究極のズボラ健康法「指ヨガ」で高難易度ポーズも簡単に|5本の指で異なる効果が!
手のツボやマルマを刺激すれば、対応する臓器や筋肉、神経が活性化。それぞれの指のツボやマルマで得られる効果は、さまざまな全身ヨガのポーズに匹敵する。難易度の高いポーズも、指だけヨガなら簡単に行えます。肌荒れ、肩こり、不眠、便秘、しびれ…5つのヨガで不調改善しちゃいましょう!
5本の指で異なる効果が得られる!
ヨガの考え方では、体のエネルギーは「圧」の高いところに集まるとされる。指ヨガの考案者でヨガインストラクターの深堀真由美さんが説明する。
「手で強く押さえてから離したり、けがをしたりすると、その場所に血液が集まり、温かくなるのと同じようなイメージです。基本のポーズは、ひじを開くことで胸の筋肉も連動して鍛えられ、背筋を伸ばすことで腹筋が引き上げられる。深い呼吸を意識することで、自律神経も整います」(深堀さん・以下同)
指ヨガでは、ポーズをとりながら、呼吸を意識することが重要だ。下腹を体の内側へ引き込むようなイメージで、おへそから指5本分下奥にある「丹田」に力を入れて鼻から息を吐き、丹田の力をゆるめながら、鼻から吸う。
深堀さんによれば、40代以上の女性は特に呼吸が浅くなりやすいので、指の形以上に、呼吸を意識して行うのがいい。
「5つの指だけヨガは、1~3までを1セットとして、3セット繰り返してください。終わったらゆっくりと息を吐きながら両手の指を離して腕を下ろし、肩から腕、指先まで、少しずつ力を抜いていくと、さらに効果が高まります。40代以上の女性は、肩や呼吸器に対応する人さし指、腸につながる薬指、足腰に対応する小指を重点的に行うのがおすすめです」
目安は1日3回。3か月続けると効果を実感できることが多く、体重が5kg減った人や肩こりが治った人、ずっと手放せなかった睡眠導入剤がなくても寝つけるようになった人などさまざま。足腰が強くなり、1日5000歩歩けるようになったという80代の女性もいるという。
「なかには、指だけヨガを行っている最中にお腹がグルグルと鳴いて、便秘が解消したという人もいます。ただし、胃に血液が集まっている食後は、消化の妨げになるためNG。お酒をたくさん飲んだ後もやめましょう。また、全身の血流がよくなっている入浴後も効果を実感しにくいため、それ以外のタイミングで」
まずは「指だけヨガ基本のポーズ」から
これから紹介するすべての指ヨガは「基本のポーズ」からスタートします。まずは基本のポーズをしてみましょう。
■指だけヨガ基本のポーズ
【1】基本の姿勢
背筋を伸ばしてまっすぐ立つか、いすに座り、胸の前で両手を合わせて2~3回深呼吸する。鼻からゆっくりと吸い、吐くときも鼻からゆっくりと。立つときは、両足を腰幅くらいに開き、足先は正面に向ける。座って行うときは、背中が丸まらないよう注意。
【2】ぴったりと両手のひらを合わせる
【1】の呼吸を続けながら、両手を合わせたまま、指と指の間を広げる。
【3】指を広げて徐々にひじを張り出しながら手のひらを離していき、各指先だけがついている状態にする。
肩に力が入らないように注意しながら、両ひじを体から離して外側に張る。左右の手のひらのつけ根は離して指先だけをつけた状態にする。このとき、息は鼻から吐ききる。指同士を押し合うようにしてすべての指に圧力をかけたまま鼻で5回深呼吸する。両手を離して腕を下ろし、息を吐きながら肩、腕、指の力を抜く。
親指【下向き犬のポーズ】と同じ効果
親指に圧をかけると、親指のツボの少商と、親指のつけ根のクシプラ・マルマが刺激される。のどの粘膜やのど付近でホルモンの分泌を行う甲状腺の機能に働きかけて、肌荒れ、顔のたるみ・むくみ、冷え症、生理痛、更年期障害、薄毛などの改善が見込める。
【1】「指だけヨガ基本のポーズ」をとる。
【2】 左右の指をそれぞれ合わせたまま、親指だけを意識して力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
【3】指同士を押し合うようにしてすべての指に力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
人さし指【牛面のポーズ】と同じ効果
人さし指のツボ「商陽」は、肩や腕、上半身に対応しているため、肩や首のこりの改善とシェイプアップ、さらには胃の不調や二日酔い、かぜや喘息、花粉症といった呼吸器系の疾患にも効果的。
【1】「指だけヨガ基本のポーズ」をとる。
【2】左右の指をそれぞれ合わせたまま、人さし指だけを意識して力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
【3】指同士を押し合うようにしてすべての指に力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
中指【魚のポーズ】と同じ効果
中指は、脳から背中にかけて対応。自律神経にも強く働きかけるため、睡眠障害やイライラ、集中力低下、もの忘れといった脳や精神的な症状の改善が期待できる。背中のこりも軽減して、腰痛の緩和にも。
【1】「指だけヨガ基本のポーズ」をとる。
【2】左右の指をそれぞれ合わせたまま、中指だけを意識して力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
【3】指同士を押し合うようにしてすべての指に力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
薬指【アーチのポーズ】と同じ効果
薬指には、腸や腎臓、膀胱、生殖器など、下腹部に対応するツボ「関衝」が。薬指のヨガを行えば、ストレスが原因の下痢・便秘・頻尿、婦人科系疾患などの改善が見込める。
【1】「指だけヨガ基本のポーズ」をとる。
【2】左右の指をそれぞれ合わせたまま、薬指だけを意識して力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
【3】指同士を押し合うようにしてすべての指に力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
小指【仰向けで片足を引き寄せるポーズ】と同じ効果
小指のツボは、精神的な不調を改善する「少衝」と、下肢に働きかける「少澤」の2つ。そけい部にある大きなリンパ節を間接的に刺激することができるため、下半身のむくみやだるさ、しびれなどの解消に有効。
【1】「指だけヨガ基本のポーズ」をとる。
【2】左右の指をそれぞれ合わせたまま、小指だけを意識して力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
【3】指同士を押し合うようにしてすべての指に力を入れ、圧力をかける。そのまま鼻で5回深呼吸する。
取材/小山内麗香 イラスト/勝山英幸
※女性セブン2022年4月7・14日号
https://josei7.com/