夜遅く食べると太る理由を医師が解説「寝る時間を遅くすれば大丈夫は誤り」
「夜遅く食べると太る」というのは、なんとなくわかっているけど、その理由はわかりますか? 実は科学的根拠があるんです。国立病院初の肥満・メタボ外来を開設した浅原哲子医師に詳しく解説いただきました。どうしても夕飯が夜遅くになってしまう人向けの対策もご紹介します!
夜遅く食べるとなぜ太るのか
問題点:夜遅く食べても、寝る時間を遅らせればOKと考えている。
対策:19時頃までに食べられない場合は、夕食を2回に分けて摂る。
「夜中に食べると太る」のは漠然と知っていても、仕事や家族の都合などでどうしても夕食が遅くなるという人も多い。
「生物には、『朝起きて夜寝る』までのリズムを刻む体内時計がありますが、そのリズムをコントロールしているものの1つが『BMAL1(ビーマルワン)』というたんぱく質です。
この『BMAL1』がくせ者で、脂肪を合成して蓄える酵素を増やす働きがあるのです。これがいちばん増える時間帯が午後10時から午前3時頃で、最も少なくなる午後3時頃と比べ、なんと約20倍の量にも増加します。『夜中に食べると太る』は、こうした科学的根拠に基づいているんです」
したがって、「夜遅く食べたらその分、寝る時間を遅らせれば大丈夫」という説は、まったくの誤りなのだ。
「夕食が深夜になりそうな場合は、午後7時頃までにおにぎりやサンドイッチ、ドライフルーツなどで軽くお腹を満たし、帰宅後は炭水化物を控え、野菜をメインに軽く済ませます。そして、翌朝にしっかり食べましょう」
夜の食事後は食べ足りなくてもすぐに歯を磨き、食事を強制終了してしまおう。
本気でやせたい人へダイエットの心得5か条
「国立病院機構京都医療センター 肥満・メタボリックシンドローム外来(以下京都医療センター 肥満・メタボ外来)」で「やせるメソッド」を構築した浅原哲子さんに聞いた、本気でやせるための心構えがこちら!
【ダイエットの心得5カ条】
1.高脂肪食は中毒性あり。年末年始の“ごちそう習慣”を断ち切りましょう
2.「○○抜き」の極端なダイエットは、より食欲を刺激し、リバウンドにつながります
3.“ダイエットの4原則”は「間食しない」「揚げ物を摂らない」「野菜ファースト」「1日8000歩歩行」
4.「80kcal=30分歩く」を基準に、好きなお菓子のカロリーと、消費に必要な運動量を把握しましょう
5.1か月1kgでも、1年で12kg減「急がば回れ」のダイエットは、一石十二鳥
教えてくれた人
浅原哲子さん/医師
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長、名古屋大学環境医学研究所 メタボ栄養科学研究部門 特任教授。国立病院初の肥満・メタボ外来(予約制)の開設以来、20年にわたり、3000人以上の減量指導を行う。近著に『「いただきます」を言わない人が太るワケ』(三笠書房〈知的生きかた文庫〉)。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でのダイエット解説も話題となる。
イラスト/香川尚子 取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月3日号
https://josei7.com/
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