健康

広瀬すず、佐々木希の共通点は”左右対称の整った顔”「顔の歪み」の原因を医師が解説

 鏡を見ると、あれ? ちょっと左右で顔が違う。目の大きさ、ほうれい線の深さ、しわの数、たるみ…明らかに左右で違うなら、それは顔が歪んでいる証拠かも。左右差が少なく美しい顔立ちと称されるオードリー・ヘプバーンをはじめ、広瀬すずさんや佐々木希さんを例に、顔の歪み”左右差”が招く問題や歪みのチェックリストを、さつま骨格矯正鍼灸整骨院総院長・薩摩宗治さんと、歯学博士・中村真理愛さんに解説いただいた。

 さつま骨格矯正鍼灸整骨院総院長・薩摩宗治さんは言う。

「『左右差=老い』といっても過言ではありません。人は生まれたてのときには顔に左右差はほとんどありませんが、成長していく中で少しずつ差が出てきます。そして30代以降になると、加齢によって肌のハリがなくなってくることで、歪みが顕著に表れ始める。放置しているとどんどん左右差は広がり、顔が大きく、老けて見えるようになるのです」(薩摩さん・以下同)

 左右差には、筋肉が大きく関係している。顔には36種類もの筋肉があり、総称を顔面筋と呼ぶ。

「顔面筋のバランスが崩れることにより、あごが歪み、顔の大きさが変わり、目や鼻などのパーツが変形して老け顔が作られていきます」

 顔の左右差は見た目だけの問題ではなく、さまざまな不調にもつながる。歯学博士の中村真理愛さんが指摘する。

「顔が歪むと自律神経が乱れ、頭痛、めまい、むくみ、だるさ、冷えの原因にもなります」

 顔と体のつながりは深い。

「人の全身は筋膜という一枚の筋肉の膜で覆われています。イメージとしてはボディースーツを着ているようなもの。一部の筋肉を使いすぎて伸びきったり、硬くなってしまうと全身の筋膜のバランスも崩れてしまいます。背中、首の後ろ、後頭部、おでこの筋膜は“スーパーフィシャルバックライン”と呼ばれ、顔を引き上げる役目をしています。姿勢が悪くて猫背になると、背中の筋肉がつねに伸びきった状態になり、スーパーフィシャルバックラインがゆるむ。するとおでこや顔の筋肉がたるんでしまいます」(薩摩さん・以下同)

 意外にも、全身で最も歪みやすいのは「あご」だという。

「話す、笑う、噛むなど、あごはつねに動かす機会があり、1日3000回以上動くといわれます。さらに歯と歯を噛み合わせたときに、あごには体重の2倍もの力がかかる。よって、体のどのパーツより歪みが生じやすいのです」

■1つでも当てはまったらあごが歪んでいる可能性大!

□ ほうれい線の長さや深さが左右で違う

□ 口を開けたときにあごがずれる感覚がある、あごでカクカクと音がする

□ 口を大きく開けない

□ 笑ったときの口角に左右差がある

□ メガネがずれやすい

□ 目の大きさが左右で違う

 それに加え、ついやってしまいがちな生活習慣がさらに顔の歪みを悪化させている。

「いちばんよくないのは頰づえを片方だけでつくこと。6kgのボウリング球と同じくらいの重さの頭を一方のあごで支えることになるため、あごを圧迫して歪めてしまうのです。唇を噛む癖がある人も要注意。口元を支えている口輪筋が、噛み癖によって筋肉の圧を均等にかけられなくなってしまいます。唇は噛まずに、むしろウーっとたこの口のようにとがらせると、口元周辺に集まった筋肉が動くので、アンチエイジング効果があります」

 生まれつきの体格や顔の形が原因となることもある。

「スラっと細身でスタイルがいいモデル体形の人は、じつは顔に左右差が出やすい。なぜなら、細身の人は側弯症(そくわんしょう)といって、背骨が曲がっているケースが多いんです。その歪みが顔面にも影響してしまう。また、顔が細い人、面長の人は左右差が目立ちやすい。逆に、あごが短い『短顔(たんがん)』と呼ばれる顔立ちは左右差があっても目立ちにくいんです。

 芸能人でいうと、広瀬すずさんや佐々木希さんのような顔。短顔で、左右対称の整った顔といえば、オードリー・ヘプバーンも代表的。決して、顔の骨格が長いからダメというわけではなく、長い人は姿勢などを意識することで改善可能です」

 

 そして、やはり歯並びの悪さも左右差の原因となる。噛み合わせが悪いと、噛み癖につながるため歯列矯正を検討した方がいい。中村さんが言う。

「食べ物を噛むとき、左右どちらかだけで噛む癖があると筋肉が偏って発達します。さらに、食いしばりや寝ているときの歯ぎしりも問題です。たいていの場合はどちらか一方で食いしばっているため、食いしばった方の筋肉が硬くなって歪んでいきます。気になるようであれば、マウスピース矯正を行ったり、食いしばりで筋肉が発達した箇所に筋弛緩作用のあるボトックス注射を打ち、食いしばりを止めるという方法があります」

 ボトックス注射は食いしばりの治療目的以外でも、えらの張りを目立たなくして小顔に見せたり、表情じわができるのを防ぐためなど、美容医療の施術としても人気だ。だが、注意点もある。

「30代以降は肌にハリがなくなってくるので、ボトックス注射を打ちすぎるとたるみが顕著に現れ、ブルドッグ顔になりかねません。40代以降は、さらに頰がこけて、たるんでくる。顔には必要な筋肉があるので、30代以降はボトックス注射に頼りすぎるのはおすすめしません」(薩摩さん)

教えてくれた人

さつま骨格矯正鍼灸整骨院総院長・薩摩宗治さん、歯学博士・中村真理愛さん

※女性セブン2022年3月10日号
https://josei7.com/

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