夏こそ「スープ」で元気をチャージ!ポリ袋で手軽に作れるアボカドのスープほか13レシピ
暑さが原因で何かと不調が出やすい夏。そんなとき、食欲がなくてもスルッと飲めて栄養補給でき、お腹にやさしいのがスープ。身近な食材が持つパワーをたっぷり体に取り入れて、夏の不調を整えましょう。温・冷「パワースープ」のレシピを薬剤師・国際中医師の大久保愛さんに教えてもらいました。
食材の旨みでだしいらず!具だくさんのお手軽スープ13選
弱ったときこそ、たんぱく質とビタミン、ミネラルの補給が大切、と話すのは漢方カウンセラー・大久保愛さん。
「そのための手軽な方法がスープです。さまざまな食材が合わさることで、だしがなくても旨みたっぷり。また栄養もギュッと詰まったスープになります。揉むだけ、混ぜるだけで作れるものも。パワースープで夏の不調を整えてくださいね」(大久保さん、以下同)
胃腸にやさしいスープ
機能低下で弱った胃腸をいたわるスープ。
<1>卵と梅のやさしいスープ(温)
ほっとする味わいに梅干しがアクセント
「消化吸収のよい卵や豆腐を入れて、筋肉や肌の維持に不可欠なたんぱく質を補給。消化のサポート役には梅干しを」
【作り方】
【1】鍋に、木綿豆腐½丁、塩昆布5g、種を取り細かくちぎった梅干し1個、しょうゆ小さじ2、水1カップを入れる。中火にして豆腐を粗めにつぶす。
【2】【1】が煮立ったら、溶き卵2個分を入れる。卵が固まったら火を止め、豆乳1カップを入れて軽く混ぜる。
<2>とろろ昆布と切り干し大根の即席みそスープ(冷)
ダメージを受けた胃腸の粘膜をとろろ昆布で強化
「切り干し大根の食物繊維は腸内のお掃除役、貝割れ大根のジアスターゼは胃酸をコントロールして胃もたれや胸やけを抑えます」
夏バテで食欲がないときに!
酷暑で体力を消耗し、食欲がない体にしみわたるスープ。
<3>おくらと明太子、かつおぶしのスープ(冷)
食欲が落ちたときでもスルッと入る食感も楽しいスープ
「内臓の粘膜は、おくらのネバネバ成分ペクチンで修復。栄養価が高く旨みの強いかつおぶしは、調味料代わりにも」
【作り方】
【1】おくら4本は輪切り、明太子½腹はひと口大に切る。
【2】器に、【1】、かつおぶし10g、味つけもずく酢1パック(市販)、水2カップを入れてよく混ぜる。
夏の冷えにあったかお手軽スープ
冷房で冷えた体を温め、代謝をよくするスープ。
<4>アボカドとパセリのポタージュ(冷)
ポリ袋に入れてつぶすだけ! アボカド+豆乳+しょうがで血流促進
「アボカドと豆乳のビタミンE、しょうがのジンゲロールには、血行を促す働きがあります。血液の流れがよくなれば、体内に滞った老廃物が排出されてむくみの解消に」
【作り方】
【1】アボカド1個は皮と種を取る。パセリ1~2本はみじん切りにする。
【2】ポリ袋に、【1】、おろししょうが2片分、みそ大さじ2、豆乳2カップを入れる。手でアボカドをよくつぶしながら全体がなめらかになったら完成。
<4>なすとツナの麻婆みそスープ(温)
冷えとむくみを一気に解消する和風ピリ辛スープ
「発汗を促す豆板醤のカプサイシンで体温を上げて冷えを取り、なすと豆腐に含まれる豊富なカリウムで余分な塩分を排出してむくみを解消。山椒をふれば、冷えた内臓機能の活性化も」
【作り方】
【1】なす1本はひと口大に切り、にら1/2束は1cmの長さに切る。
【2】鍋に、【1】、ツナ1缶(汁ごと)、木綿豆腐1丁、おろしにんにく1片分(市販のチューブ可)、水2カップを入れ、中火にして豆腐を粗めにつぶしながらひと煮立ちさせる。火を止めて、みそ大さじ2、豆板醤小さじ1/2、好みで山椒少量を入れて味を調える。
疲れた体に元気をチャージ
だるさが取れない体に元気をくれるスープ。
<6>里いもの黒い豚汁(温)
体のエネルギー源となる里いもの糖質で元気を充電!
「豚肉に含まれるナイアシンには血行を促す効果があります。停滞する老廃物やリンパが流れれば、筋肉も動きやすくなり疲れの原因となる凝りの改善に」
【作り方】
【1】里いも100gはひと口大に切る。
【2】鍋に、【1】、薄切り豚バラ肉150g、細かくちぎった焼きのり1枚分、細切りしょうが1片分、黒すりごま大さじ2、水2カップを入れ、中火にして豚肉に火が通ったら、火を止めてみそ大さじ2を入れて溶く。
<7>あさりと長いものにんにくスープ(温)
体と心の慢性ストレスを癒す鉄板スープ
「あさりには気力を補うビタミンB群とストレスで消耗するミネラルが含まれ、にんにくがビタミンの吸収を高めます。慢性疲労の改善には長いもが◎」
<8>シーフードとトマトのスープ(温)
頭が疲れているときはトマトのリコピンとさばのオメガ3を補給!
「ストレスや紫外線で増える活性酸素を抑制するのがトマトの成分リコピン。加熱すると吸収力がアップ。疲れて頭がぼーっとしたときは、さばのオメガ3で脳を活性化」
【作り方】
【1】ボウルに、水1カップと塩小さじ1を入れてよく混ぜる。シーフードミックス200gを入れて30分おき解凍する。
【2】フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、水気を切った【1】とみじん切りにんにく2片分を入れて炒め、シーフードに火が通ったら、さば水煮1缶(汁ごと)、斜め切りにしたセロリ1/2本分、トマトジュース2カップ、しょうゆ大さじ1、塩・こしょう各少量を入れ、3分程度煮込む。
暑さで弱った心と体に栄養補給!
暑さで弱った心と体のバランスを整えるスープ。
<9> ルイボススープ(温)
ルイボスティーで体の隅々まで栄養を届けて
「不足すると自律神経が乱れやすくなるたんぱく質、ビタミン、鉄がバランスよく入った鶏肉。血管を丈夫にするルイボスティーと最強タッグで」
【作り方】
【1】干ししいたけ3枚とにんにく2片は薄切りにし、しょうが2片は細切りにする。
【2】鍋に、【1】、鶏ひき肉250g、しょうゆ大さじ11/2、ルイボスティー2カップを入れ、中火でひと煮立ちさせる。器2つに盛り、ブロッコリースプラウト各10gをのせる。
<10>鮭の豆乳スープ(冷)
「鮭」のアスタキサンチンで元気を補給
「鮭には、免疫力の維持に必要な抗酸化作用をもつアスタキサンチン(赤い色素)とビタミンDが含まれています。神経の高ぶりは大葉の香り成分で鎮めて」
【作り方】
【1】鮭30gは焼いてほぐす(鮭フレークも可)。大葉4枚は細かく刻む。
【2】器に、【1】、釜揚げしらす大さじ4、すりごま大さじ2、豆乳2カップを入れ、よく混ぜる。
<11>かぼちゃとにんじんのカレーポタージュ(冷)
かぼちゃ&にんじんでバリア機能を高めて
「粘膜を強くするβ‒カロテンが豊富に含まれるかぼちゃとにんじん。β‒カロテンは脂溶性のビタミンなのでオリーブオイルと合わせて吸収率を高めます」
【作り方】
【1】保存袋に、かぼちゃ150gとにんじん½本を入れ、電子レンジで3分加熱する。粗熱がとれたら、なめらかになるまでつぶす。
【2】【1】に、みそ・すりごま各大さじ2、カレー粉小さじ1、豆乳2カップを入れて全体をなじませる。器に盛り、オリーブオイル適量をかける。
心地よい眠りを誘うスープ
覚醒しやすい夏の夜には、心地よい眠りを誘うスープを。
<12>塩辛と豆腐のスープ(温)
旨みたっぷりの塩辛は調味料代わりに
「睡眠不足だとたんぱく質は消化しづらいのですが、アミノ酸に分解された発酵食品のたんぱく質ならOK。いかには疲労回復のタウリンも」
【作り方】
鍋に、いかの塩辛100g、木綿豆腐1丁、根元を取り半分に切ったえのきたけ1/2袋、かつおぶし10g、水2カップを入れてひと煮立ちさせる。
<13> 牛肉と豆の粒マスタードスープ(温)
牛肉と豆のパワーでいい睡眠を
「睡眠不足には、亜鉛と鉄が豊富な牛肉がおすすめ。たんっぱく質には安眠作用もあり、豆類と合わせると睡眠の質の向上が期待できます」
【作り方】
【1】牛肉(好みの部位・形状)200gは両面に塩・こしょう各適量をしてひと口大に切る。
【2】フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、【1】を入れて炒める。
【3】【2】の肉の色が変わったら、ミックスビーンズ(水煮)100g、すりごま・しょうゆ各大さじ1、水1カップを入れてひと煮立ちさせる。粒マスタード大さじ1~2、豆乳1カップを入れ、再びひと煮立ちしたら完成。
教えてくれた人
大久保愛さん/薬剤師・国際中医師・ 漢方カウンセラー
撮影/松村隆史 取材・文/佐々木めぐみ
※女性セブン2022年8月18・25日号
https://josei7.com/
●朝の薬膳スープでむくみ解消!10分でできるお手軽レシピ10選