「七味唐辛子」が胃腸や自律神経を整える!免疫力を上げる!七味唐辛子12レシピ
「七味唐辛子」は江戸時代、漢方薬として誕生し、以来“万能調味料”として愛されてきました。血の巡りをよくし、胃腸を元気にする働きがあるため、免疫力向上も期待できるとか。おいしく食べて活力を育み、新型コロナウイルスに負けない体をつくりましょう。
七味唐辛子の主成分である唐辛子が日本に入ってきたのは16世紀のこと。これに1625年、『やげん堀 七味唐辛子本舗』の初代からしや徳右衛門が、漢方をヒントに6種の生薬を加えて配合。三代将軍徳川家光に献上したところ大変喜ばれ、以後、江戸中に広まったとされている。
「当時、江戸庶民の好物だった“そば”との相性がよかったため、人気が出たともいわれています。七味唐辛子にブレンドされている生薬の種類や配合量は、実は店によってさまざま。辛みや香りが違うので、食べ比べてみるのもおもしろいですよ」(国際中医薬膳師の大友育美さん・以下同)
生薬配合で胃腸や自律神経が整い肩こり・腰痛も改善
七味唐辛子の魅力は、辛みと風味だけではない。生薬を配合しているだけあって、薬効も期待できる。
「七味唐辛子には、主に血の巡りをよくし、新陳代謝を活発にする働きがあります。血流がよくなれば、老廃物が体外に排出されたり、内臓機能が活性化します。胃腸が元気になれば、必要な栄養素が摂れて免疫力も向上。疲れにくい体を維持できます」
血の巡りがよくなることで、肩こりや腰痛なども改善されるという。さらに、胃腸や消化器の機能が高まれば、自律神経が整いイライラやのぼせも鎮静化しやすくなる。
「ただし、摂りすぎると体温が上がり、余った熱が体の水分を奪ってしまうので、人によっては肌が乾燥したり、湿疹ができることもあります。適量には個人差があるので、最初は少量から試してみましょう」
【七味唐辛子の成分と働き】
■赤唐辛子
赤唐辛子の成分カプサイシンには、体を温める効果があるため、冷えから生じる肩こり、関節の痛みなどに有効。また、胃腸を活性化させるので、食欲不振も改善してくれる。
■山椒
成熟した果実の果皮には胃を元気にする効果をはじめ、整腸、解毒作用も。また、ビタミンAが豊富で、目の疲れを和らげてくれる。
■黒ごま
不飽和脂肪酸(リノール酸)やビタミンEが豊富に含まれており、髪の乾燥やパサつきを予防したり、爪が割れるのを防いでくれる。美肌効果や便秘予防も期待できる。
■大葉
β‐カロテン、ビタミン類、ミネラル類を豊富に含み、独特な香りのベリルアルテヒド(精油成分)には、細菌類の繁殖を抑制する働きがある。そのため、食中毒予防にも使える。胃腸の働きを活性化させるとともに、発汗解熱作用、花粉症予防、のどの詰まり感の緩和、つわりの解消といった、さまざまな作用がある。
■青のり
新陳代謝を促し、シミやそばかすなどを防ぐビタミン類が豊富。また、骨粗しょう症の予防に欠かせないカルシウムや、むくみ解消に有効なカリウム、便秘解消に効果的な食物繊維も豊富。
■陳皮(ちんぴ)
温州みかんの果皮を乾燥させて1年以上経ったものをさす。毛細血管を強化し、中性脂肪を分解するヘスペリジンが含まれている。また、咳を鎮める、痰を出すなどの効果も期待できる。
■けしの実
不飽和脂肪酸(オレイン酸)が豊富で、糖尿病や動脈硬化、高血圧などの予防に効果的。代謝を上げるビタミンB群も含まれているため、疲労を解消してくれる。
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ここからは、七味唐辛子を使ったピリ辛料理のレシピを「たれ・ソース」編と「混ぜ込み」編をあわせて12品ご紹介します。
※レシピは特記以外2人分。※電子レンジは600Wの場合。500Wは2割増し、700Wは2割減に。七味唐辛子は開封後、紫外線で劣化しないよう冷蔵庫で保存を。
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