人気料理家が母の思い出のお弁当を再現「晴れの日のごちそう”混ぜずし”」野口真紀さん
人気料理家の野口真紀さんの母の愛情がギュッと詰まったちょっと特別な日のお弁当を、舌の記憶をたどってレシピとともに再現してもらいました。料理のプロを育んだおいしさの工夫やワザ、エピソードに原点が見えてきます。野口さんが受け継いだ“混ぜずし弁当”に入っている4品を教えてもらいました。
野口真紀さんの母の味「混ぜずし弁当」
「飯台を抱えて食べるほど好きだった混ぜずしは特別な日のごちそうです。ハレの日のお弁当で思い出すのは、彩りも華やかな鮭ときゅうりの混ぜずしですね」と話す、料理家の野口真紀さん。
「子どもの頃は飯台ごと抱えて食べるほど、大好物(笑い)。運動会やお花見など、特別な日のお弁当によく作ってもらいました。夕飯にたくさん作って、次の日はおにぎりにしてお弁当に持たせてくれたりもしましたね」(野口さん・以下同)
野口さんは幼い頃から料理が好きで、それは代々受け継がれているものだという。
「祖母はかなりの料理好きで、それが母、私へと受け継がれています。母は仕事をしていましたが、普段のご飯からおやつまで、何でも手作りしてくれましたね。私はそんな母の料理を、作っている横で見て覚えました。今回再現した料理は、いまでは私もよく作っています。どれも子どもたちにも人気なんですよ」
ほうれん草のごま和え
少しのみそを加えることでコクのある味わいに。青菜は根元まで捨てずに使うのがわが家流。
<作り方>(作りやすい分量)
【1】ほうれん草1袋はゆでて水に取り、水気を絞る。
【2】フライパンで白いりごま大さじ3を煎り、すり鉢でする。砂糖大さじ1/2、みそ小さじ1、しょうゆ小さじ2を加え、そのつどする。食べやすく切った【1】を加えて和える。
<ポイント>
「白いりごまはさらに煎ってからすり鉢ですると、香ばしさがぐんとアップ。調味料を加えるたびにすることで、なじみがよくなります」
チキンの照り焼き
こってり甘辛味がお弁当向き。最後は蒸し焼きにして中までしっかり火を通す。
<作り方>(作りやすい分量)
【1】鶏もも肉1枚はひと口大に切る。サラダ油適量を熱したフライパンに皮目から入れ、カリッとするまで中火で両面焼く。
【2】しょうゆ・酒・みりん各大さじ1、砂糖大さじ½を加え、蓋をして蒸し焼きにする。蓋を外して汁気を飛ばす。
鮭ときゅうりの混ぜずし
薬味をたっぷりと加えた彩りずしは、さっぱりとしていくらでも食べられる。鮭を多めに入れて具だくさんに。
<作り方>(3合分)
【1】炊飯釜に米3合、昆布適量、酒大さじ¾、目盛りよりやや少なめの水を入れて普通に炊く。昆布を取り出して飯台などに移し、すし酢(酢大さじ5+砂糖大さじ2 1/4+塩小さじ3/4)を加えて切るように混ぜ、うちわであおいで粗熱を取る。
【2】塩鮭大3切れは魚焼きグリルで両面をこんがりと焼き、皮と骨を除いて粗めにほぐす。きゅうり2本は薄切りにして塩もみし、水気を絞る。みょうが3個と青じそ10枚はせん切りにする。
【3】【1】に【2】、すり鉢ですった白いりごま大さじ4を加えて混ぜる。すだちの薄切り適量をのせる。
<ポイント>
「ご飯は昆布と一緒に炊いて、旨みと風味をしっかりまとわせます」。
鮭は、最後に混ぜるときにほぐれるので、加えるときは手で粗めにほぐす程度でOK。
味つけ卵
お弁当をパッと明るくしてくれる、あると便利な一品。
<作り方>
ゆで卵(硬めにゆでたもの)をめんつゆ(3倍濃縮)に浸して、冷蔵庫でひと晩。
教えてくれた人
料理家 野口真紀さん
料理上手の母の影響で、食べることや料理をすることが大好きに。料理編集者を経て、「料理を作る側の仕事がしたい」という思いから料理家に。
撮影/豊田朋子
※女性セブン2023年6月1日号
https://josei7.com/
●保存袋で簡単「酢漬け」でさっぱり酢料理 基本の作り方・アレンジレシピ|野口真紀さん