“シリコンバッグ”はなぜ人気?メーカー別にメリットを解説「何年も使えて、とにかく便利」

 今、大人気のシリコンバッグは、電子レンジの調理だけでなく、冷凍、湯せん調理、つぶす&もむ、食材保存など何でもできる優れもの。使えば使うほどよさが実感できるので、愛用者が急増中だ。ただし、メーカーによって形も使い勝手も異なるので、どれを買えばいいのか迷うところ。そこで、人気メーカー6商品を徹底比較。商品説明だけでなく、ポイントやおすすめの使い方、レシピなども紹介。あなたのお好みのシリコンバッグを見つけてみて!

※店舗によって品揃えが異なり、在庫がない場合や、予告なく製造中止、仕様変更する場合があるので、予めご了承ください。

シリコンバッグの使い方は無限大!

 シリコンバッグの特長は、何度も繰り返し洗って使えるため、地球にやさしいエコグッズであること。とはいえ、1枚当たり2000円を超える商品も多く、お財布にはやさしくないイメージが強い。

「使い捨ての密閉袋は、1枚10~30円のものが中心なので、比べると100倍くらいになりますが、繰り返し洗って使い続けるほどコストパフォーマンスが上がるので、長い目で考えればお得だと思います。うちには3年以上使っているものもありますが、いまだにヘタることなく使い続けています」(料理研究家・ゆーママさん)

 また、シリコンというと独特のにおいが気になるが、

「高品質のプラチナシリコンを使用したものは、においが少ない」と、人気のシリコンバッグ『スタッシャー』を販売するボーテ福原の広報・山崎康子さんは言う。

「プラチナシリコンは、点滴を入れるチューブなどの医療器具や、哺乳瓶の吸引部などに使われている、安全性の高いもの。表面が多孔質ではないので汚れが付着しにくく、バクテリアが繁殖しにくくなっています」(山崎さん)

 もしカレーなどの強いにおいがバッグに残ったら、

「お湯と食器用洗剤を入れて口を閉じ、シャカシャカ振れば、取れやすいですよ」(料理人・小鉢ひろかさん)

 今回紹介する6社すべてが食器洗い乾燥機(食洗機)OKで煮沸消毒も可能。より衛生的に使い続けられるのもうれしいところ。食品の色が付着した場合は漂白剤を使い、天日干しをすれば取れやすい。

「色が付きやすい食材には、最初から色付きのシリコンバッグを使うのがおすすめです」(ゆーママさん・以下同)

 各社の大きな違いは、密閉部分と形状。ロックバーを使うものはひと手間かかるが密閉力が高い。マチがあるタイプは、自立するので汁物の保存に便利。マチのないものは下ごしらえをして保存するのに便利など、それぞれに利点がある。

「どんなシーンで使いたいのかを考えながら、自分に合った商品を選びましょう」

スタッシャー スタンドアップ ミディアム<ボーテ福原>

価格:2530円 サイズ:縦18×横21.6×マチ9cm 1.6L 耐熱温度:-18~250℃
使用範囲:電子レンジ・オーブン・湯せん・冷凍・冷蔵・食洗機

●自立できてオーブン加熱可能

 アメリカ・カリフォルニアで2016年に誕生したプラチナシリコン100%の保存袋。耐熱温度は250℃と6社の中で最も高く、オーブン調理も可能。かっちり閉まる特許技術のピンチロックシステムを採用、液漏れを防ぎ、食品の鮮度をキープ。サイズは現在8種類あり、カラーバリエーションも豊富。用途に応じて使い分けやすい。

●クリア面があるから中身が見やすい

 中身がはっきり見えるクリア面があるので、調理中の食材の状態が確認できる。

●おすすめ料理「アヒージョ」

 耐熱温度が高いため、油を入れてのレンジ加熱も可能で、アヒージョも作れる。作り方は、きのこ50g、冷凍えび8尾、つぶしたにんにく2片分、オリーブオイル50ml、唐辛子1本、ハーブソルト小さじ1/2をバッグに入れ、口を開けたまま電子レンジ600Wで4分加熱。器に盛り、ドライパセリを振りかける。

ジップトップ ディッシュM<ワイ・ヨット>

価格:2420円 サイズ:縦11.5×横23.3×奥行8.8cm 710ml 耐熱温度:-30~220℃
使用範囲:電子レンジ・湯せん・冷凍・冷蔵・食洗機

●幅広の口&底面で食材を混ぜやすい

 2017年にアメリカで誕生。幅広の底面で安定感のある形状は、自立が可能。保存容器としてだけでなく、ボウルやカップなどの調理器具としても活躍。化学物質BPAや、鉛、フタル酸エステル、PVC(ポリ塩化ビニル)不使用で、アレルギーを引き起こしにくく、安全性の高い高品質な“プラチナシリコーン”を使用。肉厚で耐久性に優れ、繰り返し使用できる。

●口が大きく開いている

 楕円柱のような形なので、食材を混ぜやすく、中身を取り出しやすい。ただし、気密性は高くないため、転倒すると液漏れする可能性があるのでご注意を。

●おすすめ料理「ラタトゥイユ」

 手を汚さずに下味をもみ込み、野菜とともに加熱するラタトゥイユなら、水分を加えなくても旨みが濃縮される。作り方は、角切りの鶏胸肉をバッグに入れて塩少々をもみ込み、ザク切りにしたパプリカ、ピーマン、完熟トマト、顆粒コンソメを入れて全体的にかき混ぜ、電子レンジ600Wで6分半ほど加熱する。口を完全に閉めて冷まし、食前にオリーブオイルをかげる。

ルクエ リユーザブルシリコンバッグ 1.0L<シービージャパン>

価格:2090円 サイズ:約21.5×8.5×17.5cm 1L 耐熱温度:-60~220℃
使用範囲:電子レンジ・湯せん・食洗機(バッグのみ)、冷凍・冷蔵

●レンジ&シリコン調理器といえば

 シリコンスチーマーでおなじみのスペイン・バルセロナの調理器具メーカー「Lekue(ルクエ)」のシリコンバッグ。しなやかなプラチナシリコンのバッグに、ABS樹脂のロックバーを使ってきっちり密閉させるのが特長。非常に密閉性が高いので、冷凍や冷蔵時に横にして保存しても液漏れの心配なし。耐冷温度は-60℃と低いため業務用冷凍ストッカーでもOKだ。

●ロックバーで開け閉めする

 矢印がついたロックバーで袋を開け閉めするので、きっちり密閉できる。湯せんや電子レンジで加熱する際は、ロックバーを外すこと。

●湿気させたくない食品の保存にも

 密閉性が高く、湿気を寄せ付けにくいため、ナッツ類やスナック、乾物などの保存にも便利。酸化やカビの繁殖が抑えられ、鮮度が保てる。

マジカリーノ シリコーンバッグ(M) <和平フレイズ>

価格:2420円 サイズ:約20.5×20.5×1.2cm 耐熱温度:-20~200℃
使用範囲:電子レンジ・湯せん・冷凍・冷蔵・食洗機

●7役こなせて経済的

 新潟・燕三条のキッチンウエアメーカー『和平フレイズ』が今年1月展開中の、メインのおかずが簡単に作れてかさばらない、電子レンジ調理器具シリーズ。1袋で温め・蒸す・つぶす・漬ける・低温調理・冷蔵・冷凍まで7役をこなすマルチな保存袋。マチ付きなので下ごしらえした食材や料理をたっぷり入れられ、立てて保存できる。

●湯せんを取り出すのにも便利

 バッグの上部にフックが付いているので、湯せん調理をした後、箸などをひっかければ取り出すのに便利。

●つぶして作る離乳食におすすめ

 バッグに入れたままもんでつぶすことができるので、生後9か月以上の「かみかみ期」の離乳食作りに便利。

「ひじきとツナおやき」の作り方
【1】じゃがいもと水で戻したひじきをバッグに入れて口を少し開け、電子レンジで加熱。【2】じゃがいもが軟らかくなったら、バッグをもんでつぶし、ノンオイルのツナ缶、白だし、片栗粉を加えて混ぜ合わせ形を整える。
【3】フライパンにサラダ油を引いて弱火で加熱し、【2】の両面を焼く。

トゥーピラーズ ZipBag 中(サンドウィッチ) <BUZWORKS>

価格:2580円 サイズ:縦21×横18.5cm 耐熱温度:-20~200℃
使用範囲:電子レンジ・湯せん・冷凍・冷蔵・食洗機

●ポケット付きでかわいい

 アメリカ・サンフランシスコに本社を置くデザイナーチームが約2年間の開発期間を経て昨年完成させ、食品以外でも使いたくなるおしゃれなデザインのシリコンバッグ。ほぼ無臭のプラチナシリコンを使用し、油汚れがつきにくく、水洗いするだけで楽に汚れが落とせる。耐久性は約5年。付属品のフォーク&スプーン、温度調整パック付き。

●レンジで15秒加熱すれば保温剤に

 前面には、カトラリーが入るポケットがあるが、保冷・保温剤を入れればランチバッグや食材の持ち歩きの際に、おいしい状態をキープすることができる。付属の温度調整パックは、冷凍庫で凍らせると保冷剤、電子レンジで15秒加熱すれば保温剤として使える。フォーク&スプーンは竹繊維から作られている。

●ダイヤルで保存日を記録

 ポケットの裏側には曜日を記録できる保存日ダイヤルがあるので、いつ保存したのかがわかりやすい。

ダイソー シリコーン保存袋(680ML)<大創産業>

価格:220円 サイズ:約26×12×マチ7cm 耐熱温度:-30~230℃
使用範囲:電子レンジ・オーブン・湯せん・食洗機(バッグのみ)、冷凍・冷蔵

●抜群のコストパフォーマンス

 今春に発売されたDAISOのシリコーン保存袋は、680mlと340mlの2種類で、コストパフォーマンスはダントツ1位。6社の中でも手触りが抜群にやわらかいシリコンバッグで、ポリスチレンのロックバーで密閉する仕様だ。ロックバーの耐熱温度は-20~70℃なので、ロックしたままの電子レンジやオーブン加熱、湯せんは不可。

●倒れても水漏れしないロックバー

 シリコンバッグだけでふたをすることはできないが、ロックバーをスライドさせればガッチリ密閉できる。液体を入れて逆さにしてもOKだ。シリコンの摩擦力が強いため、力を入れすぎるとバーに亀裂が入ることがあるので注意して。

●口が大きく開くので、重ねて収納しやすい

 扇状に広がるバッグの口は、パカッと開くようになっているので、重ねて収納しやすい。

取材・文/山下和恵

※女性セブン2021年10月28日号
https://josei7.com/

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