認知症予防も期待できるペットとの暮らし シニア世代が準備すべきこと
癒しだけでなく、認知症予防効果も期待されるなど、年を重ねることで「ペットとの暮らし」に、より一層のエネルギーを注いだり、新たにペットを迎え入れたいと思う人は少なくない。
自分と犬・猫などお互いの寿命を考える
60代のペット飼育率は25.1%(一般社団法人ペットフード協会「平成28年全国犬猫飼育実態調査」)と、50代に次いで高い数値なのも、その証。家族だからこそ、お互いが幸せに暮らすために、まずはお互いの寿命を考えよう。
保護犬・保護猫と、飼いたい人のマッチングサービスなどに取り組むシロップの代表・大久保泰介さんが言う。
「日本人女性の平均寿命が87才なのに対し、犬は13~14才、猫は15才くらいです。最近はフードや医療技術が進歩して、ペットの寿命も延びています。15才以上でも元気な犬や20才以上の猫もたくさんいるので、子犬や子猫を飼うなら、飼い主が15~20年後も健康でないといけない。万が一の時のことも考えておかなければいけません」(以下、「」内同)
ペットより先に亡くなったら誰が世話をするのか
足が悪くなったら犬の散歩はどうするのか。入院したときは誰が面倒を見るのか。ペットより先に亡くなったらどうするのか――あまり想像したくないことだが、大事なことだ。
「飼う前に子供や友人、親戚に相談して、代わりに面倒を見てもらう約束をするのがいちばんです。財産を第三者に託して、残されたペットを引き取ってもらうペットの信託もありますし、ペットと入所できる高齢者施設には、人が亡くなったらペットの世話をしてくれるところもあるので調べておくといいでしょう」
年間の飼育費、犬は30万円、猫は15万円と見積もる
次に費用のこと。飼育に必要な費用を払い続けられるかも検討しよう。ペット保険の保険料や、予防接種代を含めると、犬の飼育に年間30万円、猫なら15万円は見積もっておく必要がある。
「病気やけがで手術をすると、ペット保険に入っていなければ1回数万円、場合によっては数十万~100万円近い治療費を払うこともあります。また、昔と違って犬猫は室内で飼う時代。家族が増えたと考え、お金も時間もかけてきちんと育ててほしいです」
保護犬・猫など成犬、成猫を視野に
新しい家族を迎えるのであれば、子犬・子猫より成犬・成猫も選択肢に入れて、と大久保さんは言う。
「幼い時は体質や性格もわかりづらく、成長するに従って持病や本来の性格が出てきます。成犬・成猫になると出会った時の印象と大きく異なることはないので安心です。例えば、猫を飼ってみたら想像以上にやんちゃなので手放す、といったことは決して少ないケースではありません。一方的な思い込みだけで飼うのは危険です」
成犬・成猫を迎えようと思ったら、動物保護団体が主催する譲渡会で譲り受ける方法が一般的。ただし、年齢制限があるので譲ってもらえないこともある。
「保護犬や保護猫を扱うペットショップもありますし、自身の年齢がネックになっても後見人がいれば譲ってもらえる場合があります。繁殖を終えてリタイアした若い犬猫を譲ってくれるブリーダーもいます。ブリーダーは知識も豊富なので、飼い方を詳しく教えてもらえますよ」
“第二の人生”を一緒に過ごすパートナーだからこそ、準備万端で迎えたい。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号
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