老後を楽しむ「おひとりさま活動」最前線 始め方とおすすめプランを専門家が指南
「ひとり焼き肉」「ひとりカラオケ」など、“おひとりさま活動”に勤しむ女性は年々増えており、「ひとり=かわいそう」ではなく、「ひとり=かっこいい」という時代だという。2040年には約40%が単身世帯になると言われている。これから先、老後をひとりでも楽しく暮らせるように今から“おひとりさま活動”をスタートさせてみては?
おひとりさま活動は老後に必要なスキル
「“おひとりさま活動”なんて若い人たちの話でしょ」と思うかもしれないが、中高年も他人事ではない。2040年には、全人口の約40%がおひとりさまになると推計されており、特に65才以上のひとり世帯が年々増加傾向にあるのだ(※)。
40代以上の“没イチ(配偶者と死別した人)”は全国に約955万人。その8割が女性というデータ(2015年)もある。トレンドウオッチャーのくどうみやこさんは、女性の“おひとりさま活動”について次のように語る。
「誰でも老後の数十年をひとりで過ごす可能性が高いいま、“おひとりさま活動”は、老後を楽しく暮らすために必要な“スキル”だと思います」
とはいえ、老い先が見えてきたり、伴侶を失い、外に出る気力もないほど孤独感にさいなまれてしまったら、どう乗り越えればいいのだろうか。
「落ち込む時期があるのは当然ですが、同じ境遇の人がこんなにいるんだということも知ってほしいですね。そして、少しずつでも外に出ること。私が出会った“没イチ”女性たちは、新しい趣味を見つけたり、初めてのことに挑戦するうちに元気を取り戻したそうです」(くどうさん・以下同)
まず最初は美術館から行ってみよう
だが、家族や友人に囲まれている人の中で「ひとりで外食をしてみよう」と思っても、「まわりの人から『かわいそう』と思われるんじゃないかしら」となかなか踏み出せないこともあるだろう。
「あまりハードルを上げず、まずは美術鑑賞に出かけてみるのはいかがでしょうか? 美術館にいる人は基本的に作品に集中しているので、まわりの目も気になりません」
(※)2015年の国勢調査をもとにした国立社会保障・人口問題研究所の推計。未婚率の増加や核家族化の影響もあり、日本の単独世帯(世帯主がひとりの世帯)の割合は、2040年には約40%に達するとされる。