健康

”むくみ”をとる究極の習慣ランキングを12人の専門家が判定「入浴は水圧が重要」

3位(35点):ウオーキング・運動

「筋肉が動くことで血流がよくなり、水分の排出が促される」(佐野さん)、「適度な運動で冷えが改善され、血流がよくなりむくみ予防につながる」(平柳さん)、「血行を促進。ウオーキングなど無理なく、長期間続けられる運動がおすすめ」(谷本さん)

2位(37点):湯船につかる

「冷えは代謝を低下させて、むくみの原因になるので、お風呂で体の深部を温めて」(金丸さん)、「毛細血管が冷えるとその周辺の血流が悪くなる。ややぬるめの湯船にゆったりつかり、副交感神経を優位にすることで全身の血行を促進」(平柳さん)

1位(56点):塩分を控える・良質な塩分を選ぶ

「体は塩分濃度を一定に保つために水分を蓄えるので塩分を摂りすぎるとむくみに直結する」(石原さん)、「塩分に含まれるナトリウムは体内に水分をため込む」(福田さん)、「使うなら精製塩に比べミネラルが多く含まれる天然塩を」(前田さん)

むくみを取る生活習慣について医師が解説

 食事に気をつけるだけでなく、生活習慣と合わせることで、予防も解消も効果が発揮される。

 専門家たちが声をそろえたのは、体を動かすことだ。血流をよくして代謝をアップさせるために「ウオーキング・運動」(3位)はもちろん、「マッサージ」(6位)、「ストレッチ」(7位)も欠かせない。

 中部徳洲会病院健康管理センター長の渡辺信幸さんは、運動の必要性を強く説く。

「体を動かすと血液やリンパの流れがよくなり、余分な水分や老廃物が排出されやすくなります。体に負荷をかけすぎない適度な運動は、むくみの予防と解消に効果的です」

 運動を始めても三日坊主で終われば意味がない。無理なく続けられる運動を選ぼう。

「ウオーキングやストレッチがおすすめ。習慣化して毎日継続して行うことが大切です」(谷本さん)

 特に力を入れたいのは、下半身の運動だ。「同じ姿勢でいない」(4位)ことにも気をつけたい。

「普段からなるべく階段を利用するといいでしょう。脚の筋肉を動かすと血液が心臓に戻りやすくなるので、血流やリンパの流れが改善されます。デスクワークのように長時間同じ姿勢でいる人は、血行が悪くなるのでむくみやすい。1時間おきに立ち上がってストレッチをしたり、アキレス腱を伸ばすといいでしょう」(田中さん)

 管理栄養士の前田あきこさんはこうアドバイスする。

「ふくらはぎがむくみやすい人は、股関節の内側と前側にあたる内転筋と腸腰筋をほぐすと効果的です。腸腰筋をしっかり伸ばせば、お腹まわりのむくみもとれます」

 2位には「湯船につかる」がランクイン。体が温まると血行がよくなるが、水圧も重要だという。

「肩までしっかり湯船につかると想像以上に水圧がかかります。適度な水圧によって血管の外に染み出た水分がリンパ管に戻り、むくみが解消されやすくなります。毎日シャワーだけの人はむくみやすいので、気をつけましょう」(石原さん)

 医学博士の福田千晶さんも声をそろえる。

「水圧による自然なマッサージ効果で、特に下半身の水分が心臓に戻りやすくなります。ウオーキングも水中で行うとより効果が高く、湯船につかり脚を動かすだけでも類似の効果が得られます」

 マッサージも入浴中に行えば、一石二鳥の効果が期待できる。

「足の裏やくるぶし、ふくらはぎをマッサージすると、血行がよくなるので、むくみの解消や予防になります」(田中さん)

 5位の「むくみやすい部分・脚を高くする」も、下半身にたまりがちな水分や血液を心臓に戻し、むくみ改善をねらったものだ。むくみ予防・解消には“第二の心臓”といわれる「ふくらはぎのポンプ作用」が肝となるが、そのためには脚の筋肉量が必要となる。

「ふくらはぎに筋肉があると血液の循環が促進されます。さらに、筋肉は熱を作り出して体温を維持するため、冷え予防にもなります」(望月さん)

 筋肉を維持し増やすために欠かせないのが、10位の「たんぱく質を摂る」ことだ。

「肉や魚の動物性たんぱく質はアミノ酸が豊富で、体内の水分バランスを調整します。なかでもおすすめは、鶏胸肉、鮭、チーズ。鶏胸肉と鮭は高たんぱくで、ビタミンB6とカリウムが余分な水分の排出を促します。鮭のオメガ3系脂肪酸は体の炎症を抑え、血流をよくします。チーズのカルシウムは体内のミネラルバランスを整えるので、むくみにも効果的です」(渡辺さん)

 9位には「水分摂取」があがった。水分は摂りすぎても少なすぎてもむくみの原因になる。

「水分を控えすぎると逆に血流が悪くなったり、余分な塩分がたまったりして、むくみが悪化します。体格や環境にもよりますが、1日1.5~2L程度を目安にするといいでしょう」(谷本さん)

 水分の過剰摂取を心配するよりも、必要な水分はしっかり摂ったうえで、カリウムで余計な水分を排出し、適度な運動で汗をかき、「アルコールを控える」(11位)ことで、ため込まないようにすることが大切だ。

 むくみを防ぐ食品と究極の習慣で「むくみ知らずの体」を手に入れよう!

※女性セブン2023年9月7日号
https://josei7.com/

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