしたが、あの3日間は地獄のようで、それからはどんな人と会っても“これが最後の別れになるかも”と思うようになり、別れるときは笑顔でバイバイするようになりました」(さゆり(ハート)、以下同)

 苦い経験を経て、さゆりは身の回りのあらゆることに感謝するようになった。

「かつみさんが2億円の借金をしても生きてさえいれば何とかなると思うようになった。両親は少し認知症が進んでいるけど、元気でそばにいてくれるだけでありがたい。応援してくれる人にも感謝するのみで、街中で“写真を撮ってください”と言われたら絶対に断りません。そうやって、周りに感謝しながら生きているから、“ご機嫌さん”でいられるんでしょうね」

疲れたときこそ「自分を愛して甘やかす」

 それでも年齢を重ねると体力が落ち、疲れやすくもなる。そんなときこそ、さゆりは「自分を愛する」と言う。

「ちょっと眠たいとか、疲れているときはインスタグラムや家事をお休みするなど、自分自身を甘やかします。これまでは無理してがんばったけど、いまは自分の体が発するサインに従って、“よし、甘やかそう”と思うんです」

 夫婦でおもしろいことを共有することも心がけている。

「たとえば時計が『11時11分』のようにゾロ目になったとき、お互いに“見て見て”って言い合う。仕事の打ち合わせのときにもゾロ目でキャッキャッしているのでほかの人は驚くけど、私らは“あー、楽しいな!”ってご機嫌でいられます」

 さゆりさんが語るように「ごく自然に行う」ことこそポジティブ習慣のキモ。

専門家が実践する「機嫌がよくなる」習慣

「習慣づけを目的にするとストレスになるので、あくまで無意識のうちにできて、なおかつ気分が上がることを実践してほしい。私の場合、朝起きたらベッドを整えます。そのルーティンをこなすと“今日も一日がんばろう”と思える。起床後に体重計にのるのも習慣で、現実を目の当たりにすることで体重をコントロールしようという意識が働く。体形を維持できていることが自信につながり、機嫌がよくなる」(有川さん)

 精神科医の樺沢紫苑さんがすすめるのは、毎朝15分、太陽の光を浴びること。

「太陽光を浴びると気分を安定させる脳内の神経伝達物質・セロトニンが分泌され、心が落ち着いてイライラしなくなります」

小柳ルミ子さんがポジティブ思考でいられる理由

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