高齢者におすすめのコンビニ食品|5種のたんぱく質を意識した食事で若々しく!
最近のコンビニは健康を意識した商品が充実
食材の買い出しや調理などがやや億劫になる高齢者の場合、温めるだけで簡単に夕食になるようなオリジナル商品が充実しているコンビニは便利な場所。さらに、最近のコンビニは健康に配慮したオリジナル商品も充実しているので、高齢者にとってより利用しやすくなっている。
美容や健康の知識に富んだ専門家に、親世代にすすめたいコンビニフードを教えてもらうこの企画。今回は、皮膚科医で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子さんに、身近なコンビニで買える高齢者におすすめの食品を教えてもらった。
「高齢者はついつい、たんぱく質や良質な脂質が不足しがち。糖質ばかりでエネルギーを補充していては老化が加速します。高たんぱく、適切な脂肪、野菜のバランス、咀嚼を促す食材を含むものが良いでしょう。高齢者がコンビニを利用するときにポイントにすべきことは、豆、乳製品、卵、魚、肉、5種のたんぱく質を1日に必ず食べるように食品を選ぶこと。糖尿病でない限り、糖質も過剰でなければOKです」(慶田さん・以下同)
『さばの味噌煮』(セブンイレブン)
●さばの良質の脂で若々しさをキープ
脂のりの良いノルウェー産のさばを使った味噌煮。おろし生姜を加えてすっきりとした味わいに仕立ててある。1パック、266kcal。たんぱく質は15.6g摂れる。
「さばや鮭などの魚は、良質な脂が摂れるので積極的に食べてもらいたい食品です。オメガ3系の脂肪酸がたっぷりのさばは高齢者の認知症対策にもグッド。『銀鮭の塩焼き』もおすすめで、アスタキサンチン豊富な鮭は、抗酸化食品の代表格です」
『ロールキャベツ』(セブンイレブン)
●手の込んだロールキャベツがすぐ食べられる
豚肉と牛肉を使ってトマトソースで煮込んだ、ロールキャベツ。ひとつひとつ手作業で巻き上げ、肉のうま味を閉じ込めてある。袋のまま電子レンジで温め可能。2個入り130gで、71.5kcal。たんぱく質は約4.7g、食物繊維は約2.3g摂れる。
「トマトの抗酸化作用とキャベツの消化促進作用、挽肉のたんぱく質と、いいことづくめのヘルシーな1品。食物繊維も多く、便秘対策にも。自分で作るとなるとかなり手間のかかるメニューですが、こちらは温めるだけなので楽ちんです」
『切れてる厚焼玉子』(ファミリーマート)
●だしのきいた玉子焼きで栄養を加算!
さば節と枕崎製造かつお節の合わせだしで、風味豊かに焼き上げた玉子焼き。1包装120g入りで、134kcal。たんぱく質は10g摂れる。
「卵は必須アミノ酸を効率よく摂取出来る上、ビタミンEやレチノール(ビタミンA)も豊富なので、血管の“錆び止め”作用も。厚焼き卵は柔らかく、ちょい足しにぴったり」
『信州味噌仕立てのかぼちゃほうとう』(ナチュラルローソン)
●見た目に華やかで心も満足
赤と白の2種類の信州味噌をブレンドし、かつお、昆布、椎茸のだしと麹で味わい深く仕立て、野菜の甘みもプラスしたほうとう。鶏肉、かぼちゃ、さつまいもなど、8種類の具材を盛りつけ、見た目も華やか。オリジナルのほうとう麺を使用。1杯354kcal。保存料と合成着色料は不使用。
「具材が多いと心も豊かになるもの。特に、体を温め、βカロテンも豊富なかぼちゃは高齢者が意識して摂るべき食材です。汁物を必ず1品加えると食事のバランスも良くなります」
『明治THE GREEK YOGURTはちみつ入り』(明治)
●少量で高たんぱく!
一般的なヨーグルトは乳製品を温め発酵させるのみのところ、ギリシャヨーグルトはさらに「水切り」という行程を踏む。そのため、余計な水分や乳清(ホエー)を除去し、たんぱく質が豊富で濃厚な味わいになっている。1個100g入りで、80kcal。たんぱく質は8.9g、カルシウムは125㎎摂れる。
「高齢者は意識してたんぱく質を摂取し、運動しないとどんどん筋量が低下し、サルコペニア状態に陥ります。転倒から骨折、寝たきり、痴呆という流れを避けるためにも、美味しく続けやすいヨーグルトは味方にするべき。ギリシャヨーグルトは少量で高たんぱくなので、食が細くなる高齢者にも最適。ヨーグルトの乳酸菌は腸内環境を整えます。味は好みのものを選んで、毎日食べ続けることが大切です」
銀座ケイスキンクリニック院長:慶田朋子さん
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で医学博士。東京女子医科大学医学部医学科卒業。同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、銀座ケイスキンクリニックを開設。メスを使わないエイジングケアをモットーに医療機器や注射によるナチュラルな若返りに定評あり。食と美容、健康など幅広い知識を持ち、現在は雑誌やテレビでも活躍。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)、『365日のスキンケア』(池田書店)などがある。
撮影/黒石あみ 取材・文/竹腰奈生