パサパサの老け髪からツヤ髪へ!髪も地肌も日焼けを防ぐ最強メソッドをヘアケアのプロが指南
その昔、美人の条件は「黒く、長く、ツヤのある髪」だった。好きなヘアスタイルやカラーを楽しむようになったいまでも、髪の美しさはその人自身の美しさを大きく左右する。そこで、老け髪を防ぐ美髪スイッチ5つを髪の専門家が教えてくれました。いまから頑張れば、夏の太陽のもとで輝く若々しい美髪が手に入る!
老け髪を防ぐための5つのメソッド
「女の命」といわれる髪の毛。だが、気づけば肌と同じように年を取り、白髪や薄毛、パサつき、ボリュームダウン、うねり…と、悩みが次々に増えてくる。毛髪診断士でヘアスタイリストのshucoさんは、髪の老化は早ければ30代から始まると語る。
「まず30代でハリやコシの低下を感じるようになり、40代後半からはホルモンバランスの変化が原因で、薄毛が気になる人も増えます。同時に頭皮がたるむことによって毛穴の形が涙形にゆがみ、そのせいで髪がうねりやすくなってくることもあります」
ハリやコシがなくボロボロに傷んだ「老け髪」は、それだけで全身の見た目年齢を老けさせる。
美容室SELAh代表で『1日10秒で髪も人生もきらめきだす! ヘアケアの魔法』著者のりょうさんによれば、もっとも老けて見えるのは「ツヤが失われた髪」だ。
「髪が見た目の印象の9割を左右すると言っても過言ではありません。ですが、逆に言えば髪にツヤさえあれば美しく、若々しく見せられるということ。残念ながら一度傷んだ髪を元に戻すことはできませんが、美容室での施術や自宅でのヘアケアによってツヤを与えたり、これから伸びてくる髪を美しく育てることは充分に可能です」
日焼けから髪を守る最強メソッド
美しい髪を取り戻すためには、ダメージを減らすのが第一。いまの時期はまず「髪の日焼け」を防ぐことが重要だと、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんが話す。
「髪の毛も皮膚と同じくたんぱく質でできているので、紫外線に当たればダメージを受けます。皮膚と違うのは、髪の毛は一度傷んだら新陳代謝がないこと。特に海や屋外のプールなど、髪が濡れているときは要注意。髪は濡れるとキューティクルが開きやすいため、よりダメージを受けやすくなります」
髪が日焼けすると、色が抜けて赤茶っぽくなったり、乾燥してパサついたりする。
「髪だけでなく、頭皮も日焼けします。毛母細胞が傷つき、乾燥して皮脂が過剰に出るようになり、フケや薄毛、抜け毛の原因になる。日差しの強い時期は【1】帽子はもちろん、日傘も必ず使ってほしい。加えて、【2】髪用の日焼け止めスプレーも使うことをおすすめします。【3】日によって髪の分け目を変えることでも、焼けすぎるのを防ぐことができます」(shucoさん)
日焼け以上に髪を傷めるのは「カラーリング」、特に「白髪染め」だ。
「白髪用ヘアカラーは黒髪用よりも強い染色力が必要な分、髪と頭皮へのダメージも大きいのです」(りょうさん)
カラー剤は成分に注目して取捨選択することも大切だ。
「ヘアカラー剤に使われていることが多い酸化染料の『ジアミン』は、日本でもっとも多くのかぶれ患者を出している物質です。白髪染めは使用頻度が高いので、できればカラー剤よりも【4】ヘアマニキュアやカラートリートメントなど、落ちやすくても刺激の少ないものを使ってほしい」(柴さん)
市販品は美容室で使うものよりも刺激が強いため、【5】白髪染めやヘアカラーは美容室でやってもらうのがベスト。どれだけ高品質のシャンプーを使っていても、市販の刺激の強い白髪染めで染めてしまえば、髪にとってはマイナスになる。
「美容室なら、白髪の程度や髪質に合わせて染料の濃度を調節したり、根元と毛先で薬剤を使い分けたりして、髪へのダメージを軽減できます」(りょうさん・以下同)
美容室に行く回数は?オーダーのコツは?
美容室には、月に1回ほどの頻度で通うのが理想的。毎月通うのが苦にならないような「価格」と「距離」、そして、来月も行きたいと思える「満足感」を重視して選ぶべきだ。
「金額や距離で無理をしては、ヘアケアそのものがネガティブなものになってしまい、結果的に美容室から足が遠のいてしまう。一方で“ただ白髪が黒くなればいい”と思って安い場所で適当に済ませるようになると、美髪からは遠ざかります。通いやすく、かつ自分のテンションが上がる場所を選んでください」
美容室でも「なんか、いい感じで」「おまかせで」「とりあえず短く」などと、適当なオーダーでは、がっかりするような仕上がりになってしまうことも少なくない。
髪形もまた、見た目年齢を若返らせる重要なポイントになる。手間を惜しまないようにしよう。
「具体的なイメージがなくても“トップの薄さが気になるから、ふんわりさせてほしい” “流れるような感じが好きです”などと、美容院でできるだけ希望を伝えてください。それでも、やはり美容師によって技量は異なるので、ベストはなりたい髪形の写真を持って行って“こんな感じにしてください”と言うこと。なりたいイメージだけでなく“こういうスタイルは嫌なんです”と言うと失敗を避けやすくなります」
美髪をつくるルール【まとめ】
●帽子と日傘を併用し、さらに髪用の日焼け止めスプレーも使う。
●頻繁に染めたいなら、ジアミン入りヘアカラーよりもヘアマニキュアやカラートリートメントなどの方がよい。
●白髪染めはできるだけ美容室で。月1回ほどの頻度で行うときは、根元と毛先で薬剤の濃度を使い分けてもらう。
●美容室は「通いやすい価格と距離であること」「仕上がりの満足感」で選ぶ。
●美容室でのオーダーは悩みをしっかり伝え、「おまかせ」にしない。具体的に。
※取材をもとに編集部作成。
イラスト/カツヤマケイコ
※女性セブン2023年7月6日号
https://josei7.com/
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