【調査結果】在宅介護に不安を感じている人は8割超 不安なこと1位は「食事介助」
「在宅介護に関する調査」(ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー)によると、在宅介護に不安を感じている人が85%いることが判明。さらに、不安を感じていることの1位は「食事介助」だった。要介護者の食事介助にどんなことを感じているのか――。アンケート結果から見えてきたこととは?
在宅介護において「食事介護」がもっとも不安
ネスレ ヘルスサイエンス カンパニーが在宅介護者500人を対象に行った「在宅介護に関する調査」によると、自宅での介護について「不安がある」と答えた人が85%を占めた。
具体的な「不安」の内容としては、「食事介助」が47%で1位に。2位「トイレ介助」35%、3位「睡眠時の安静状態/見守り」33%、「移動・歩行介助」33%と続く。
「要介護者の食事について、当てはまる気持ちや考え」については、「事故なく、安全に食べてほしい」66%が1位で、2位「おいしく食べてほしい」57%、3位「食事を楽しんでほしい」46%となっている。
また、「要介護者の食事の栄養計算」について、「自分でしている」が30%、「自分以外の人がしている」23%、「していない」が47%という結果になり、在宅介護において栄養計算まではできていないことがわかった。
在宅介護で利用しているサービスは?
「現在利用しているサービスや製品」についての質問では、「入浴介助(デイサービス、在宅介護サービス)」が62%と最も多く、「食事に関するなんらかのサービスを頼んでいる」が57%と続く。
「食事関連でどのような製品やサービスを頼んでいるか」については、「デイサービスの昼食を利用」が50%を占め、次いで、「介護サービスに食事の用意を頼んでいる」が17%、「介護サービスに食事の介助を頼んでいる」16%となっている。
必要に応じ、外部サービスを依頼して負担を軽減する工夫をしている様子がみられる。
1回あたりの「食事介助」に30分以上
「在宅介護の1回当たりにかけている平均的な時間」は、全体で24.5分。「歩行介助・外出介助」が55.9分と1位、2位「食事介助」36.9分、3位「(要介護者の衣類の)洗濯」35.2分と続く。
「1週間に8回以上」と介助の頻度が多いのは、「食事介助」と「排泄介助」がともに43%となっている。
【調査概要】
調査名:在宅介護に関する調査(ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー)
調査時期:2023年2月
調査手法:インターネット調査
調査数と対象:要介護度3~5を持つ家族と同居し、在宅介護を行う40-79才の男女・合計500人(内訳:有職者64%、専業主婦・主夫・定年退職・年金生活30%、その他6%)
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調査を行った同社・担当者によると、
「介護サービスの利用状況※を2019年と2022年を比較すると、「施設サービス」はほぼ横ばいですが、「居宅サービス」の利用者は増えています。介護を受けながらご自宅で過ごす高齢者が年々増加傾向にあることがわかります。弊社では食に関する不安を解消していただくために、さまざまな取り組みをしています」とのこと。
※厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)」令和4年11月分」
今後も在宅介護者の不安が解消できるような情報やサービスが充実していくことが望まれる。
■ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー
https://www.nestlehealthscience.jp/
取材・文/本上夕貴