体を内側から整える「内臓風水」で運気アップ&体スッキリ!あなたのタイプを診断【中医鍼灸師】
2000年の歴史を持つ養生時計「子午流注(しごるちゅう)」で24時間・365日ご機嫌な心と体を作ろう。
中国最古の医学書『黄帝内経(※こうていだいけい)』にある「子午流注」は、1日を12の干支に分け、経絡の流れと対応させたもので、どの時間にどう過ごせば健康に生きられるかを示している。日々の生活にこの考えを取り入れ、最強の「気が流れる体」を目指したい。
(※)紀元前200年頃~220年頃にかけて編纂されたといわれる医学理論、鍼灸理論の書。
● 子午流注表
23-1時 子 胆
1-3時 丑 肝
3-5時 寅 肺
5-7時 卯 大腸
7-9時 辰 胃
9-11時 巳 脾
11-13時 午 心
13-15時 未 小腸
15-17時 申 膀胱
17-19時 酉 腎
19-21時 戌 心包
21-23時 亥 山焦
子時(23~翌1時頃):翌朝の決断力を養う時間
丑時(1~3時頃):肝臓の血を補う時間
寅時(3~5時頃):免疫力をつける時間
卯時(5~7時頃):腸活のゴールデンタイム
辰時(7~9時頃):血色改善の時間
巳時(9~11時頃):ストレッチに適した時間
午時(11~13時頃):瞑想&休息の時間
未時(13~15時頃):栄養補給の時間
申時(15~17時):集中力アップの時間
酉時(17~19時頃):あくせくしない時間
戌時(19~21時頃):会話を楽しむ時間
亥時(21~23時頃):体を休める時間
臓腑は2時間ごとに活性化する!
子午とは「時刻」のことで、流注は「12の経絡の流れ」を意味する。経絡とは体の中の気や血液の通り道のことだが、東洋医学では、各経絡は24時間の中で2時間ごとに気が旺盛に流れる時間があり、その時間に関連する臓腑が活性化すると考えられている。
「それをもとに、陽(昼)と陰(夜)にすべきことが指南されているのですが、根底には、体内にみなぎる気を利用して病気にならない体を作ろうという考え方があります」(崔さん・以下同)
具体的に見ていこう。
『子時(ねどき)』は、日の変わり目にあたり、この時間帯には胆が活発に動く。
「子時では決断力を養い、是非を判断します。この時間に眠らないと胆が疲労し、判断力が鈍ることに。眠れないときは脇を伸ばしましょう」
『丑時』は、一日でもっとも肝臓の血を補う時間帯。ぐっすり眠ることが最上だが、目が覚めた場合にも目を閉じて、肝臓の負担を減らそう。
「そして『寅時』は呼吸を司る肺が活動する時間です。免疫力をつけるには、この時間にしっかりと体を休めます」
『卯時』は大腸が活動する頃。この時間に排便できる人は財を生み出すともいわれている。
『辰時』は胃が旺盛になる時間。一口でも朝食を食べると胃が稼働し、全身が温まり、咀嚼(そしゃく)が脳の活性化にもつながる。
『巳時』は脾を動かして全身を元気にする時間のため、体を動かすのに最適な時間帯だ。その分、お昼時の『午時』は、3分ほどの瞑想で腎臓を強め、心熱を冷まそう。
「次の『未時』は、頭が働かなくなるので、30分前後のティータイムを取りましょう。続く『申時』は、屈伸や背骨を伸ばす『猫のポーズ』や、縄跳びなどで膀胱を刺激すると目と頭が冴え、集中力やひらめきが増します。逆に『酉時』に慌ただしく動くと腎が弱り、ミスや事故の原因に。仕事を終わらせ、エネルギーの消費を抑えること。『戌時』は、家族や友人との会話を楽しみ、心を通わせる時間です。そして『亥時』は三焦(さんしょう)(胴体全般を指す)を休めるのが理想。新たな命を生み出す時間として体の交わりに適していますが、ハグをするだけでもバランスが整います」
子午流注は1日単位だが、この養生時計は月、年に応用することもできる。たとえば、陽(日中)は春~夏に、陰(夜)は秋~冬に置き換えて考えられるというのだ。
「春(立春~4月17日頃)は陽気(体を活発に動かす気)があふれる季節で、春分に陽気を吸収すると病気を防ぐといわれています。肝と肺が影響を受ける季節なので、食材は肝臓の血流を促進するしょうがやねぎ、にら、セロリ、もやしなどがおすすめ。一方、アレルギーや肌荒れが増えるので、楽観的な気持ちで過ごすことが肝要です。夏(立夏~6月21日頃)は陽気がピークを迎え、陰が生まれる時期なので、酸味のある果物や苦味(玉ねぎやにんにく、ゴーヤーなど)で心熱を冷ますといいでしょう。秋(立秋~9月23日)は、陰気(体を休め、内臓を修復する気)を蓄える季節です。この時期は肝臓に疲れがたまり、気分が塞ぎがちに。無理せずエネルギーを蓄えます。冬(立冬~12月22日頃)は、春に向かう季節。ゆず湯で体を温め、ゆずの皮で邪気を払って寒さを乗り越えます」
崔さんによると、日々のストレスは話すことで発散できるそう。親しい人との会話は、何よりのセラピーになる。
教えてくれた人
中医鍼灸師 崔美淑(さいめいしゅう)さん
中国ハルピン生まれ。黒竜江省中医薬大学で鍼灸治療を学び、2004年に来日。2011年京都大学大学院人間・環境学研究科修士号(精神分析学)を取得。2013年より「Sai鍼灸高輪」院長。著名人も多数訪れている。https://sai-acu.com/
取材・文/佐藤有栄 イラスト/小野寺奈緒
※女性セブン2023年6月1日号
https://josei7.com/
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