実家の片づけの段取りをプロが指南「庭・玄関・洗面所」思い入れのない場所から!
問題が山積みの実家の片づけ。自分で整理したくても、どんな風に取り組めばいいのかわからず途方に暮れることも。実家片づけのプロが教えるポイントをおさえれば、スムーズに片づきますよ。
家が広いほど、片付けの順番が大事。リビングやキッチンから片づけるのは失敗のもと。まずは、思い入れがなく親子で意見が対立しづらい庭、玄関、洗面所からスタートしましょ!
庭や玄関を片づけるのは誰も反対せずやりやすい
実家片づけアドバイザー(R)の渡部亜矢さんが、実家整理のコツを教えてくれました。
「思い出にひたっているうちに時間が経っていた、親との価値観のズレから捨てる・捨てないでケンカになったなど、片づけがとん挫するのは、その場所やものに思い入れがあるから。まずは庭から玄関、洗面所までの動線を。床置きされた、古新聞などを片づけるだけで見た目がスッキリ。きれいになるとほかも片づけたい! という気になります」(渡部さん)
片づけは順番を決めて
庭⇒玄関⇒洗面所の動線は、いざ地震や火事になった場合の避難経路となることからも、早く片づけたい。
庭
思い入れがなくサクサク片づく
「庭や勝手口近辺を片づけるくらいなら親も抵抗しませんよ」(渡部さん)。
孫なども一緒に家族で取り組むと、楽しみながら短時間で効果が出やすい。次のモチベーションにもつながる。
雨ざらしになった何年も乗らない自転車、枯れた植木、使わない植木鉢は即片づけよう。不用品を取り除いただけで印象がすっきり。
玄関
避難経路としても高優先度
定年退職後、履かなくなった革靴が置きっぱなしの玄関。飾り棚には昔いただいた日本人形が。ガラスケースは地震の際に危険を伴う。避難経路でもあるのですっきり片づけたい。
奥の靴箱の前は雑多なものが積み上げられ開かずの扉状態…。あふれた不用品を仕分けして移動・処分して扉が開くようにし、靴箱内も整理して古新聞などを収納。日本人形も思い切って処分。
片づけは親の安全を一番に。古い靴を処分して空いたスペースに避難用リュックを入れた。
洗面所
過剰なストックを処分するだけでもスッキリ!
高齢者は、不安や寂しさからストックを大量にため込みがち。在庫は1個までと決めよう。期限切れの古い薬は処分。安全面から、洗面所までの動線には床にものを置かず、停電でもつまずかず歩けるように片づけよう。
【STEP1】全部出して並べる
風呂敷などの上に棚の中のものを全て出して並べ、同じものが何個もあったり使用期限が切れていないかチェック。
【STEP2】残す・捨てる・移動するの3分類
「使っていない・期限切れ」は処分。雨合羽は玄関に移動。「残すもの」だけを棚に戻す。
高齢者はすき間を埋めようとしがち。ある程度は収めて、あまりスカスカにしすぎないのがコツ。
教えてくれた人
実家片づけアドバイザー(R) 渡部亜矢さん
講座など多数開催。著書に『片づけの基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
撮影/戸井田夏子 イラスト/サトウヨーコ 取材・文/石井栄子
※女性セブン2022年1月6・13日号
https://josei7.com/
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