老化を防ぐ抗酸化食品ランキングを20人の専門家が判定「1位は鮭 アスタキサンチンが最強」
ランキングを参考に、体のさびを取る食品を選んで取り入れてほしい。注意すべきは、調理法や食べ方だ。内科医の佐藤桂子さんの解説。
皮ごと食べる
「野菜は皮と身の間に栄養が詰まっているものが多く、大根はその代表格です。ふんだんに含む辛み成分の『イソチオシアネート』の抗酸化作用はかなり強力です。ビタミンCも含有量が多く、皮も含めて丸ごと食べるのがおすすめです」
にんじんも「皮ごと」がおすすめだ。
「にんじんは皮つきのものの方がβカロテンが200μg多い。皮ごと料理に使うか、むいた皮を刻んで炒飯や炊き込みご飯に混ぜたり、炒め物に加えたりしてもいいですね」(磯村さん)
赤パプリカや赤ピーマンは加熱が正解
食べるときに熱を加えるべきかどうかも食品によって異なる。
みやま市工藤内科院長の工藤孝文さんが言う。
「抗酸化ビタミンの代表格であるビタミンCは水溶性。水にさらしたりゆでたりすると水に溶け出してしまう。その点いちごはそのまま食べられるので、ビタミンCを余すところなく摂ることができておすすめです」
反対に赤パプリカや赤ピーマンに代表される、カロテノイドを含む食品は加熱するのが正解だ。
「赤パプリカに含まれるキサントフィルをはじめ、カロテノイドは脂溶性なので、油を使った調理方法で食べるとより体内に吸収しやすくなります。かぼちゃやにんじんのβカロテンも油と相性がよく、炒め物や煮物として摂ってほしい」(小倉さん)
抗酸化食品の選び方「新鮮なものを」
抗酸化作用を得るうえでどの食品にも共通するのが、「新鮮なものを選ぶ」こと。
管理栄養士の前田あきこさんが解説する。
「抗酸化食品は体内の酸化を防ぐパワーが強い一方、野菜や果物などは切ってから時間が経つと空気中の酸素と結びついてしまいます。食べる頃には抗酸化作用を使いつくした後なんてことも。食品は切らずに保存する、緑茶やスムージーなどの飲み物も、すぐ飲むか、持ち歩くときは真空ボトルに入れる等の工夫をしてください」
抗酸化作用をさらに高める食品別調理法
さらに効果を得られる方法をご紹介。
★いちご/ブルーベリー
生がいちばん
いちごのビタミンCやブルーベリーのアントシアニンは加熱すると成分が失われやすくなる。生で丸ごと食べるべし。
★かぼちゃ/トマト/にんじん/鮭
加熱がおすすめ
かぼちゃやにんじんのβカロテンや鮭のアスタキサンチンは油と相性がよく、トマトのリコピンも熱に強い。特にトマトは缶詰を常備しておけば多様なアレンジが可能。
★大根 にんじん
皮ごと食べて栄養満点
大根のイソチオシアネートやにんじんのβカロテンは皮と身の間にもたっぷり存在する。炒め物などには皮ごと使うのがいい。
老化を防ぐ生活習慣
食品の力によって体の老化を防ぎつつ、それ以外の生活習慣にも気を配りたい。
「活性酸素を除去し、体の酸化を防ぐには、バランスのいい食事に加えて、適度な運動、喫煙・飲酒を慎むなど、規則正しい生活を送ることが大切です。実際にこれらの習慣がある人は高血圧や心筋梗塞、脳梗塞といった病気のリスクが低い。体をさびさせないように意識して生きることは健康寿命を延ばすことにもつながるのです」(谷本さん)
肥満体形の人や慢性的な高血糖の人はさまざまな臓器や組織に負担がかかり、体が酸化しやすいことが明らかになっている。
「糖質の摂りすぎも体内に炎症を起こし、酸化する要因になる。菓子パンなどに使われる『トランス脂肪酸』をはじめとした食品添加物の過剰摂取もリスクファクターになります」(田中優子さん)
さびない体で寒い冬を乗り切ろう。
教えてくれた人
磯村優貴恵さん/管理栄養士、大塚亮さん/おおつか医院院長、小倉朋子さん/フードコンサルタント、工藤孝文さん/みやま市工藤内科院長、黒田愛美さん/医師/アスリート、小峰一雄さん/歯科医、佐藤桂子さん/内科医、柴亜伊子さん/美容皮膚科医、清水加奈子さん/管理栄養士、田中亜希子さん/あきこクリニック院長、田中優子さん/田中病院院長、谷本哲也さん/ナビタスクリニック川崎医師、中沢るみさん/管理栄養士、橋弥尚孝さん/会員制人間ドックカルナ・メドサロン院長、浜本千恵さん/管理栄養士、藤岡智子さん/栄養士/フードライター、細川モモさん/予防医療コンサルタント、堀知佐子さん/管理栄養士、前田あきこさん/管理栄養士、望月理恵子さん/健康検定協会/管理栄養士
※女性セブン2022年12月15日号
https://josei7.com/
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