猫が母になつきません 第286話「ねない」
猫は気まぐれ、ツンデレ。実家ではずっと犬を飼っていたので最初は猫への接し方に迷っていましたが、今は慣れたもの。あまりしつこくせずに好きなようにさせます。この寝る前の一悶着は猫あるあるですよねきっと。うちは「まだまだ寝ないよっ」ってとこからの「やっぱり寝るっ」までのスピードがすごく早い。毎晩ルーティーンのように繰り返される小芝居…まあ、付き合うんですけど。猫は単独行動をとる動物なので、本能的に自分のペースで生きているそう。誰に気を遣うこともなく、媚びることもなく、それでもって「そこがいい」なんて言われるのはうらやましい限りです。去年は大変な年でした。母の認知が急に進み、こちらも戸惑うことが多くてペースは乱されまくり。マイペースってなんだ。母は特に被害妄想が強くてあまりに毎日呪いの言葉しか吐かないので、ある日母が食後に「美味しかった」と言っただけで、久々のポジティブな言葉に泣いてしまったこともありました。今年はもっと大変なんでしょうね。老いていくのだから良くなることはない、こちらが対処の仕方を覚えていくだけ。二人の生活も変わっていくでしょう。日々猫に癒されながら、というのは変わりませんけど。今年も「猫が母になつきません」をよろしくお願い申し上げます。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。