真矢ミキが語る母の介護「私を忘れてしまったあの日…」
「施設からの帰り道、家につくまでに心の整理をしたいと思った。そして気付けば家を通り過ぎて何時間も歩いていました。ぽっかり穴のあいた空虚に似た感情が押し寄せてきた。母が私を忘れた。父・兄・私と過ごした50年以上の月日を忘れた。1つの大切な家族が消えた瞬間だった。そしてそれを受け入れる時間だった。歩いて歩いて思ったんです。神様は親切で、徐々に親が老いていくということ、昔を忘れていくことを、ゆっくり時間をかけて教えてくれている。母の娘から、1人の大人の女性に、勇気を出して受け入れ1歩進みなさいと。
そして母が忘れてしまっても、私が母の分も忘れないでいるからねと、心の中に決めた道のりでした」
その日の夜10時、ブログに思いを綴った。
真矢みきがブログに綴った心情
≪何処かの貴方へ
2018-08-20 22:05:08
今日、母が私を忘れていた。
今年で米寿を迎える母
母の夫、
私にとっての父が他界してから約14年が経つ
あの父が亡くなった夜から、
母は少しづつ悲しみを忘れたいのか、
現実逃避していった気がする
私は敢えて認知症なんて言葉は使いたくない
悲しみを忘れたかった母の気持ちがわかる気がするから
だけど
今夜は一人
ただ、どこまでも歩きたかった
泣きたいと言う衝動的な娘としての感情と
それで良いんだ
といいきかせる、大人になっている自分がいることに気づいた夜だった
母の人生
母の思うままに
あたたかい日々であってくれたらいいな
何処かで、そんな思いをしている方がいたら、
そんな事
伝えたいなと思った。
今日も一日、お疲れ様でした。
明日も笑顔で、
お互いに朝を迎えたいですね≫
(8月20日に更新された真矢のブログ https://ameblo.jp/maya-miki-blog/day-20180820.htmlより)
これからも母を支えたい
同じように介護を担う同世代の読者から大きな反響があった。
「悲痛を告白したかったわけではない。同じような思いをしている人に、“私もその思いが分かります”と、ただシンプルに胸を少し張ってそう伝えたかったんです」
投稿後、コメント欄には書き込みが殺到した。
「コメントを読んで、私の方が救われました。私には仕事もありますが、母の介護は兄夫婦や多くの人も手助けをしてくれる。介護は、その時できる人ができることを無理なく助け合うことだと。母のお陰で、より今は人の力を信じています。私は、いい加減ではなく『良い加減』でこれからも母を支えていきたい」
※女性セブン2018年9月20日号
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