肺のまわりの筋肉を鍛えるトレーニング4選 深呼吸の基本「よこぶえ呼吸」をマスター
1.ボールを抱くポーズで横隔膜を強化!
メインの呼吸筋・横隔膜を鍛えるため、大きなバランスボールを抱えたポーズで行うストレッチ。大きな呼吸で肩甲骨まわりを伸ばすのにも役立つ。【1】~【3】を1分間かけてゆっくり行えば、鎮静効果のあるセロトニンが分泌される(1回1セット)。
【1】 両足を肩幅に開いて立つ。息を吐きながら背中を丸めてゆっくり腰を落とし、両手は胸の高さで大きな円を作る。
【2】10秒かけて息を吐きながら両手を前に伸ばし、吸いながら元に戻す。
【3】 息を吐きながら上半身を右にひねり、吸いながら戻す。左も同様に。
2.胸を開く鎖骨回しストレッチ
肩甲骨の動きは呼吸にも大きくかかわってくる。肩甲骨が凝り固まっていると胸が充分に開かず、呼吸が浅くなりがち。そこで、おすすめなのが鎖骨回し。鎖骨に手を当てて回すことで、肩甲骨まわりの筋肉を手軽にほぐすことができる(1回1セット)。
【1】足を肩幅に開いて立つ。リラックスした状態で、両手を鎖骨の上に当てる。
【2】鎖骨に手を当てたまま両ひじを肩の位置まで上げ、外側に大きく1~2度回す。内側も同様に。
3.胸式呼吸をしやすくし、運動不足も解消! 肋間筋(ろっかんきん)ストレッチ
肋間筋は肋骨と肋骨の間についている薄い筋肉。この肋間筋も、加齢や運動不足などで衰え、硬くなると呼吸がしづらくなるのでこまめにほぐしたい。【1】の姿勢からゆっくり息を吐きながら【2】の姿勢になり、倒したところで息を止め、その後、またゆっくり【1】の姿勢に戻る動きを1分間かけて行おう(1回1セット)。
【1】椅子に深く座り、左手を横に上げて手のひらを頭の後ろにつける。右手は腰に当てる。
【2】息を吐きながら上半身を右にゆっくり倒し、少し息を止めたあと元に戻す。手を替えて同様に。
4.呼吸を楽にし、尿漏れも改善!ハンモック筋ストレッチ
ハンモック筋は、骨盤の底で膀胱や子宮をハンモックのように支えている骨盤底筋のこと。横隔膜の動きと連動しているので、鍛えることで呼吸が楽になる。ほかに尿漏れ改善などにも効果あり。1セット(10秒)を10回行う。
【1】仰向けに寝て、ひざを90度になるように立てる。腕は体の横に置き、手のひらは床につける。お腹の筋肉を意識しながら行う。
【2】息を吐きながら、頭の方向へ引き上げるイメージで、少しお尻を持ち上げ肛門を締める。慣れてきたらお尻を床につけたまま肛門を締める。
【3】息を吸いながらお尻を下げ、締めた肛門をゆっくりゆるめる。お尻が床について筋肉がゆるんだら、もう一度息を吸う。
教えてくれた人
医師 奥仲哲弥さん
山王病院副院長、国際医療福祉大学医学部教授、医学博士。著書に『不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる! 専門医が教える自律神経が整う「呼吸筋トレ」』(あさ出版)などがある。
取材・文/北武司 イラスト/青木宣人
※女性セブン2022年3月17日号
https://josei7.com/
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