5分で簡単!ひざ裏を伸ばす「壁ドンストレッチ」で全身の不調を改善【専門家解説】
古谷さんが推奨するのは腰回りの筋肉である「腸腰(ちょうよう)筋伸ばし」をストレッチとして日常に取り入れること。
「腸腰筋は、腰椎から股関節の内側にかけてついている大きな筋肉で、体の上半身と下半身をつなぐインナーマッスルです。年齢を重ねるとともに硬くなりやすいという特徴があり、腰痛や姿勢の悪さの原因が腸腰筋にあることも多いです。腸腰筋が硬くなると反り腰や、『老化姿勢』といわれる前傾姿勢の猫背になり、そのままの体勢で生活することにより、腰痛や肩こり、血流悪化による頭痛などを引き起こします。そのため、年を重ねた人ほどストレッチでしっかり腸腰筋を伸ばすことが重要になります」(古谷さん・以下同)
具体的な「腸腰筋伸ばし」の方法について、古谷さんが説明する。
「背もたれのあるいすに下半身の半分だけ腰かけてお尻を半分はみ出させ、片脚を後ろにぐっと引いて、股関節の前側を伸ばします。上体が前に倒れないように、背もたれをつかみながら背筋を伸ばして行うのがコツ。腰が反りすぎて痛みが出る場合は、脚を開きすぎずに、無理のない範囲で行いましょう。呼吸を止めると血圧が急上昇してしまうので、ゆっくり呼吸を続けることを意識してください」
片脚20~30秒ずつ、2~3セット行うのが目安。取り組むタイミングは、体が温まっているときがベストだ。
「お風呂上がりや運動後は、体が柔らかくなっているため、ストレッチの効果を得られやすい。毎日続ければ、数か月で効果を実感できるはずです。腰痛など不調の改善はもちろん、姿勢がよくなることで5才、10才は若返って見えるのも大きなメリットです。ぜひ取り組んでほしい」
★腰痛改善「腸腰筋伸ばし」
いすの背もたれを横にしてお尻を半分はみ出させた状態で座り、片方の脚を後ろにぐっと引いて、股関節の前側を伸ばす。背筋を伸ばすことを意識しながら、20~30秒キープ。その後、反対の脚も同様に行う。
教えてくれた人
古谷有騎さん/株式会社「スポーツモチベーション」のフィジカルトレーナー
川村明さん/かわむらクリニック院長
イラスト/おしろゆうこ
※女性セブン2023年4月27日号
https://josei7.com/
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