老化を防ぐ抗酸化食品ランキングを20人の専門家が判定「1位は鮭 アスタキサンチンが最強」
3位以降はトマト、赤パプリカと赤い野菜が立てつづけにランクイン。
「ビタミンCが豊富なことに加え、トマトの赤み成分である『リコピン』の抗酸化作用は、ほかの色素と比較しても群を抜いて強い。耐熱性もあるため、スープやソースとして活用すればさらに体内に吸収されやすくなる。トマト缶を常備しておくといいでしょう」(おおつか医院院長・大塚亮さん)
フードコンサルタントの小倉朋子さんは赤パプリカに一票を投じた。
「赤パプリカの色素成分である『キサントフィル』には強い抗酸化力がある。老化防止には必須の一品です」
柴さんはそのビタミンC含有量に着目する。
「赤ピーマンのビタミンCの量はトマトの約5倍といわれていますが、赤パプリカはさらに赤ピーマンの2倍のビタミンCを含みます。ビタミンC不足のときは、迷わず赤パプリカを選んで」(柴さん)
シチューや煮物など、冷えた体を温めてくれる冬の料理に欠かせないにんじんも、6位に食い込んだ。
「にんじんの鮮やかなオレンジ色は、鮭と同じカロテノイドの一種である『βカロテン』によるもの。βカロテンは体内に入ると必要な分だけビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を正常に保ちます。さらにビタミンAは欠乏症になるとドライアイや細菌感染による抵抗力の低下にもつながる。この時期に積極的に摂るべき野菜の1つです」(管理栄養士の磯村優貴恵さん)
栄養豊富なブロッコリースプラウト
“暖色系野菜”が台頭するなかで4位のブロッコリーの健闘が光った。
「一年中市場に出回っていますが、ブロッコリーの旬は冬。この時期はビタミンCの含有量がぐんと増える。そのうえ、βカロテンやビタミンEも豊富です。抗がん作用のある『スルフォラファン』も含まれています」(浜本さん)
大塚さんが強く推すのは、ブロッコリーの“新芽”であるブロッコリースプラウトだ。
「ブロッコリーを食べることも、もちろん酸化を防ぐために有用ですが、ブロッコリースプラウトにはブロッコリーと比較するとβカロテンが約1.7倍、スルフォラファンは10倍以上も含まれている。効率的に栄養成分を摂るにはうってつけの野菜です」
肉の中で抗酸化作用が高い「レバー」
これらの野菜をバランスよく食卓に取り入れつつ、欠かせないのがたんぱく質だ。藤岡さんはレバーを推奨する。
「あらゆる肉の部位の中で最も抗酸化作用があるのはレバー。体内に入るとビタミンAに変換される『レチノール』が豊富です。牛も豚も鶏も大きく栄養価に違いはありませんが、クセがなく調理もしやすいのは鶏です」(藤岡さん)
管理栄養士の清水加奈子さんが一票を投じたのは納豆。
「多く含有する大豆イソフラボンやビタミンEには強い抗酸化作用があります。加えて血流を促す効果も期待できるため、高血圧が気になる人は積極的に食卓へ」
ごまやスパイスも抗酸化力が高い
食卓のメインを飾る野菜やたんぱく質とともにランキング内で目を引くのは「ちょい足し」できるスパイス類だ。予防医療コンサルタントの細川モモさんが解説する。
「スパイス類の抗酸化力は世界的な研究でしっかりと立証されていますが、なかでも最高の抗酸化力を誇るのが甘みと刺激が特徴のクローブ。摂取して数時間で血管内皮機能を改善させる『ポリフェノール』類を含みます。肉料理やカレー、クッキーなどと相性がいいので、取り入れてみてほしい。シナモンもクローブに次いで抗酸化力が高く、桂皮という名で生薬として用いられるほど、多様な健康増進効果があります」
小倉さんは「セサミン」を理由にごまに一票を投じた。
「セサミンは、ごまにしか含まれない特殊成分である『ゴマリグナン』を構成する要素の1つ。微量であるにもかかわらず強い抗酸化力があります」(小倉さん)
緑黄色野菜の炒め物にふりかけたり、鍋のつけタレとして用いたりと、食卓にちょい足しして効果を実感しよう。スパイシーな香りが特徴のにんにくも、多くの専門家が抗酸化力を評価し、9位にランクインしている。
「にんにくは非常に“総合力”の高い食品。強い抗酸化作用を持つ硫黄化合物に加えて、アルギニン、オリゴ糖、フラボノイド、セレンなど、さまざまな健康にいい成分を含んでいます。にんにくの摂取量が増えると、胃がんや食道がん、結腸がん、すい臓がん、乳がんなどのリスクが減ることも、複数の研究で示されています」(大塚さん)