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健康

むくみ解消のプロが実践している10の習慣 朝食はバナナ、寝る前に足ぶらぶら体操

 運動不足、いす生活で足を動かす機会が激減し、症状が悪化してはいないだろうか、足のむくみ。少しでも改善するために、よかれと思っていたことがむくみを進行させ、逆によくないと思っていた習慣がむくみ解消につながることもある。と専門家は話す。そこで、むくみ解消のプロがやっている「体に効く習慣」をご紹介する。日常生活の中で無理なく出来るものばかり、是非“習慣化”させて、むくみとオサラバしよう。

<朝>のむくみ改善習慣

 むくみ解消のプロは朝から対策を行っている。まずは水を飲むことからスタート。

■水は1日1Lを目安に飲む

 水分が不足すると循環血流が不足して血圧が下がるため、全身の血管が収縮してしまう。さらに、細い血管に血液が流れると水分は血管外に染み出て、むくみやすい状態になる。

「それを防ぐためにも水は1日1L飲むこと。水道水でもかまいません。ただ、硬度1000以上の硬水は血液内の水分量を保つ働きがあるので、むくみ防止に一役買います」(佐藤さん・以下同)

■朝食は塩分を控えバナナかキウイを

 むくみはカリウムやマグネシウム不足によっても起こる。

「塩分量が多い食事もむくみの原因に。朝食にみそ汁と漬けものを食べすぎると塩分過多になりかねません。その点、朝食にバナナかキウイを取り入れるのも◎。これらには余分な塩分を排出するカリウムやマグネシウムが豊富に含まれています。漬けものをフルーツに置き換えるだけでも塩分量が抑えられ、むくみ防止に」

■近所のお出かけは自転車ではなく歩きで

 むくみを解消するなら、まず歩く。

「歩くことによって足の関節が動き、ふくらはぎを収縮させます。ふくらはぎには静脈を押し上げる筋肉ポンプの働きがあり、ポンプが活発に動くことで、静脈内の血液の流れがよくなります。それにより、血管まわりにたまったリンパの流れもよくなり、むくみが解消されるのです」

 歩くより、自転車の方が足も動かすため、むくみ解消になると思ったら大間違い。

「自転車をこぐときに使う筋肉は腹筋と太ももで、ふくらはぎではないため、むくみ解消にはなりません」

<昼>のむくみ改善習慣

 お昼の習慣は家事や仕事をしながら出来るので、早速始めてみよう。

■アイロンがけや洗濯物をたたむときは“正座”で

「日本人がむくむようになったのは、いすに座る文化が西洋から入ってきた明治以降。いすに座ると太ももの静脈が圧迫され、その部分だけ血流やリンパの流れが滞ってしまい、太ももより下に血液がたまってむくみやすくなるのです」

 むくみを解消するのに最もいいのは正座だと、佐藤さんはすすめる。

「正座をすると、ふくらはぎが押さえられ、“ぺちゃんこ”になります。すると、ふくらはぎにあるすべての静脈が圧迫され、たまった血液が押し出されて分散されます。これで血流がよくなり、足のむくみも軽減されるのです。長時間の正座で足がしびれてきつい場合は、1日1回、洗濯物をたたむときや、アイロンをかけるときなどにするといいですね」

■家事の合間にかかとの上げ下げを

 ふくらはぎを中心とするエクササイズをするなら、かかとの上げ下げがベスト。

「かかとを上げてつま先立ちで3秒、下ろして3秒を、数回繰り返し行いましょう。デスクワークの合間や皿洗いのとき、洗濯物を干すときなどに行うのもおすすめです」

■こむら返りになったらつま先を手前に曲げる

「足がむくんでいる人は、こむら返りも起こしやすい。こむら返りとは、ふくらはぎの筋肉が収縮したまま、けいれんを起こす状態のこと。

収縮した筋肉を緩めるように伸ばせばいいので、ひざを伸ばした状態で座り、つま先をつかんでゆっくりとやさしく手前に引き寄せましょう。その際、強く引っ張らないこと。治らないときには、少し歩くと回復します」

<夜>のむくみ改善習慣

 足がパンパンになるのが夜。マッサージをしがちだがむくみ解消にはよくない行為だった! 

■マッサージはやさしくすり上げる程度に

 一日働いた足をマッサージするのは実はむくみ解消にはよくない行為。

「軽くさする程度ならいいのですが、強くマッサージするのは逆効果。特に足の甲はもんではいけません。足の甲は『抜け道血管』があるだけでなく、リンパがたまりやすくなっています。ここをむやみにマッサージするとリンパ管が損傷され、かえってリンパの流れが悪くなり、むくみやすくなります。また、注意してほしいのはひざ下。皮膚の表面にリンパ管が通っているので強く押すと傷ついてしまうため、優しくなでる程度にとどめて」

■寝る2~3時間前に食事は済ませる

 夕食の時間が遅い、または不規則だとむくみのリスクが高くなる。

「睡眠中はあまり動かないため、むくみやすくなります。できれば食事をしてから2~3時間後に寝るのがいいでしょう。少し空腹を感じるくらいで寝た方が、脂肪も分解されやすくなり、太りにくくもなります。可能であれば、食後に30分くらい家の中を歩くなどの運動をすると、むくみにくくなります。寝る前に塩分や脂肪分を多く摂ると血液内に残りやすくなるので、夕食にファストフードやラーメンを食べるのは控えましょう」

■寝る前には足“ぶらぶら”体操を

 二足歩行で生活をする人間は、足に血液がたまるため、むくみを引き起こしてしまう。

「血液を心臓に戻す運動をすると、リンパの流れがよくなり、疲れとむくみがとれます。入浴後や就寝前に仰向けに寝て、両足を真上に上げて、ぶらぶらさせます。次に、自転車をこぐように回転させます。いずれも10~30回を目安に行うと、足がスッキリしますよ」

■寝る姿勢はうつ伏せか横向きで

 むくみ解消には、どんな睡眠をとるかも重要だ。

「仰向けに寝ると、舌の位置が下がり、気道が狭くなって口呼吸になりやすくなります。口呼吸はほこりなどの異物が混入しやすく、リンパの流れを悪くするため、むくみやすくなります。また、鼻炎などで鼻がつまっている人も口呼吸になりやすい。鼻呼吸にするには、うつ伏せか横向きになって寝ること。これらの姿勢は鼻呼吸がしやすく、口呼吸の人でも楽に鼻呼吸に変えられます。市販の鼻呼吸をサポートするテープを使用してもいいでしょう」

教えてくれた人

佐藤達朗さん/『サトウ血管外科クリニック』院長。

著書に『下肢静脈瘤は「足の甲テーピング」で9割よくなる! 足のむくみ・こむら返りは“抜け道血管”が原因だった』(河出書房新社)ほか。

取材・文/廉屋友美乃 イラスト/STOMACHACHE.

※女性セブン2021年11月21日号
https://josei7.com/

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