100均のエプロンや介護保険のレンタル品。本人が快適で、コスパのいい福祉用具を探す【実家は老々介護中 Vol.13】
アラフィフ美容ライターの私は、都心で夫、子どもと暮らしています。実家では、がん・認知症・統合失調症を患う80才の父を、母が在宅で介護中です。どうしても介護にかかるお金が気になってしまいますが、父のQOLを上げたいのでバランスが難しい。実家を手伝いながら、コスパのいいものを介護のプロに聞いて、父の尊厳を守りながら、父が自分らしく過ごせるよう願っています。
優秀な100均の介護グッズに驚く
いかにも介護というグッズに抵抗があった父母ですが、このところ家に介護の便利グッズがどんどん増えてきました。便利でコスパがよいものをヘルパーさんに聞いてみると、使い捨て食事エプロン、テーブルの上の食器が固定される滑り止めシート、ベッドに敷く防水シーツなどを教えてくれました。全部100円ショップのもの。介護用品を買うのに、まず100均を覗くのは常識みたいです。
さて、選び方がわからなくて困るのが、介護保険でレンタルしたり購入したりする介護用品です。カタログを開くと種類がありすぎて。とても安いものもありますが、父のQOLを上げてくれないものでは意味がないし… 。どうやって選べばいいか、訪問看護師さんやケアマネさんが来てくれる度、質問しまくっていたら、同じタイミングで同じようなものを勧められました。
「食事は、どうにか自分で食べてるんですが、手が危なっかしくて、こぼしがちなんですよね」と伝えると、「テーブルをレンタルすると、手元にお皿を置けて安定するかもしれないですね!」となり、「誰かにつかまらないと立ち上がれなくて、ズボンをはき替えるのに手こずるんです」と言うと、「レンタルの手すりを置いておき、自分で立ってもらって、素早くズボンをはかせちゃえばいいのでは?」と、じゃんじゃんアドバイスをくれました。
体の機能を保つために、補助しすぎないことが大切
「娘さんが一緒にいる日に、借りられるものは借りちゃいましょう!」
と、ケアマネさんが、猛スピードでレンタルの手配してくれました。飛んできてくれた福祉用具相談員さんに説明してもらいながら品物を決めて、夕方にはテーブルと手すりが届きました! テーブルは、キャスターがついていてベッドの横から差し込む、病院にあるような細長いもの。父がいつも座って過ごすソファは、座面の下が空いており、横からテーブルを差し込めてちょうどいい。
介護保険を使ってレンタルでき1か月3500円くらい、うちは1割負担だから1か月350円くらいの支払いです。手すりは、昼間、ソファから立ち上がるのはどうにかできているので、疲れてきた夜だけ補助が必要なのかな、という話になり、ベッドの柵として取り付けるL字型の手すりだけを借りることにしました。パタンと閉めるとただのベッドの柵ですが、開けてL字型にすると、つかまってベッドから立つのがらくちんになるというものです。
「補助しすぎて、体の機能が衰えてしまわないようにしましょう」
という、訪問看護師さんとケアマネさんの意見が一致したところで選んだもので、福祉用具相談員さんも、父が使ってみる様子を確認して、「ああ、よさそうですね!」と言っていました。
衰えの段階、と考えると少し複雑ですが、父が満足に過ごせればそれでいいので。もう室内を歩くのみになっているけれど、できるだけ長く自分の足で歩けますように。
文/タレイカ
都心で夫、子どもと暮らすアラフィフ美容ライター。がん、認知症、統合失調症を患う父(80才)を母が老々在宅介護中のため、実家にたびたび手伝いに帰っている。
イラスト/富圭愛
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