まだ間に合う京都”遅咲きの桜”|仁和寺の御室桜、青龍殿の枝垂れ桜など絶景5選
まだ間に合う、見頃はこれからの京都の桜。多数の桜スポットに恵まれ、桜の種類も豊富な京都だからこそ、少し遅めに見頃を迎える名所が実はたくさん。京都の写真を45年にわたって撮り続けているカメラマンの中田昭さんが、遅咲きの桜(例年4月15~20日頃)を厳選しました。
1.仁和寺の御室桜
まるで春の掛け軸のような1枚
仁和寺の西側一帯に広がる「御室桜」と呼ばれる有名な遅咲きの桜。樹高2mほどの背の低い里桜で、一重や八重などさまざまな種類が植えられ、大正13年に国の名勝地に指定された。
「五重塔が花の雲に囲まれ、一幅の掛け軸のような風情がありました」(中田さん、以下同)
【DATA】仁和寺の御室(おむろ)桜
住所:京都市右京区御室大内33
2.青蓮院門跡・青龍殿の枝垂れ桜
重厚感ある青龍殿としなやかな枝垂れ桜の対比が鮮やか
国宝の青不動を祀る青龍殿は、奈良大仏殿の横半分もあるダイナミックな木造建築。展望台に続く庭園には約200本もの桜が植えられ、桜の名所となっている。
「華やかな枝垂れ桜と、不動明王を祀る重厚な青龍殿の組み合わせに心惹かれました」
【DATA】青蓮院門跡・青龍殿の枝垂(しだ)れ桜
住所:京都市山科区厨子奥花鳥町28
3.千本ゑんま堂 引接寺の普賢象(ふげんぞう)桜
花冠のままポトリと落ちる散り際に人生を重ねて―― まるで美しい絨毯のよう
遅咲きで有名な普賢象桜は、4月中旬頃が見頃に。
「紫式部供養塔を彩るかのように華やかに咲き誇ります。咲いているときのみならず、地上に散ってもなお、その美しさをとどめる姿が愛らしい」。
【DATA】千本ゑんま堂 引接寺の普賢象(ふげんぞう)桜
住所:京都市上京区千本通寺之内上ル閻魔前町34
4. 鴨川 半木の道
陽光にきらめく鴨川と心躍る桜のトンネル
鴨川の北山大橋から北大路橋まで、約840mの散策路には紅枝垂れ桜などが植えられ、地元で人気のお花見スポットに。満開になると桜のトンネルが現れる。
「鴨川と桜、さらに菜の花がアクセントになって、穏やかな春の景色に出逢えます」
【DATA】鴨川 半木(なからぎ)の道
住所:京都市左京区賀茂今井町10-4
5.菊乃井 無碍山房 Salon de Muge
古木の桜を愛でるためのカフェ
「樹齢150年の大きな桜の古木が2本あり、その桜を愛でるための店を作りました。100坪の庭で桜と苔を眺め、枝垂れ桜が舞い散る姿は圧巻です」(菊乃井・代表取締役 村田吉弘さん)。
無碍山房濃い抹茶パフェ(1601円)などスイーツを楽しめる。
【DATA】菊乃井 無碍山房(むげさんぼう)Salon de Muge
住所:京都市東山区鷲尾町524
教えてくれた人
■中田昭さん/京都カメラマン
「京文化」をテーマに、風景や祭りなどの撮影を続ける。著書に『・京・瞬・歓・』(京都新聞出版センター)など多数。JR東海「そうだ 京都、行こう。」ポスターなども撮影。
■村田吉弘さん/菊乃井 代表取締役
13年連続でミシュラン3つ星を獲得する京都の老舗料亭『菊乃井』の3代目。NHK『きょうの料理』などに多数出演し、家庭で作りやすい和食を広めている。
撮影/中田昭(桜写真)
※女性セブン2022年4月21日号
https://josei7.com/