人気ヨガYouTuberのMarikoさんが教える「寝落ちヨガ」5つのポーズと食事、入浴法
「B-lifeのMariko(まりこ)です!」と明るい挨拶ではじまるYouTube『B-lifeビーライフ)』は、なんとチャンネル登録者数118万人!動画でヨガを検索すると、必ずお目にかかるMarikoさんのレッスンは、初心者にもできるヨガポーズも多く、シニアにもおすすめだ。そんな注目の人、Marikoさんが新たに提案するのが”寝落ちヨガ”。極上の眠りを誘う寝落ちヨガのポーズをはじめ、美しさを保つ食生活やライフスタイルまで、Marikoさんにクローズアップ!
Marikoさん直伝!寝る前10分でできる「寝落ちヨガ」
睡眠時間が短いだけでなく、しっかり寝ているつもりが昼間にボーッとしたり…。コロナ禍による生活環境の変化で、「5人に1人の睡眠の質が悪化している」(2020年7月、ウーマンウェルネス研究会調べ)という。きちんと睡眠をとらないと免疫力低下の原因にもなる。安眠を促すヨガで、質の高い睡眠を目指そう。
「不安や悩みを抱え、心身ともに緊張状態が続くと、本来は活動時に優位に働く交感神経が夜も活発に働き続けるため、眠れなくなります。また、眠れているつもりでも、昼間ボーッとする場合は、質のよい睡眠がとれていない証拠。こういう場合、リラックス時に優位に働く副交感神経に、スイッチを切り替える必要があります」
とはヨガインストラクターのMarikoさんだ(「」内、以下同)。ぐっすり眠れると、疲れが取れて自律神経のバランスが整いやすくなり、免疫力も高まるという。
「スイッチの切り替えは、考えてできるものではありませんし、目をつぶって横になればいいわけでもありません。寝る前に10分間でいいので、ゆったりした呼吸とともに体を緊張状態から解き放ってください。そのためにヨガはとても効果的です」
Marikoさんが考案した安眠を促すヨガは5種類。いずれも、ストレスで緊張状態が続くとこり固まりやすい部位を、効果的にほぐして血行をよくするポーズだという。具体的なやり方は以下を参考にしてほしい。
今夜から始めてみて!眠りを誘う5つのポーズ
1~5のポーズを順に行えば体の緊張がほぐれ、眠くなるという。ただし、股関節やひざに痛みのある人は、痛みを感じない程度に調整を。気持ちよさが大切です。
1.亀のポーズ:股関節をやわらかくして骨盤内の血流を促進する
「骨盤内の血行がよくなると、ホルモンバランスが整い、更年期障害の予防にも効果的。腰と背中の力を抜いてリラックスすると、腰まわりが曲がりやすくなりますよ」
【1】床に座り、両足の裏を合わせてひざを外側に開く。両脚はひし形を作るように前に出す。
★POINT!股関節が痛くない程度に開く。
【2】ふくらはぎの下から両手を通して足を包む。背骨は伸ばしたまま、尾てい骨から倒れるように前屈し、4カウントで鼻から息を吸って、4カウントで鼻から息を吐く。この状態を1分間キープする。
★POINT!ゆったりしたリズムで呼吸を。
★POINT!両ひじが床につかない場合、両手はふくらはぎの下を通さず、両脚の上に置くだけでOK。
2.橋のポーズ:背骨を刺激すると猫背が改善され、 骨盤矯正にも効果的!
「骨盤を持ち上げるときに下腹をへこませると、ぽっこりお腹が改善されます。さらに、お尻の穴を締めるイメージで行うと骨盤底筋も鍛えられ、尿もれ防止にも」
【1】あお向けに寝て両足を腰幅に開き、両ひざを立てる。手は体の横に置き、手のひらは下に向ける。目線は天井に。
★POINT!親指で床を押すと内ももや骨盤底筋も鍛えられる。
★POINT!胸をしっかり広げる。
【2】両脚に力を入れてお尻を持ち上げながら、4カウントで鼻から息を吸って、4カウントで鼻から息を吐く。お尻上げた状態を3呼吸キープする。胸をしっかり広げて呼吸がしやすい状態にすることが大事。また、骨盤を持ち上げたときに腰を反ると痛めてしまうので注意すること。
★POINT!胸からひざまでは一直線に。
3.ワニのポーズ:腰まわりの筋肉をほぐすとリラックス効果抜群!
「上体をねじると、内臓機能が高まるので、老廃物の排出や便秘解消などのデトックス効果が期待できます。また、腰がストレッチされて腰まわりの血行がよくなるので腰痛の改善にも」
【1】あお向けに寝て両足を腰幅に開き、両ひざを立てる。両手は横に真っすぐ伸ばす。手のひらを上にして、目線は天井に。
★POINT!胸をしっかり広げる。
【2】左手を右ひざに添え、右脚を左に倒しつつ、4カウントで鼻から息を吸って、4カウントで鼻から息を吐く。上体と顔は右側に向けて体をねじる。その状態で5呼吸キープ。倒した脚は床につかなくてもOK。反対側も同様に。
★POINT!腰からお尻まわりをしっかり伸ばす。
★POINT!上体をねじったときに両肩が浮かないように。
4.バナナのポーズ:呼吸で使う筋肉がストレッチされる
「脇や胸をしっかり伸ばすと、呼吸が深くなってリラックスできるため入眠しやすくなります。特に脇腹は、緊張やイライラが募ると縮こまって硬くなりやすいので、伸ばすだけでも気分がリフレッシュしますよ」
【1】あお向けに寝て、両手を頭の後ろに組む。両脚は伸ばして揃え、目線は天井に。
【2】左足を右足の上にのせる。骨盤を上に向けたまま、体を右側に曲げて左の体側を伸ばす。4カウントで鼻から息を吸って、4カウントで鼻から息を吐く呼吸を1分間続ける。足を組みかえて反対側も同様に行う。
★POINT!腰が浮かないように骨盤は真上に向ける。
★POINT!両脚をそろえたまま体でカーブを描く感じで。
バナナのポーズをアレンジ:手を頭上に伸ばして行うと脇がしっかり伸びる!
「脇にはリンパ節があり老廃物がたまりやすいので、しっかり伸ばすこと。そうすると、血液の流れがスムーズになり、肩こりや首こりの予防にもなります。このポーズは、手先から足先までしっかり伸びて気持ちいいですよ」
5.合せきのポーズ:肩や胸のまわり、股関節や骨盤まわりがほぐされて安眠できる
「股関節を動かすと、骨盤内の血行がよくなり、骨盤のゆがみを整えられます。また、生理痛の緩和や婦人科系の不調改善にも効果的。ただし、股関節痛の人は無理せず控えめに」
【1】あお向けに寝て両足の裏を合わせてひざを外側に開く。このとき、なるべく両足の小指を合わせておくこと。つらい人はかかとをお尻から遠ざけるとやりやすい。目線は天井に。お腹に両手を当てて呼吸を感じる。
★POINT!お腹に手を置くと呼吸に意識を向けやすくなる。
★POINT!ひざは床につかなくてもよい。
【2】目を閉じて両手を頭の後ろで組んだら、4カウントで鼻から息を吸って、4カウントで鼻から息を吐く呼吸を5呼吸行う。肩や胸のまわりの筋肉がほぐれて呼吸が深くなる。
★POINT!腰が反らないように注意。
★POINT!体を床に沈めるイメージで股関節まわりの力を抜く。
Marikoが実践!快眠・免疫力UPのための食事のルール4
しっかり眠り、免疫力を上げるため、Marikoさんが実際にやっている“食事のルール”をご紹介します。ヨガとセットで参考にしましょう。
1.就寝3時間前には夕食をすませます
「胃に残った食べ物を消化しようと内臓が動き続けると脳が興奮して寝つきが悪くなります。ですから夕食は寝る3時間前までに摂り、消化が落ち着いてから寝るようにしています」
2.ビタミンCはフルーツで補給しています
「抗酸化作用の高いビタミンCは、水に溶けやすく体外に排出されやすいためこまめに摂る必要が。わが家ではビタミンCが豊富なカットフルーツを常備して食べる習慣をつけています」
3.たんぱく質は積極的に摂っています
「たんぱく質は、筋肉や骨、臓器などの体を作る大事な栄養素です。肉や魚、大豆などによってたんぱく質のもととなるアミノ酸の構成が違うので、まんべんなく摂るようにしています」
4.大好きなお菓子はがまんしません
「バランスのとれた食事を摂っていると、甘いものがそれほど欲しくなくなるので、食べたいときはがまんせずに食べています。食べすぎはよくありませんが幸せを感じるくらいなら◎」
Marikoの疲労回復法!入眠効果抜群のお風呂マッサージ
「私は入浴に1時間程度時間をかけます。体の芯まで温めるため、40~42℃の湯船に入った後、冷水シャワーを浴びる“温冷入浴”を3回繰り返しています。下記のマッサージは3度目の湯船につかったときに行います。この頃には全身が温まっているので、こり固まった筋肉がほぐれやすく、体もリラックスします」
風呂上がりにはコップ1杯の炭酸水を飲み、筋肉がやわらかいうちにデコルテ、鎖骨まわり、脇、お腹、ふくらはぎなどのリンパ節を、心地よく感じる程度に刺激して体の巡りをよくしているという。
「特に、耳の後ろから鎖骨にかけてつながる胸鎖乳突筋を人さし指と中指で挟むようにして上から下になでると、巡りがよくなるだけでなく、顔のたるみもスッキリするのでおすすめです」
「お風呂の効果は次の3つ。
【1】汗をかいて余分な水分や毒素を排出する。
【2】体の芯から温まる。
【3】筋肉をやわらかくする。
疲労回復のためにも、入浴時間を1時間ほどとるのがおすすめです」
風呂場で行うと快眠できるマッサージのやり方も教わりました。
■ヘッド
両手の指を開いて後頭部に当て、指に頭をあずけるように軽く後ろへ倒し、10~20回、指で頭皮をほぐすようにマッサージする。
「頭皮をマッサージすると目や脳の疲れが取れます」
■ふくらはぎ
両手で足首を包み込み、足首からふくらはぎ、太ももにかけて、なで上げる。
「脚がパンパンにむくんでいる人は、痛気持ちいい程度の強さで圧をかけ、やわらかくほぐして」
■ひざ裏
ひざの裏に両手の親指を当てて、脚をぶらぶらさせる。
「体を洗う合間にできるマッサージです。ひざ裏のリンパ節を刺激すると、たまった老廃物を流せます」
■ウエスト
両手でバスタブのへりを持ち、20~30回ウエストを左右にひねる。
「湯船につかったまま行うと水圧が負荷になるので、よりウエストに刺激が加わりくびれができやすくなります」
教えてくれた人
B-lifeインストラクター・Marikoさん/チャンネル登録者数118万人を誇る人気ヨガYouTuber。ヨガ、フィットネス、バレエ、ピラティスなど、独自に作成した多彩なプログラムは、多くの視聴者から支持を得ている。近著に『寝る前10分 魔法の寝落ちヨガ』(小学館)。
WEBサイト https://b-life.style/
取材・文/佐々木めぐみ 撮影/五十嵐美弥 イラスト/miya
※女性セブン2021年5月6・13日号
https://josei7.com/
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